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私がどうやって広東語通訳者になれたのかを紐解いてみる(64)- 日本での海外作品撮影案件 -

そしてまた香港電影人に。まずは参加日数の少ない2作品に呼んで頂いた。まるで香港電影現場から暫く離れていた私へのリハビリのように。

『小Q / Little Q』(日本未公開)

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『Man Hunt』制片組の友人から連絡があった。「今どこにいる?日本?北海道で撮影なんだけど行ける?」香港電影からのお誘いとあればどこだって行くよ!久しぶりの撮影現場へのお誘いに即答した。

「主演の Simon Yam 華哥の通訳だから簡単だよ。あと、TVの司会者の役もやってもらうからスーツ持って来てね。」
ギャー!華哥だと!やるよ!やるやる!ありがとー!

この作品は『クイール』のリメイク版。華哥と小Qの雪原シーンが必要だということで絶対に雪深い北海道に白羽の矢が立った。2019年の年明け早々に北海道へ。当然ながら恐ろしく寒い。

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通訳者はいつどんな場所で撮影があるかわからない。しかも私は超の付く寒がり。防寒具は常備しておくべし。この作品は雪原での撮影だと聞いていたので、私の持つ中での最強のダウンジャケットでフル装備で臨んだ。この写真のヤムヤムはさすがモデル上がりだけにシュッとしているが、我々現場で雪まみれになるスタッフは見た目などどうでもいい。とにかく寒さに耐えられる格好が必要。香港人女子スタッフたちがスポーツショップで雪靴を買うと言うので付いて行って結局私もお揃いで買ってしまった。やはり北海道は防寒着の品揃えが違うね。

実はヤムヤム、結構日本語を話せる。驚いた。2年ほど日本語を習ったことがあるのだという。物凄く長い間使っていないからほとんど忘れたと言いつつ、日本に来て日本語を捻りだす努力をしているうちに、少しずつ単語が戻ってきたと言う。やはりベースのインプットがあれば、アウトプットに繋がるのだ。

「え?もうすぐ香港に戻って永住するの?じゃあ僕が日本語の勉強を再開したい時は連絡すればいいね!」と言ってくれて期待していたのだけれど、残念ながら連絡のないまま私は香港を離れた。残念。

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この現場でもやはり撮影用衣装を着たまま通訳業務でバタバタ走り回った。『小Q』は日本で未公開なので、もしもDVDなどで観る機会があれば「ザ・ソフィを探せ!」ということで私を探してみてください。遠目と後ろからのカットだけだけれど、真っ白なスーツなのでわかるはず。

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この後すぐに外での撮影だったのでスーツに雪靴という格好で走り回った私。とはいえ本番はちゃんとパンプス履いたよ。

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撮影終了。この場所は最初のポスターの場所と位置。またしてもシッカリ中央位置を確保しているけれど、帽子にマフラーで顔が見えない私。

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撮影終了して片付け終わって帰る時間帯はもうこんな感じ。いやはや本当に寒かったよ。

『Come and Go』

リム・カーワイ監督の大阪三部作最終作品。『新世界の夜明け』『恋するミナミ』に続いて本作は梅田が舞台。ちょうど先だっての第33回東京国際映画祭のプレミア2020枠で上映されたばかり。あちこちで物凄い好評なので観たい!私はいつ観られるかな。

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この作品で私は主演俳優の一人 David Siu 邵仲衡の通訳兼お世話係。リム監督はマレーシア系大阪人(笑)なので David とのコミュニケーションには問題無し。他のスタッフとのコミュニケーションのお手伝いをした感じ。

この作品で初めて Shogen 尚玄という俳優を知ったのだけれど、イイ男だったっすよ。出演作も結構あるようで、これからの作品が楽しみな俳優。

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そして私はまたもやエキストラ出演。某コンファレンスの参加者役と、このツアー参加者。なぜか順調に女優業のキャリアも増やしている。

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この Lien Binh Phat リアン・ ビン・ファッという俳優にはこの作品で初めて出会った。現場で二言三言の言葉を交わしただけだったが何故か印象に残っていた。

そして約半年後、2019年12月の 4th International Film Festival & Awards Macao マカオ国際映画祭で再会した。梅田で出会ったベトナム人俳優にマカオで再会って面白い縁だよね。お互いに名前は覚えていなかったけれど「あ!会ったことあるね!久しぶり!」と再会を喜んだ。

この時の彼は「Variety誌が選ぶ若き才能賞」みたいなものを受賞してマカオ国際映画祭に参加していた。リム監督に選ばれ、そしてVariety誌にも選ばれたのならば注目株なのだろうと思っていたところ、主演映画が日本で公開された。

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『ソン・ランの響き Song Lang』。ビビりまくっていて映画館に行くのも怖いので龍哥の生誕80周年記念復活祭でさえ皆勤していないのだけれど、これだけは絶対にスクリーンで観なければならないと思った。胸かきむしられるラスト・シーンだった。何度も観返したい作品。

Lien Binh Phat リアン・ ビン・ファッも Isaac アイザックも素晴らしい俳優だった。リム監督のおかげで出会えたことに感謝。

因みに、Lien Binh Phat リアン・ ビン・ファッは「ファット」と書かれているけれど、無礼にも本人に「あなたの名前なんだったっけ?」と聞いた時の本人の発音は「ファッ」であったので、本稿および今後も私は「ファッ」と書く。

(註)『Come & Go』の1枚目と3枚目の画像は KANSAIPRESS の記事からお借りしました。トップ画像はどのサイトからお借りしたか忘れたけれど、借りるよ!リムさん!

そして次には、ほぼガッツリ参加の作品が来る。(続)

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