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煉獄さんの視線の先と生きるということ(鬼滅映画2回目観ました)

『鬼滅の刃 無限列車編』2回目を観てきました。
また気づいたところを書きます。※ネタバレあり

2回目でしたがめちゃくちゃ堪能しました。音楽も曲ごとに感じながら観ることができました。3回目は音楽に注目して観に行きたいです。

今回は2回目だからか、セリフがより響いてきました。一番最初お墓のシーンでお館様が「人は何度も立ち上がり戦う」というセリフがありましたが、後半の煉獄さんや炭治郎たちを想起させられて深く心に響きました。
ラストもさ〜お館様ENDじゃん〜もう…なんか存在が大きくて…受け止めてくれる感じがもう器のでかさよ…

さて、表題の件、煉獄さんの視線の先について。登場からしばらくは、炭治郎のセリフ通り煉獄さんはどこを見ているのかわからない。つまり視線が合わない。
でも段々と、煉獄さんが眠りから覚めたあたりから、煉獄さんと目が合ってくる。そして猗窩座とのバトルではもう煉獄さんがどこを見ているかわからないということはない。
煉獄さんは登場からずっと、左向きで描かれている。スクリーンに映し出されるのは正面や左を向く横顔が多い。列車は左に向かって走っていく。
漫画が右から左へ時が進むように、右は過去、左は未来を表している。左向きの横顔は、先を見据える者の顔だ。

煉獄さんはずっと前だけを見ている


はじめから前を見据える煉獄さんを追いかけ、途中からやっと彼が向いている方向がわかってくる。
猗窩座との戦いでも、煉獄さんは常に前を向き、まっすぐに戦っていく。
もちろん描かれる方向は左向きだ。
でもたった一度だけ煉獄さんが右向きで描かれる瞬間がある。
猗窩座に腹を貫かれる場面だ。
このときだけは、煉獄さんの右向きの横顔が映し出され、猗窩座が左向きで描かれる。この瞬間、立場が逆転し、決定的に勝負が決したことを知る。
右は過去の方向だ。そしてそのまま、煉獄さんは幼い頃の母の記憶を思い出す。

なぜ己が強く生まれたか。強く生まれたものの使命とはなにか。
それは、弱い者を助けるため。

母の言葉を思い出し、己の使命を全うするため、次の瞬間、煉獄さんは最後の力を振り絞り、猗窩座に反撃をしかけてゆく。
そして、もう今後、煉獄さんが右向きで描かれることはない。
彼は常に前だけを見て、使命を全うするため、母に恥じないようその生涯をかけて乗客と炭治郎、禰豆子、伊之助、善逸を守る。
煉獄さんの強さと生き様が顔を向く方向によっても演出されてものすごい印象を与えている。
前を向いて先へ進め
煉獄さんが見せてくれた生き様。
本当にかっこよくてすごい映画だった。

また、今回改めて心に響いたのは伊之助の言葉。
「どんなにつらくても生きていくしかないんだよ!!!」
これは煉獄さんが亡くなり、泣く炭治郎に叫ぶセリフだ。
同じことを、炭治郎もTVシリーズ(7話)で言っている。

「失っても失っても生きていくしかないんです。
どんなに打ちのめされようと」


幸せな夢の中で、まだ生きている家族に呼び止められたとき、炭治郎は
決して振り返らない。ここにいたいと願うけれど、一度も振り向かず前へ進む。
その一歩一歩が、重い足取りが言葉以上に忘れられず、彼の姿から目が離せない。

この無情でどうしようもない世界の真実をこの作品は突きつけてくる。

その中でどこまでも優しく、他人のために戦う炭治郎に否応なく救われる。


炭治郎の優しさに触れたとき、本当に心が暖かくなる。
彼の優しさに救われ、同時に我が身を振り返る。
この映画を見たら、もう見る前の自分には戻れない。
自分は前を向いて進んでいるだろうか。利己的にならず他人の役に少しでもたてているのだろうか。

観るたびに背筋を正される。
この先もきっと何度も観たくなる。
『鬼滅の刃 無限列車編』すごい映画でした。
また行きます〜

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