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分かっていることを始点にする

文學界2024年2月号で『読むためのトゥルーイズム』の第1回を読んだ。

トゥルーイズムは「自明の理」という意味で使われている。要するに「当たり前」を指している。

本を読むことに関してよく受ける相談に「難しくて分からなかった」「どうしたら難しい本を読めますか?」があるそうだ。私もこんな疑問を思っていた時期があるが、「時間をかけて地道に進んでいくしかない」ということに落ち着いた。

これに対しての解決方法に「まず自分が出来ていることは何か?」を知ることから始める必要があると書かれている。そして、出来るようになるとは、出来ることから出来ないことへの架け橋である、と。

これを読んで以前読んだ『知っているつもり』を思い出した。

この本は「知っているつもり」を解消する方法について書かれている。

具体的には「断片的に知っている知識を書き出してそれを説明する言葉や繋がりのある言葉は何か?」と考えていくことです。

例えば、「徳川家康」からスタートすれば、「江戸時代の人」「江戸幕府初代将軍」「関ヶ原の戦い」などと繋がります。じゃあ、「他の江戸時代の人は?」「江戸幕府の他の将軍は?」「関ヶ原の戦いは徳川家康と誰が戦った?」と次々に疑問が湧いてきます。これを答えていき、答えられなくなった所が自分が知っていることです。

このように知識を他の知識と結びつけて体系化させることで知ったつもりを減らしていくことができると書いてあった気がします。

この連載でも言っていることは同じなのではないかと。

「難しくて分からなかったのはどこからなのか?」「事前にどんなことを知ってその本を読んだのか?」

自分が分かっている所からスタートして分からない所を埋めていく。そう感じました。

また、「出来る」ためには

・出来てしまっていること
・出来てよいはずなのにやっていないこと
・出来なければいけないこと

P201

の3ステップがある、と書かれています。

最初の2つは自分の中の棚卸しで、分かっていることを書きながら、「あれ?こことここが繋がるな」と内省するステップです。最後のステップは自分が分かりたいことと現状を埋めるために必要なことを把握する段階です。

私も本を読んでいて途中で「よく分かんない~」と投げ出すことがあったので、章などある程度まとまった所で「どんなことが書かれていたか?」を理解しながら読み進めていくことが大切だなと改めて実感しました。

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