オススメ映画を紹介するよ! お馬鹿ホラーの系譜編
はじめに 〜お馬鹿ホラーとは何ぞ〜
本来怖さを追求するホラー映画に、笑ってしまう場面なんて相容れないはずですよね。ところが、笑えるどころか「お馬鹿!」としか言えないホラー映画がたくさんあるんですよね。
調べてみると、この手の映画は昔からあったようですが、ジャンルとして確立するきっかけとなったのは、「スクリーム」ではないでしょうか。
「スクリーム」そのものは真面目に作られたホラーです。ところが登場人物がホラー映画のあるあるを喋ったりキャラクターによる死ぬ順番を語ったり、ホラー映画をネタとして言及します。
作り手がホラーを熟知し、その上で遊べるだけ遊んでみようと考え始めたことで、ホラーというジャンルが広がったような気がします。
「スクリーム」のフォロワーとしては、当時の若手スター候補が軒並み出演している「パラサイト」(韓国映画ではありません)があります。
「チャッキー」シリーズなど独自の進化を遂げたものもありますし、「キャビン」のように、ホラーはホラーとして突っ走りながら見る人によっては笑えるものもあります。「ショーン・オブ・ザ・デッド」はゾンビコメディホラーです。日本映画で言ったら「黄龍の村」なんて変化球もありましたね。
特にもうリアリティとかは突き抜けて、面白ければ良い、という方向に振り切って行ったものを仮にお馬鹿ホラーと呼ぶとすれば、最近見たものの中では「ザ・スイッチ」とか、「ハッピー・デス・デイ」なんかはその系譜に当てはまるのではないでしょうか。
今回は、結構楽しく見られたお馬鹿ホラーの正当な継承者を紹介します。【完全ネタバレ】なのでご容赦ください。
ザ・ベビーシッター
あらすじでネタバレしています。タイトルが「ザ・ベビーシッター」ですから、どう考えても優しいビーが豹変するんだろうと予測はつきますが、まさかの「悪魔崇拝のカルト宗教」。人を殺すことに全く躊躇せず、殺しっぷりも半端ありません。今までどうやって普通の人の仮面をかぶっていたのか。コールにとっては孤立無縁のまま殺人鬼たちと戦わなければならないという絶体絶命。ここから家にある様々なアイテムを使って反撃するのですが、他サイトでも言及されているように、そのファイトスタイルはまさにホラー版「ホーム・アローン」。終盤近所の女の子との可愛いロマンスもあったりします。コミック調フォントでキャプション入れてきたり、おふざけ具合も確信犯。ビーの造形もまさにアメリカンホラーといった感じです。頭空っぽで楽しめる作品でした。
ザ・ベビーシッター キラークイーン
前回の終わり方から絶対続編狙っているよねって思ってたら、案の定の第2弾。ところが序盤はベビーシッターであるビーは登場しません。どうなるのコレ?と思っていたら、前回同様突然凶行に及んだのは前回主人公と淡いロマンスを育んだメラニー。2人ともキャストもそのままで、いい感じの関係だっただけに、見守っていたファン(いるのか?)にとってはショックな展開です。悪魔崇拝カルト集団の若者たちは、どうやったのか前回死んだ人物を蘇らせ、大人数でコールを襲います。「ホーム・アローン」的な反撃の仕方が面白かった前作とは違い、今作は野外での戦いとなるので殺し方も結構大雑把。どんどん人が減っていきます。二番煎じ的なストーリーを引き締めてくれるのは、フィービー役のジェナ・オルテガakaウェンズデー。ブレイク前はホラー映画たくさん出てたんですよね(「スクリーム」リブート版、「X」など)。その存在感は一味違いました。ビーはどうなったかというと、最終盤に登場します。ここは敢えてネタバレ回避で。
証拠を隠滅していたとは言え、流石に前回の騒動をコールの妄想と言うには無理があったり(メラニーも見てたし、警察官も死んでるし)しますが、そのあたりはこだわらないのがお馬鹿ホラーの醍醐味かも。一作目より真面目度が激減したのを受容できる方にはオススメです!
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