担当編集・安斎真奈実の証言 【小説】どの顔もあの女#35
高梨さんの担当編集をしていました。3作目以降の小説ですね。ご存知の通り、高梨さんは処女作のときから、性愛をモチーフにした作品を書いていました。1作目と2作目を読んで「この人はもっと書けるのでは」と感じていました。
性愛について抱えたマグマのようなものがあるのに、なぜか出し切らずに溜め込んでいるように思えて。表現しきれていないなあ、とも。それは果たして、素材が足りていないからなのか、自分の経験をもとにして私小説的になってしまうのが嫌なのか、理由はわからなかったので、打ち合わ