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菊豆 (チュイトウ)

あらすじ:年老いた夫の折檻を逃れ、彼の甥との不倫に走る菊豆。夫は自分が子を作る能力を失ったため、その腹いせに妻に辛く当たったのだが、図らずも甥との間に息子が生まれ、卒中で半身不随になった夫ではあったが、物心ついた少年をつかまえ、自らを“父”と呼ばせようとする……。

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チャン・イーモウ監督作品は何本か観ましたが、一番好きな作品。原作では農家だったが、映像的な効果を狙って染物屋に変更されたとのこと。今作品の人物の心理描写に小道具が効果的に使われており唸らされる。コン・リーは期待通りの美しさ。官能ドラマから始まり、最後は狂気まっしぐらな展開に驚かされた。その狂気は主人公と愛人から生まれ落ちた子供から発せられるので、本当に恐ろしい。チャン・イーモウ監督は『妻への家路』で久しぶりにコン・リーを主人公に起用した。良い作品ではあるが『菊豆』のような衝撃はない。


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