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【あなたたちの子供が見たいわぁ!なんて言葉はAmbitiousな女には地獄の言葉。】ラテン系と結婚した日本人妻が思うラテンカルチャーの話パート②。

Hola〜!マイアミは今週はさらに雨の脅威が続いていて、嵐のような殴りつける雨が連日降っています。外にも全く行けない状態がここ数日続き、昨日はやっと少し晴れて虹も見えました!ということで、今週も引き続き家でヌクヌクと過ごしている私でございます〜。

今日のお題はちょっとシリアスな話。
Publicにこれを書こうかも迷いましたが、、、、きっと誰かは共感できる内容だと思うので、一度しっかり自分の素直&本音な今の気持ちを書いておこうと思います。

私は今月で39歳になるのですが、まぁ、まさか自分が39歳でこんな大学生の就活前のように「あぁ、私は何をしたいかなぁー??」なんて思いを馳せるとは夢にも思っていませんでした!笑
人生ずっとそれなりに波瀾万丈ですが、こんな青春を39歳で送るとは!笑
でもそんなトライ&エラーの日々も4年アメリカに過ごすとこんなもんか、と開き直れるようになり、心の余裕は少しできたのです。

そんな中、ずーっと義家族からのとあるリクエストというか、私への捨てることの出来ない希望があります。
それは「子供」。
前回の記事にも書きましたが、ラテン系のジャンと結婚したことで、こんなにも家族が第一に来るとは結婚するまで分からず、そこには当然「結婚したら、家庭に入り、子供を作る」みたいな暗黙のプロセスも盛り込まれているわけです。
<前回の記事はこちら↓>

2020年にマイアミに日本から引っ越しましたが、その時は35歳。
私はジャンにプロポーズされた時に「子供は欲しいか分からない、、、というか欲しくない方が大きいかもしれない」と伝えました。それは過去の恋愛をしていても子供を産むのは当然のように望む男性も多いと感じ、私自身はそこにどうしても「絶対」という気持ちがなかったからです。
相手から「子供は3人は欲しいよね!」なんて言われたら「えぇーー!!!それ産むの私ですけどね!妊娠だけで3年あるじゃん!」ってゲゲっとする思いの方が強く、プレッシャーすら感じたことがあったからです。
ジャンは「いいよ、それで」とすんなりその場で受け入れてくれたので、私はその時とてもホッとしました。

2020年ー2022年は、コロナやVisaの関係で、とにかく自分の「アメリカでの生きる権利」をもらうのに必死。自分が赤ちゃんかよ、てくらい何も出来ず、そんな中で義家族から「アスキ、子供はどうするの??」と言われて、「今はとにかくそんなこと考えている場合じゃないので、、、。」とやんわり断っていました。
ただ、自分の中で結婚して芽生えた感情もあり、「ジャンとの子供を産んだら可愛いだろうな、愛おしいだろうな、どんなだろう?」と興味を持ち始めた時期もありました。ジャンのママはそんな私に、ジャンがいまだにしっかり仕切れない性格のため、(これは彼の家族が全てお世話をしてあげているからこそのラテン男によくある産物だとも私は思っていますが。笑)子供を産んだら責任感が出るんじゃないか、みたいな提案をしてきた時もあります。
私も「しっかりして下さいよ!ちゃんとやるっっ!!!」とジャンにスパルタ教師となって怒りまくっていた時期もあるので、お義母さんの意見も分からなくもなかったですが、子供がいないと変われないのもおかしいし、そこに望みを託すことも危険すぎる(もし産んでも変わらなかったら取り返しのつかない誤算になるだけ。笑)と思い、どう考えても同意できませんでした。

子供を作らない、だって正当な選択です。

ただ、37歳くらいの時に真剣にジャンと子供の話をしました。
私もVisaも降りたし、少しホッとした中で子供が欲しい気持ちもある、と伝えました。ジャンはこの時100%欲しくない、と言う答えを出してきて、そこには彼なりの真剣な思いがありました。私もフワーっとどっちでもいいな、女性だから母になる経験もしたいかな?なんて感じだったので、断固として欲しくないというジャンの気持ちを聞いた時は正直複雑で、「どっちでもいい」じゃなくて「絶対欲しくない」だったんだ、と改めて理解し、でも彼の言うことに全て理がかなっているとも感じました。
要は彼も私もこの世の中に希望を持てない、というのが正直な気持ちだったのです。
コロナもそうだし、その後起きたBlack Lives Matter、ロシアとウクライナの戦争など、、、この全ては親でもコントロール不可能な世界、守ってあげきれない世界がどんどんと複雑に入り混じっているように感じるのです。
ジャンも自分が自分でいること、そして健全な精神でいることは至難の技だったと言っていました。私もそう感じます。
一歩間違えたら、ダークな世界に引き込まれそうになる、そんな現代の世の中に子供を産む自信は私たちにはなかったのです。

私はそこに加え、他にもいくつかの理由があります。
子供を産むことで、自分の自由が確実に奪われること。これは一番大きいかもしれません。私は夢を捨てきれない女でいまだにとても大きなAmbition(野望)があります。アーティストとして大成したい、世の中に貢献できるようなビジネスモデルを作りたい、、、アメリカにきて一からやり直しているからこそ、ここで子育てにシフトして、夢を追うことをストップすることはどうしてもマイナスにしか感じません。
妊娠を10ヶ月するのも私、どんなに周りが手伝うと言っても結局子育てのメインは私、、、今私の周りの女性はみんな子育てに集中していて、それはかけがえのない経験であるのは間違いないのですが、私には彼女たちほど自分を捨てて捧げる決心が何度考えてもできません。

次は姉兄から来た私の思い。私の兄は10歳も年上なのですが、若い頃から病気で最期39歳で亡くなりました。私が14歳くらいの時から徐々に闘病生活が始まり、私の両親も私も一緒に闘い、亡くなった時のショックや、命の儚さは今でも忘れられません。13歳上の姉もほどなくして病気になり、現在闘病生活を続けています。
私はこの2人の病気を介して、どんなに親が守って助けてあげたくても、助けきれない、コントロールのできないことは起きるのだと学びました。
そして、親として自分より我が子が先に亡くなることへの傷は癒えきれない、一生抱えて生きていくものだとも感じました。
私は末っ子の歳の離れた妹でしたが、この経験で何事も「永遠」はないと悟り、そしてこれがもし自分の我が子に起きたら、、、そういう不安や心配が何もなくても「起きるかもしれない」という思いを消しきれないのです。
もちろん周りのみんなは「やってみないと分からないじゃない!そんな心配だけではなくて嬉しいことも沢山あるわよ!」と言ってくれますが、私はこの件に関しては1%もそのリスクを負いたくないのです。どうなるかやってみないとわからないなんて思いで産むことを選択するのは私のメンタルヘルスが崩壊するのに等しいと思うのです。

最後は経済的な部分。アメリカで子育てをする、私もジャンも共働きであれば、ベビーシッターなども必要になりそこにもお金がかかる。安全な環境、安心できる学校や教育などを提供したいと思えばそこにもお金がかかり、私はさらに日本の文化も知って欲しいとか思うので、日本に行かせるお金もかかる、、、とにかくお金が物を結局は言う(特にアメリカでは)ので、私とジャンが思う理想の状況なんて、きっと全然届かないなぁ、と現実とのギャップを感じるのです。

これは30代の女性の多くが聞かれる質問や会話でしょう。

こんな具合で、私も37歳くらいで、もうほぼ自分の気持ちは固まり、私の中で「子供は欲しい気持ちもあるけれどどう考えても遂行する気持ちになれない」というのが真実の本音です。
ただ、これはジャンと私の話し合いの結果で、ジャンの家族にはこれは全く通じないんですね!!笑
彼の家族の女性たちは見事に全員専業主婦で子育てに集中している(今は成人になっても今度は孫ができるので、そこでまた子育てが始まるのです。)ため、それはもう当たり前の習わしというか、代々の慣習なのです。

なので、この2020年から現在に至るまで、あらゆる家族行事に行ってはこの同じ話題がBroken Machine(壊れた機械)のように何回も何回も何回も、、、、毎月毎年、まぁ、もう50回は軽く言われているでしょう。
「アスキ、子供はどうするの?」、「今何歳?え、38歳?もう始めないとね、、、」、「あなた達の子供が早く見たいわぁ〜!」なんていう会話に最初は「今は考えられないですかね」とのらりくらり交わしていた頃から「ジャンは欲しくないと言っているので、ジャンに聞いてください」と言ってみたりしていました。

今年の3月に仕事を辞めた際には、ジャンのママは「待ってました!今がチャンス!」とまた子供の話をされたので、ジャンのママと叔父さん叔母さん夫婦には前述した私たちが思う経済的な理由や未来への考えも含めて、とても真剣に気持ちを伝えました。
その時は「そうだよね、、、今は本当に昔よりはるかにお金がかかる」とおじさんは納得してくれましたが、お義母さんは「私が手伝うから」と言って引き下がりません。ついに私も「お義母さん、前回の孫のお世話は15年ほど前だけど、今もし私が仕事があるので3−4日この子を面倒見てください、て言ったら絶対に後悔しますよ、今の言葉!」と言いました。お義母さんはカボソイ声で「そんなこと、、、ない、わよ、、、大丈夫よ、、、」と自信なく答えていました。

STOP Baby talk !!

そんな中、4月に日本に一時帰国して5月に帰ってきて、2週間くらいして、ジャンのママが「アスキの子供が出来たら可愛いわね、ってお隣さんが言っていたわよ〜」と言葉がきます。この時は「今度は〇〇さんかよ、次は誰が出てくるんだよ。もういい加減にしてくれよ〜」と思いながらも日本から持ち帰った幸福&昂揚感で、気分も良かったため、ハイハイ、って感じで流して終わりました。
そして、また2週間くらいすると今度は叔母さんが我が家に来てお義母さんと話していて、そこに私が出くわすと、「アスキ、今ね、叔母さんがアスキの孫がもし娘だったら可愛いわよね〜!!て話してたのよ」と言われました。

そこで私は机をバーっっンと叩き「NO MORE BABY TALK !!!!(もう赤ちゃんの話は無し!!)」とだけ言って部屋を去りました。
その時は叫ぶというより、もう怒りがワナワナと震え、そして理解されないことへの悲しさでベッドルームでガン泣きしたのです。
ジャンが帰ってきたので、思わずジャンに「もう我慢の限界です。あなたの家族グループチャットにアスキに子供はいつか?孫が見たいと言ってきた人とはアスキは2度と話さないし、会いません、と伝えてください。ジョークじゃないです、私本気ですから!!あなたもそれが困ると思うなら、あなたから話してください、あなたの家族でしょ!!!」と鬼の形相で言う私。ジャンも何事かと思いきや、この件に関しては私が困り果てているのも知っているので、「わかったよ」と言い、お義母さんに話しに行ってくれました。

しばらくして部屋に戻ってきて、話したよ、とジャンが伝えにきてくれました。「悪気はないんだよ」と言うジャンに「悪気はないのはわかっているの、でもだから困っているのもわかってくれる?45歳とかになったらやっと諦めるわけ??良かれと思っているんだろうけど、これはAbuse( 暴力)とハラスメントと一緒です。My Body, My choiceでしょ?お義母さんのコントロールできる話じゃないの」と言うと、ジャンは「よく分かるよ、アスキの気持ち。でもなんでじゃあそんなに泣くの?アスキの気持ちが固まっているのなら、泣くのも、悲しむ必要もないでしょ?」と言われました。
私は「あのね、アンタは男だからわからないと思うけど、女性=子供を産むって言うコンセプトはずーっと深く根付いているわけ。だから私だって、女性で産まないって選択をしていいのか??って悩む日があるんだよ。女性で産みたい人だって山ほどいる中、産まないって言うのは罪悪感も感じるんだよ!しかもあなたの家族みたいに産むのが当たり前、って思っている家族に嫁に入って、こんなに産むのを切望されている中で産まないって言えば、あなたの家族もがっかりして嫁としてNot good enough(足りない)て言われているように感じるんだよ!!それくらい罪悪感を植え付けられる。男のアンタにはわかんないだろうさ!!!!!」とジャンに叫ぶ私。笑

この言葉は咄嗟に出た言葉だったけれど、本当にそう思う38歳のリアルな感情だったでしょう。
ジャンもこう言われたら言い返す言葉もないし、自分の家族と私に挟まれて辛いけれど、でもこれは「私とジャンで決めた家族構成」なので、家族に突き付けるしかないのもわかっています。

私は血が繋がってる家族だけが家族ではない、と思っています。

ちょうど絶妙なタイミングで母から電話もあり、全くこの話をするつもりはなかったのに「孫が見たい、孫は可愛いはずって言われても子供は産みたくないんだヨ〜!!!!みんなが理解してくれないっっ!2024年なのに戦後みたいなプレッシャー感じる!」と5歳児のように電話越しで泣きじゃくる私を母と終いには父も入り、慰められたのです。
それから先は私とジャンのママは何事もないように同じ屋根の下で暮らしていますが、この一件で、結婚と義家族との関係というのは距離が近いと、難しいと感じました。
ジャンにも義家族とうまく付き合って欲しいなら、物理的に会う回数を減らしたり、一緒に同居するのも限界です、と伝えました。
ジャンにとってはこの家族の距離感は当たり前ですが、私にとっては4年間のチャレンジの賜物(それがどんなに温かく迎えられて、嫁姑の葛藤がないにしても)です。ジャンも幸い、私のことを理解してくれているのでそれは本当にありがたいな、と思っていますが、私を育てた親とは違うのでこの感覚と価値観の違いは、「ジャンを愛している」だけでは埋まりきらない項目の一つです。日本人同士の結婚でも大変なことは山ほどあると思いますが、国際結婚の場合、こういう価値観や文化の違いを埋めることは至難の業で、あらゆるシチュエーションでこの違いを目の当たりにする、この作業の連続なのです。

今日は私は「産まない選択をした女性」として書いていますが、お父さん、お母さんとして子育てをしている皆さんは私には到底真似できない、Unconditional Love (無償の愛), Hope(希望), Couragement( 勇気)を持っていると思います。そういう皆さんが育てた子供たちが、将来の希望となり世の中を変えていく存在になるのだ、と私は信じています。
私とジャンは血の繋がった子供は作りませんが、世の中に貢献していく上での「子供のような存在、家族のような存在」になる若者や人はいるので、そうやって「自分たちなりの家族」を作り、そして与えられた自由と時間を使って、目一杯人生をチャレンジして謳歌しようと思っています!!
そして、何気なく「子供は作らないの??予定は?」なんて聞いてしまう人がこれを読んでいたら、私のように「産まない」という答えでも「産みたい」という答えでも、そこには様々な感情や状況が入り組んでいるので、相手の答えを聞いたらそれ以上深掘りしたり、自分の意見を押し付けるのはやめて欲しいな、と思います。It's not your body(あなたの体ではない)のですから

ではまた!
Hasta Pronto!



マイアミにいて、アーティストとしての夢の実現のために日々精進しているので、応援したいな、と思う方、是非応援お願いします~! 皆さんのサポート無駄にしないよう頑張ります!