マルタのサボさん

日本から戻ってきた、九月上旬、マルタはサボテンの実があちらこちらでなっていた。マルタ地中海性気候で夏は乾季で降水量が非常に低いので、サボテンにはぴったりの環境なのだ。

マルタに初めて来た頃は、日本では窓際の観葉植物(または、植物園で乾燥地帯の植物)としてしか見たことのなかったサボテンが、たくましく、ワイルドにそして、街路樹かと突っ込みたくなるぐらいの多さで植生してることに驚いたものだ。(一部のサボテンは外から持ち込まれ、野生化してしまったらしい。)

このなんとものびのびと葉を茂らせているサボテンたちは、夏に花を咲かせ、実をつけるのだ。下の写真のサボテンの実は、パプリカのように緑→黄色→オレンジ→ピンク→赤と色を変える。

この種類のサボテンは葉の部分から花を咲かせ、実をつける
(ウチワサボテンと思われる)

しかも、この写真のサボテンの実は食べれるのだ。実にも棘が生え、皮は固めなので、初めに切り落とす必要があるが、味は、薄ーーいスイカ味で、実自体はとてもとてもみずみずしく、そして、種が尋常じゃないくらい多い。種は巨峰ぐらいの大きさで、一緒に住んでいるマルタ人によると、種は実と一緒に飲み込んでしまうらしい。実キンキンに冷やして食べると旨いんだぁと言っていた。


マルタの植物データベースによると、マルタには11種類のサボテンが自生している。わたし的にはサボさん(コッシーとすいちゃんの友達)に似ているウチワサボテン(Opuntia ficus-indica)や小さめの金烏帽子(Opuntia microdasys)、そして夜の散歩で開花を鑑賞できたドラゴンフルーツの木、ピタヤ(selenicereus undatus)をよくみかける。

偶然、鑑賞できたドラゴンフルーツの木。花は大きく手のひらサイズだった。

マルタでは、棘のない、いわゆる日本で多肉植物といられるような植物もサボテンとおなじ括りにされている。サボテンは英語でCactus(カクタス)というが、多肉植物もカクタスと呼ばれている。一応、分類的にはサボテンは多肉植物の中の一部の植物にのみ使われる名前らしい。

まあ、ともあれ、サボテンは棘の付いたツンツンしたやつではあるが、花はきれいだし、実の食べれるし、良いやつではないか。


「サボテンがさぼってんじゃねーよ」

というフレーズが頭から離れないので、今回はサボテンについて

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