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地雷を踏んだらサヨウナラ

あらすじ:1972年、内戦の激化するカンボジア。銃撃の飛び交う中、ニコンを携えてシャッターを押しつづける男。男は25歳のフリー・ジャーナリスト・一ノ瀬泰造。キャパや沢田教一に憧れて戦場カメラマンを志し、激動のインドシナ半島を駆け巡るうち、やがて解放軍の“聖域”〈アンコール ワット〉を撮影することにとり憑かれてしまう。“うまく撮れたら、東京まで持って帰ります。もし、地雷を踏んだらサヨウナラ”と書き残した男は、死の直前、果たして何を目にしたのか・・・。

最近、mixiの映画をテーマにしたコミュニティで「好きな映画予告」「好きな映画のシーン」「好きな映画音楽」を紹介しています。今日は今作品のラストシーン、予告、音楽を紹介しました。この映画を初めて観たのは映画館でした。観終わった後、エンドクレジットが終わっても感動で席をすぐに立てなかったのを今でも覚えています。

1972年からフリーの戦場カメラマンとして戦地を駆け抜けた一ノ瀬泰造。世界的スクープを目指し、バングラデシュ・ベトナム・カンボジアへと渡り、戦争による悲惨な現実を撮り続けました。ベトナム兵が砲火から逃げる瞬間を捉えた「安全へのダイブ」。この写真は、アメリカの通信社UPIで月間最優秀賞を受賞しました。生命の危険と隣り合わせの戦場で、彼にはどうしても撮りたい場所がありました。

「ここの写真は戦争になってから撮ったものがおらず、世界も注目している所ですから、命を懸ける価値はあると思います。」

友人への手紙に書いたその場所は、アンコールワット。当時は内戦中で、立ち入ることさえ困難な場所でした。危険を顧みずひとりアンコールワットへ潜入した一ノ瀬は、1973年11月、現地で消息を絶ちます。26歳の誕生日を迎えたばかりでした。

一ノ瀬泰造を演じたのは浅野忠信。一ノ瀬泰造がのりうつったような迫真の演技に魅入られます。ラストシーンでアンコールワットに向かって自転車で漕ぐシーンは嗚咽が出るほど号泣。素晴らしいラストシーンです。
【敬称略】


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