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残穢

あらすじ:ミステリー小説家の私は、女子大生・久保さんから「今住んでいる部屋で、奇妙な音がする」という手紙を受け取る。その異変を調査するうちに驚くべき真実が浮かび上がってくる。

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「呪いの継承」をテーマにした作品は大好きだ。その土地で起こった悲劇は先代、先々代と遡ると悲劇の理由が解明するというわけだ。有名な作品は「八つ墓村」である。「八つ墓村」は戦国時代、とある山中の寒村に財宝とともに逃げ延びてきた8人の落武者たちを村人たちが皆殺しにしてしまったことを発端にして呪いが継承されてゆく物語である。

「残穢」は、ある事故物件を発端にして先代、先々代の住人に起こった悲劇が解明されてゆく。解明してゆく過程は面白く鑑賞したのだが、ラストのチープすぎる演出がいただけない。今作品のラストシーンは「ミステリー小説家である私の自宅にかかってくる電話で立ち竦む」だけで十分なのだ。恐怖は全見せしても怖くない。恐怖をチラ見せするだけで想像力豊かな観客は脳内でストーリーが駆け巡り、恐怖する。今作品の作り手は観客の想像力を信用していないのだと感じた。

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