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赤い天使

あらすじ:日中戦争が激しくなる中、西さくらは天津の陸軍病院に従軍看護師として配属される。毎日おびただしい数の兵士が運び込まれ、手術台のそばには切断された手足があふれていた。軍医の岡部はそんな状況に神経をすり減らしモルヒネを常用、不能となってしまう。さくらはそんな岡部を治そうと、一緒に寝るのだった。やがて二人は応急看護班として、前線へ行くことになるのだが…。 

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今作品の監督は、男女の情念を描くことに長けている巨匠増村保造。主演は増村監督作品でタッグを組むことが多い、若尾文子。戦争映画は多々鑑賞しているが、こんな奇妙な作品観たことない。何故なら、若尾文子演じる『西さくら』のキャラが有り得ないほどぶっとんでいるから。従軍看護婦『西さくら』はアンドロイドが如く野戦病院で日夜働いている。阿鼻叫喚の野戦病院の中で疲れ果てた『西さくら』。その野戦病院で運命の男(軍医)に出会い、愛の暴走列車と化す・・・。いつ命が散るかわからない状況の中、愛に燃える『西さくら』の言動が良い意味でぶっ飛んでいる。その為、戦争映画なのにリアリティゼロのダークファンタジーとして鑑賞してしまった。戦場という極限の世界の中で男女の情念を描き切る難しさを感じた。

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