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オススメ映画を紹介するよ! 北陸ロケ作品に祈りを込めて編

映画を見る楽しみの一つに、行ったことがない場所の空気を体感できる、と言うのがありますよね。美しいロケ地を見ると、「行ってみたいなあ」と思うし、見覚えがある景色が出てくると、「あ、行ったことある!」とちょっと嬉しくなります。

2024年の元日の能登半島地震は、能登半島を中心とした北陸地方に大きな被害をもたらし、正月ボケしていた私たちも大きなショックを受けました。被災地の復興にはまだ遠く、北陸の人々に平穏な日が来ることを強く願って止みません。

映画の中にも、震災前の能登半島や北陸の美しい風景、そこに住む人々の思いを閉じ込めた作品が多々あります。今回はそんな映画を紹介します。いつの日か落ち着いたロケ地を聖地巡礼したくなる作品たちです。

君は放課後インソムニア

石川県七尾市。不眠症に悩む高校1年生の中見丸太(なかみ・がんた)は、校内の使用されていない天文台でクラスメイトの曲伊咲(まがり・いさき)と遭遇し、彼女も自分と同じ悩みを抱えていることを知る。これまでほとんど話したことのない2人だったが、不眠症という秘密を共有することで絆が芽生えはじめる。そんなある日、2人が仮眠場所として天文台を勝手に使っていたことがバレてしまい、天文台は立ち入り禁止になってしまう。伊咲の寂しそうな表情を見た丸太は、休部となっていた天文部を復活させることを決意する。

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舞台は石川県七尾市。今回紹介する映画の中では、最も震源に近いロケ地になります。アニメも実写もほとんど同じロケーションなので、ネット上には様々な聖地巡礼のためのサイトを発見することができます。最後に伊咲と丸太が訪れる真脇遺跡は、珠洲市までほんの少しのところ。ロケ地ののお店なども被害を受けたところが多いらしく、解体されたところもあるようです。

今回の地震を受けて、アニメと実写映画公式から特別映像が公開されました。震災前の七尾周辺の美しく安らぐ風景がまとめられています。

映画に関しては、森七菜の良さが最大限に出された作品です。個人的に他の映画ではピンと来なかったのですが、ここでは伊咲を自然体の女の子として見事に演じ切っていました。天文部顧問の桜井ユキ、先輩の萩原みのり等映画ファンには納得の配役。誰もが奥脇遺跡で星空を眺めたくなる作品でした。

僕の町はお風呂が熱くて埋蔵金が出てラーメンが美味い。

射水市に暮らすトオル、アゲル、ヨシキの3人の高校生は、家族や進路などそれぞれ悩みを抱えながらも、同級生の女子・花凛と会話を弾ませたり、大好きなラーメンを食べたり、熱いお風呂に浸かったりと充実した毎日を過ごしていた。彼らは久々に開催される放生津曳山祭を楽しみにしていたが、開催前日、祭の会長を務めるトオルの祖父・松蔵が急死してしまう。葬儀の日、トオルは家に借金があることを知る。さらに町のあちこちでリゾート開発会社への借金の話が聞こえ、町は不穏な空気に包まれる。そんな中、トオルたちは蔵で発見した「射水の埋蔵金」という巻物をもとに、埋蔵金を探しはじめるが……。

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タイトル長っ! そしてその通りの映画でした。いかにも地域振興のためのストーリーで、男子高校生役の役者さんもどことなく素人っぽく。主人公の祖父(泉谷しげる)が亡くなり、立川志の輔(富山県出身!)演じる医者が死亡宣告するも、祭を開催するためにまさかの「死んでないことにする」というトンデモ展開。志の輔師匠が出たからではないですが、コレって落語の「らくだ」だよなあって見てました。あの暑さじゃドライアイス仕込んでも腐っちゃいますね。まあその辺はファンタジー。その後も埋蔵金発掘などリアリティには欠けた展開ですが、ザ・町おこし映画としてはいいのかも知れません。最後、登場人物のひとりが「守るだけではなく、良いところを発掘し、変えていかなければならない」的な発言をするのですが、地方都市が抱えている閉塞感をズバリ言い当てているような気がしました。

富山県射水市は、「日本のベニス」とも言われて美しい河岸の街並みが名所にもなっています。覚えあるなあ、と見ていましたが、鶴瓶師匠の「家族に乾杯」や出川さんの「充電旅」でも訪問されていましたね。今回の震災では、津波や液状化で大きな被害を受けました。映画にも登場した屋形船が浸水したり、一時営業できなかった店舗もあったようです。現在は観光もできそうですし、曳山祭りも無事開催されるようです。何故推されているかは謎ですが、ラーメン食べに行ってみてください。

レディ加賀

加賀温泉にある老舗旅館「ひぐち」の一人娘・樋口由香。小学校の時に見たタップダンスに魅了された由香は、タップダンサーを目指して上京したものの夢破れ、実家に戻って女将修行をスタートさせる。その不器用さから、由香の女将修行は苦戦するものの、持ち前の明るさとガッツで奮闘する毎日を送っていた。そんな中、加賀温泉を盛り上げるためのプロジェクトが発足する。由香は新米女将たちを集め、大好きなタップダンスのイベントを開催することになるのだが……。

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眉村ちあきさんが主題歌を担当したこの映画、別記事でも紹介しています。

映画自体は忖度なしで言ってしまえば、可もなく不可もなくというところ。ご当地映画でありながら、魅力を出しきれたかというと不足があるし、主人公の成長ストーリーとしても「感動」とは言いづらいです。主役の小芝風花の可愛さとラストのタップダンスは圧巻ですが、もう少しなんとかならなかったのかなあという気もします。笑いどころも昭和っぽい。それでも、震災直後の2月から石川県で先行公開された、ということに意義があるように思います。明るい話題が少なかった時に、一時でもこの映画で楽しい時間を過ごしてくれた人がいたなら、スタッフ、キャストも嬉しかったのではないでしょうか。因みに配給収入の5%が石川県に寄付もされました。

主なロケ地となったのは加賀温泉郷。能登半島からは離れているとは言え、撮影に使われた宿では露天風呂が使えなくなったりの被害が出たそうです。美しい木造建築が目に映える総湯では、被災者のために無料入浴を行なったり、広い範囲で地震の影響があったことは確かなようです。

終わりに

北陸地方は、和倉温泉と金沢しか行ったことありません。和倉温泉の被害はかなりのようで、まだ営業再開できていないところが多いですよね。金沢市内はほとんど通常どおりでしょうか? 新幹線もできて便利になった北陸地方。行けるところには是非足を伸ばして、観光で復興支援したいものです。(懐に余裕ができたら行きます!)

※被害情報等は個人的に調べたものです。実際と差異がある場合がありますのでご容赦ください。

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