オススメ映画を紹介するよ! 広瀬すずの使い方編
広瀬すず(敬称略)は可愛いだけでなく、役者として素晴らしいなあとはいつも思っています。「ちはやふる」は広瀬すずの目ヂカラに屈服したし、「怒り」では陰陽両面を見せるその演技力に震えました。ところが最近見た2作品では、広瀬すずを使う側の意識によって、こんなにも違っちゃうんだなあと感じました。どうしても片方はディスることになってしまいますがお許しください。
海街diary
是枝監督、綾瀬はるか、長澤まさみ、夏帆、広瀬すず、鎌倉、湘南という組み合わせはもう外しようがないし、その期待に十二分にこたえている映画です。広瀬すずの演技は台本を渡さないという是枝監督の演出方法をしっかりと受け止め、本当にナチュラルです。今まで交流のなかった年上の姉たちと、新たな家族関係を作っていくという、中学生には困難なシチュエーションに飛び込んでいく心の揺れやナイーブな心情を、見事に演じ切っています。
しかし実は最も驚いたのが、広瀬すずのサッカーシーンです。動画あるので、冒頭部分ちょっと見てください。
どうですか? めちゃくちゃ上手くないですか? 重心移動してフェイントで相手を抜いていく姿。メッシが見えました。ネット上でも話題になっていたようです。ご存知の方が多いかもしれませんが、広瀬すずはバスケ少女。サッカーはほとんど経験なかったそうです。是枝監督は広瀬すずにコーチをつけて練習させたとのこと。サッカー経験者という役柄を疑わせない見事なプレイシーンとなりました。真摯に役に取り組む広瀬すずの真骨頂です。
広瀬すず以外も当然のように素敵な演技を見せてくれます。優しい気持ちになれる映画ですので是非ご覧ください。
一度死んでみた
監督が「au三太郎シリーズ」のディレクターだったり、脚本が「白戸家」のCMプランナーだったり、CM界の俊英による作品とも言える「一度死んでみた」。そもそも「au三太郎シリーズ」も「白戸家」もスタート時点は「お!?」ってなったものの、ずっと続いているともういい加減にしませんか?と言いたくなっている今日この頃です。みなさんはどうですか?
15秒30秒勝負のCMと、長時間の映画では作りが違う訳で、短時間に多くの要素を詰め込み印象付けるCMの映像を映画に応用したらとっ散らかるのは必然な訳で。冒頭5分程を見るだけでも、滑るギャグやインサートされる映像や音響が気に障るし、デスメタルバンドの曲を聴くファンは典型的なアイドルオタクだし。その後の展開もご都合主義かつ荒唐無稽。コメディとして面白がるより先に冷や汗が出る感じ。堤真一が下唇を強調した死に顔を見せたり、声を届かせられない幽霊がジェスチャーゲームをしたりするのは面白いのか?
そしてどうでもいいのが有名人の顔出し出演。カメオ出演というほど隠れていなくて結構目立っています。昔「踊る大捜査線」に岡村隆史が登場した時、「そういうのいらないから!」って思って以来、顔出し興業的な出方は誰が喜ぶのかなあって思います。そのあたりの感覚が古臭いんだよね。
で、広瀬すずはとりあえず「デスですデスです」言いながら、それでも相変わらず可愛くは撮れています。しかし広瀬すずの魅力って可愛さだけじゃないと思うのです。繊細さやナチュラルな演技、目力の強さ、確かな表現力。デビュー直後の「海街diary」で最大限出されていたこれらの要素が、全く出されていないと思いました。ならば、広瀬すずである必要はないんじゃないのか。大変失礼な話ですが、コメディなら橋本環奈で(以下略)
だいぶ興奮してしまいました。広瀬すずは何も悪くありません。この映画も、頭空っぽにして見るには丁度良い映画だと思います。しかし、広瀬すずの使い方、間違っていませんか?というのが今回の結論デス!
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