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ミスト

あらすじ:激しい嵐が過ぎ去った町に不気味な深い霧が立ち込め、住民たちは身動きが取れなくなってしまう。やがて霧の中に潜んだ正体不明の生物が彼らを襲いはじめる。

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今作品は、正体不明の生物をツールにして人間の本質を描いている。人間は結束して立ち向かうのか、圧倒的な力に精神が崩壊してしまうのか、恐怖で人を支配するのか・・・。

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太刀打ちできない状況に人間は思考回路が停止し、自分で選択するよりも人に支配されることを選び、その集団を批判する人を排除しようとする展開はリアルで大変怖ろしい。

人間の本質を説く台詞がある。

「ひとたび闇に置かれ恐怖を抱くと人は無法状態になる。粗暴で原始的に」

「恐怖にさらされると人はどんなことでもする。“解決策”を示す人物に見境もなく従ってしまう」

「人間は根本的に異常な生き物だよ。部屋に2人以上いれば最後は殺し合うんだ。だから政治と宗教がある」

これらの台詞でわかるように、今作品はただのホラー映画ではない。想定外の状況に陥ったときに自分ならどういう行動を選択するのかと深く考えさせる構成になっているのだ。そして、あの衝撃的なラストシーンがなければ後世に残る傑作と成りえなかったであろう。

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