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博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか

あらすじ:時は冷戦の真っ只中。アメリカの戦略空軍基地司令官リッパー将軍が突然、ソ連への水爆攻撃を命令する。ところがソ連が保有している核の自爆装置は水爆攻撃を受けると10ヶ月以内に全世界を破滅させてしまうと判明。両国首脳陣は最悪の事態を回避すべく必死の努力を続けるが、水爆はついに投下されてしまう・・・。

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今作品は、冷戦中の米国とソ連の緊張関係をシニカルに描いたブラックな名作である。主演のピーター・セラーズはマンドレイク大佐、マーキン・マフリー大統領、ストレンジラブ博士を熱演している。特に私の一番のお気に入りは、ストレンジラブ博士である。 水爆が投下され、緊迫した最悪な状況にも関わらず、さも楽しげに倫理の欠片もない自論を披露する姿は心が凍る。 

又、冷戦中の社会情勢は大変緊迫した状況だったということが『オリバーストーンが語るアメリカ史』でわかるが、深刻で緊迫した社会情勢を皮肉を込めたブラックコメディで描かれており、キューブリック監督の手腕に感服させられる。

そして、最後に流れる『We'll Meet Again 』の爽やかな曲と反比例して、歌詞の意味を考えると寒々とした哀しい気持ちにさせられる。

『We’ll Meet Again』 

We’ll meet again,
Don’t know where,don’t know when.
But I know we’ll meet again, some sunny day.

Keep smiling through ,
Just like you always do,
Till the blue skies chase those dark clouds, far away.

So I will just say hello,
To the folks that you know,
Tell them you won’t be long,
They’ll be happy to know that as I saw you go
You were singing this song

We’ll meet again,
Don’t know where,don’t know when.
But I know we’ll meet again, some sunny day.


『We’ll Meet Again(意訳)』


また逢えるでしょう
どこかは分らず、何時とは分らない
けれどわたしたちは明るく晴れた日にまた逢えるでしょう
あなたはいつもしてきたように笑顔でいて
青空が暗い雲を遠くへ運び去るまで

だからわたしはあなたの知っている人たちに挨拶して
もうすぐ逢えると伝えるの
みんな知れば幸せになるわ あなたがわたしに逢って
わたしがこの歌を歌っていたことを

また逢えるでしょう
どこかは分らず、何時とは分らない
けれどわたしたちは明るく晴れた日にまた逢えるでしょう


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