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西鶴一代女

あらすじ:社会の底辺で生きている女は、ふと入ったお寺の五百羅漢を見ているうちに、過去に出会った男達の顔を次々に思い浮かべる。そこで生まれた悲喜こもごもを静かに回想し終わると、女は何処 ともなく闇の彼方へ去っていくのだった。 

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国内では「キネマ旬報」ベストテン第9位の評価だったが、『羅生門』(1950)がグランプリを得た翌 年のヴェネチア国際映画祭で国際賞を受賞、以降この作品は「お春の一生」の題で日本映画を代表するようになり、フランスをはじめとする欧米各国で溝口監督は神格化されることになった。

今作品は、男性に求愛されると受動的にその愛を受け入れてしまう女を溝口監督は客観的に描いている。封建制度の下、能動的に愛を成就できなかった時代に生きる女の悲しみが胸を締め付ける。又、溝口監督作品なので当たり前のことだが、衣装や舞台セット、美術、カメラワークなど超一流。音楽は和楽器が使われています。溝口監督作品は、日本の文化や芸術、そして日本が歩んできた歴史を教えてくれる。このような重厚な作品が今の日本映画にあれば良いのに・・・と憂う。  


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