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オススメ映画を紹介するよ! 最近見たインディーっぽい邦画編

「インディーっぽい」というサブタイトルにしましたが、メジャーな作品と「インディー(ズ)映画」の区別は正確にはわかりません。あくまで個人的な感覚として最近見たもののなかからセレクトしました。嫌いじゃありません。

シュシュシュの娘

ある地方都市のはずれで暮らす25歳の鴉丸未宇は、毎朝のダンスを日課に、祖父の吾郎の介護をしている。市役所に勤める未宇は、普段からまったく目立たない存在で職場でも孤立しており、そんな彼女に寄り添ってくれるのは、同じ役所に務める先輩の間野幸次だけだった。そんな間野が、理不尽な文書改ざんを命じられた末に、市役所の屋上から身を投げて自殺した。吾郎から「仇をとるため、改ざん指示のデータを奪え」と告げられた未宇は、愛する間野の仇を取り、市政に一矢報いるため、ひそかに立ち上がることを決意する。

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「シュシュシュ」とは忍者のこと。主演の福田沙紀が、昼間は地味な市役所職員、夜は忍者コスで活躍(?)します。謎のダンスや裁縫料理シーンなど、魅力的ではあります。おそらく深谷市あたりが舞台で、埼玉の地方都市の風情が寒々と映し出されています。公文書偽造とか、ヘイトとか、社会的な話題も取り上げられているものの、尺の関係か掘り下げは緩いです。最終盤の勧善懲悪時代劇シーンは良きです。井浦新が出演時間は短時間ながら、重要な役で出演しているのはちょっと驚きました。

夜を越える旅

漫画家を目指す春利は大学卒業後も夢を諦めることができず、恋人のヒモ同然の暮らしを送っていた。後ろめたさから逃げ出すかのように学生時代の仲間たちと1泊2日の小旅行へ出かけた彼は、応募していた漫画賞に落選したことを旅先で知り、自暴自棄に陥ってしまう。そこへ、かつて春利が想いを寄せていた小夜が遅れて合流。かすかな高揚感と淡い下心を抱く春利だったが、事態は思わぬ方向へと転がっていく。

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主役の春利は結構ダメなやつで、あまり感情移入できません。旅行に行くメンバーも楽しくなさそうで、本当に仲が良いのか疑わしいし。それでも前半は、リアルな世界で旅が続くのですが、中盤からホラー・ファンタジー系に大きく舵を切ります。あちらの世界に引き込まれる場面はドキッとしました。ラストまで危うい境界線上で話が続く感じ。霊能力者の祈祷場面は韓国ホラーを思わせるものの、笑うべきだったのかもしれません。これも尺は短く、背景やはっきりした謎の解明もされないまま終わります。投げっぱなしを受容できる方は是非。

ほとぼりメルトサウンズ

コトはかつて祖母が住んでいた空き家を訪れるが、庭には見覚えのないダンボールハウスが勝手に建てられていた。そこに住み着いていた妙な老人・タケは、街の音を録音し、土に埋めて、「音の墓」を作っているという。老人の行動に興味を持ったコトは、音の墓作りの手伝いをはじめる。そんな2人のもとへ、家の立ち退きを要請する訪問者がやってくる。

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「MOOSIC LAB」関連作品だったんですね。主演のxiangyu、全然知らなかったんですが、この間NaNoMoRaLを見に行った吉祥寺のイベントに出ていました。意外にすれ違っています。物語はゆるっとしていて、コトの家の庭に勝手に住んでいたタケとの出会いから、不動産業者(?)の2人を巻き込んでの共同生活と、これもかなり緩く進みます。最近映画やドラマをみていて、登場人物が何かを食べるシーンって、人間が主役な以上大事だなって思っています。この映画でも料理して美味しそうに食べるシーンが頻出するのが良かったです。タケ役は鈴木慶一。「ちひろさん」でも同じような人物像で登場しました。似合ってますね。

散歩時間 その日を待ちながら

しし座流星群がピークを迎えた2020年11月17日。新型コロナの影響で結婚式を挙げることができなかった亮介とゆかりは、都会から離れた友人の家でお祝いパーティを開いてもらうことに。日頃から本音を話そうとしない亮介に不安を抱えていたゆかりは、彼の隠し事を知ってしまい、祝いの席に不穏な空気が流れる。一方、出演舞台の中止が続く若手俳優・片岡、帰省できず里帰り出産の我が子を抱くこともできないタクシー運転手・淡路、学校イベントのほとんどが中止になり恋心を伝えられずにいる中学3年生の光輝と鈴らが、やり切れない想いを抱え葛藤しながらも、いつか訪れる明るい未来へ向けて、それぞれの一歩を踏み出そうとしていた。

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コロナ禍を背景とした群像劇。コチラは埼玉県飯能市あたりが舞台かな。結婚お祝いパーティーが開かれる一軒家、幼馴染の男女中学生を、Uber Eatsで働く若手俳優や、タクシードライバーが繋いでいく構成。それぞれコロナで結婚式ができなかったり、修学旅行行けなかったり、舞台が中止になったり、帰省できず我が子に会えなかったり。もう忘れた気になっているけど、コロナ禍ってそんな閉塞感に溢れた時代でしたよね。登場人物も何かしら不安や不満を抱えながら頑張っていて、流星群という小さな喜びでなんとか救われて前を向く、みたいな。この時代ならではの作品でした。

ところで戸田彬弘監督、この作品の次が「市子」ってビックリ。

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