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ビリヤニが食べたい、ジェネリックでもいいから。パンガシウス研究編

ビリヤニが食べたい。ジェネリックでもいいから。part2


 これ。
 要はインド亜大陸のスパイス炊き込みご飯である。
 肉を煮込むのに蒸し米で蓋をしたのが起源とも言われており、日本にない概念である。何かと話題になるが、定義が厳密ではない。と、いうよりも古い時代に誕生して、中央アジアから南アジアにかけての広い地域で愛される料理だから、むしろ調理法の一種とみたほうがいいだろう。
 具材とソース、チーズをかけてオーブンで焦がした料理の総称をグラタンと呼ぶように、肉(魚)と米をスパイスで蒸した、あるいは炊いた料理の総称といったほうがいいかもしれない。
 日本ではドライカレーの親戚のように例えられるが、全くの別物である。
背景としている哲学が違うのだ……。……違うの?
……なんか難しいこと書こうとしたけど、賢くないのでここまでにしまーす。

 というわけで、ビリヤニにハマって作ってみるけども、時間はかかるし手間はかかる。材料と工程が多いと気合を入れた日しか作れない。そもそもビリヤニとは祝いの席や宴会で食されるものだから、手間がかかるもの。それを気が向いたら食べたいというのは愚の骨頂である。

 立ち位置的にKFCではなく、クリスマスターキーを毎日食べたいみたいな感覚。
 だが、暴走するビリヤニ熱は止まらないのである。実は近所のインド料理店に行くと食べられるのだが、なんだかんだ高い。毎日外食なんかできるか、こちとら低所得者じゃ! 昼飯は食パンだけだぞ!

 妥協しよう。まるでワシの人生のように。るーるーるー。
 そして、ビリヤニの偽物で我慢しよう。るーるーるー。

 そんなこんなで、ジェネリックビリヤニなるものを考え始めている今日この頃。
 色々考えた結果、ビリヤニの素みたいなものを作っておいて、硬めに炊いたご飯(短粒種)に混ぜ合わせるという手法を考えた。カレー混ぜご飯である。
 当然、もうぱらぱらしないことが半分確定してしまっているので、なんとか水分量を減らして、べちゃっとならない方法を考えなければならないのだが、これがなかなか難しい。具材を加熱する都合上水分が出てしまう。
 更に、ビリヤニを普通に作る以上に肉の加熱が難しいことに気が付く。そもそも長時間煮込んで解れた肉がうまいが、単に火を入れただけの肉はビリヤニっぽさを下げてしまうのだ。

ワシ、業スーゾンビ。意味もなくさまようぞ。

 ワシは定期的に業務スーパーをうろうろする。
 そして、後から「そういやビリヤニ研究していたわ」と思い出す。

 イスラム圏の食材がたまに並んでいるので、大体エスニック料理作るときはここを除いてみるわけだけども、しかし、バスマティライス、チャパティ、パラタ以外はめぼしいものがない。
 以前はクミンのパックとかがあったが、今はミックススパイスだらけだ。一般消費者に媚びている! わけのわからん量の乾燥パセリ1㎏とかなくなって久しい。
 基本的に業務スーパーはカレーのパックを主眼に置いているようだ。最近は中華料理系(現地の醤油とかジャンとか手に入るのすごくない?)が豊富なので、それはうれしいが、ビリヤニは難しいぞ。

 色々探している内に、ひき肉か切り落としを買おうか迷っていたが、ふと冷凍パンガシウスが目に入り、買ってしまった。

 パンガシウスはナマズの仲間。
 よく白身魚フライに使われて(そしてがっかりされて)いるものである。カレイとタラの中間みたいなふかふかした触感で味はさっぱりしている。ムニエルにするとうまい。味に癖がないので、どんな味付けでもあう。大学時代はこれをバター風味マーガリンでニンニク塩煮つけにして食べていた。
潰すとフレーク状になるので、これも面白い性質である。

 前々から目をつけていたが、調べてみるとフィッシュカレーに使っているレシピを発見。よく考えてみれば、大陸国では淡水魚の方がスタンダードである。ドイツでも鯉やウナギを食べるし、アジアではナマズは平均的に食べられる魚種だ。そりゃ魚のカレーもあるわな。

 業務スーパーの冷凍パンガシウスはすでに処理されてフィレの状態になっているので、とんでもなく手軽である。こいつででっけームニエル作って貪り食うと最高であるわけである。ほぼパンガシウストマトソースグラタンとか最高よ。
 火も通りやすいので、これを具に使ってみるのもいいのではないかとおじさんは考えた。塊のまま火を通して、後でほぐせば、米の中にうまく混ざるんではないかと思う。

というわけで実験開始なりよ~。


パンガシウスのせこいビリヤニ(仮)の実験

材料
 パンガシウス(冷凍) 500g
 トマトSサイズ 2個
 玉ねぎSサイズ 2個 
     (玉ねぎはフライドオニオンの方が簡単でいい説)
 カレー粉 大匙2
 ターメリック 小さじ半
 シナモン 3振り(勘)
 チリペパー(一味) 3振り(勘)
 オールスパイス 3振り(勘)
 レモン汁(ライム汁) 適量
 塩
 バター 30g
 油 (炒め用) 大匙4ぐらい?(目分量)

食材たち

 最終的にご飯に絡めるので、水分はできるだけ少なくなるように考えてみる。味の母体はパンガシウスに頼っている。おれはお前のポテンシャルを信じてるぜ!
 水分はご飯に絡むとべちょべちょするので、蒸発分ぐらいでいいのではないか。
 味の部分はパンガシウス君に、香りと米への色付け部分は多めに入れた油とバターに担ってもらうことにする。パンガシウス味のバターカレーである。
 なんてせこい作戦なんだ! ジェネリックというのもはばかられるので、せこいビリヤニと称する。

食材を切ります。

玉ねぎ薄切り
トマトは角切り
でっけえ切り身。好き勝手に切ります。
どうせ崩れるからフライパンに入るならそのままでもいいです。

パンガシウスを漬け込みます。

調味料でまぶすぜ。

 パンガシウスはレモン汁、塩2つまみ、カレー粉をまぶして漬け込んでおきます。写真に撮ってないが、何の効果があるかわからないが、玉ねぎのスライスもちょっと入れちゃう。ほんとに何の効果があるかわからないが。
 ほぼカチカチでしみ込むまでやたら時間がかかったので、あらかじめ解凍しておきなさいよ! 良い子は解凍した後、ペーパーとかで余分な水分を抜いてくれよな!

玉ねぎをテンパリングします。

テンパっています。

 フライパンに油を多めに強いて、玉ねぎを揚げ焼きにしていきます。(おまえ、部屋の中で臭くなるからやらないつったろ!)
 カレー粉にターメリック、シナモン、チリペパーをこの時点でかけて香りも出しちゃう。出来たら取り出しておきます。
 正直フライドオニオン買ったほうが安いし楽だと思う。フライドオニオンを軽く炒るだけだと10分短縮できるね。最近便利さを知ったぞい。

パンガシウスに火を通します。

焼きます。

 パンガシウスをフライパンに並べて、こんがり焼きます。
 パンガシウスは水気が多いので水分がめっちゃ出るという発見。もうびちゃびちゃびーちゃ。……おい、ダメじゃねえか! 汁気抑えるレシピだろ!
 漬け込んだ汁ももったいないので掛けて置くが、ボウルについたスパイスがもったいなくて水で流してかけちゃったので想定以上に水分が! 何やってんだお前!
 これじゃ、ただのカレーじゃねぇか!
 水分を出さなくする工夫が必要だと感じる。
(魚に塩振って、キッチンペーパーで吸わせた方が良かったかしら)

トマト、玉ねぎをそこに入れます。

ここからさっと煮こんでいくぞい

パンガシウスに焦げ目がついたら、トマト、テンパリングした玉ねぎをいれて煮込んでいく。幸いこっちからは水分があまり出なかったので安心。

ある程度煮込まれたら、バターを入れて、ビリヤニの素完成。

バターをボトッとする。

バター30gを根拠もなく、フライパンに投入する。本場ではギィ(ヤギのバター)を使うそうな。
今回は米に油っぽく絡むようにするため。
火が通ったら、余熱で火を通し、粗熱が取れたら完成。
そのまま食ってもよしだが、基本的にご飯に混ぜるものである。

……まあ、これ味が濃いめのフィッシュカレーなんですけどね。

失敗の反省

 何が、ビリヤニだ! 全然べちゃべちゃやないか!(机だーん!)
 写真も撮り忘れる程であった。見た目はまんまカレーを混ぜたご飯って感じであった。ただのフィッシュカレーをご飯に混ぜただけであった。リゾットと混ぜご飯の中間だぞ!

 想定よりもパンガシウスの水分にやられた、というよりもこれコラーゲンだな。意外とコラーゲン質が豊富なのに驚かされた。
 パンガシウスは煮込むと、ぷるぷる度合が高くなるので、一度焼いた方がいいのではないかと思う。レモン汁に付け込むんじゃなくて、ハーブソルトとカレー粉をまぶしておいておくぐらいの方が良かったかもしれない。



 多分、ビリヤニに炊き合わせるのは向かない。塩をしてペーパーで水分をある程度抜いて、スパイスの粉をまぶしてこんがり焼いてからご飯に混ぜればいいのではないだろうかと思う。とにかく高温で火を通した方がいい。

 
 鉄則として、魚はしっかり焼いた後ほぐしてビリヤニの素に投入するというのがいいのではないかと思う。

 ということは

 せこいビリヤニ=「カレーグレイビー」+「肉・魚」+「ライス」

 と、工程別で分けられそうである。別々で調理して後で合流させた方がいいかもしれない。

 つまり、今後ジェネリックビリヤニ、もとい、せこいビリヤニを作るうえで、ご飯の味付け香りづけに使うカレーグレイビーみたいなのを考案したほうがいいのではないかと思う。
 ……それドライカレーの素で良くない? うん。

 あと、パンガシウスじゃなくて、ホッケの方が向いているのではないかと個人的に思った。ある程度身がしっかりしている方が触感に差が出るのではないかと思う。業務スーパーで、パンガシウスの隣にあったし。

 なんにせよ、新しい発見があったので、次の研究に活かせそうである。
(あと、やっぱりビリヤニの味は蒸さなでけへんな)

結局、残りはフライパンでご飯と一緒に炊きましたとさ。本末転倒。
結局、炊いた方がうまいんだよな。

次は業スーホッケ編、もしくはパンガシウス・ベンジェンス編。
それか全然違うことをします。最近は加熱用本まぐろが、割引シールついてるのを見たので、それを買ってみたいとも思っている。

 しかし、パンガシウスのポテンシャルを思い知ったところである。
 加熱すると問答無用でしっとりするし、味はあっさりしているが、味をしっかりつければしっかりうま味を出してくれる。焼いたときの風味は少し嫌な匂いがするので、この匂いをどうするかというところは課題。
 なんというか、魚の匂いにしては強くないし、無臭の食材にしては匂いが強い。焼いて香ばしさが強く出るタイプではないので、ほかで補う必要がある。
 水分の代わりに固形の魚出汁として、パンガシウスを使ってみるということができるのではないかな。なにか、レシピ次第で大化けしそうな食材だが、ポテンシャルを生かせそうにない。
 いっそパテとかにしちゃう? パンに塗るとうまそう。


近況(読まなくてもいいところ)

 こないだ買った「百年の孤独」「赤と白とロイヤルブルー」「貴女。百合アンソロジー」「土に贖う」「ゴシック&ロリータ辞典」他で、積み本が100冊超えちゃったので、読まなきゃならないっすね。
 読書好きだけど、嫌いなんだよな。本を食べたら読んだことになるシステム作ってくれない?

 半分小説用の資料だから、早く読まねば。
 企画ぽしゃったせいで3年もほとんど書いてないんだから。諦めなさいよ。いやまあ、就職失敗×3+鬱×2からのサークル崩壊を経てるので都合十年分の呪いがね。これしか継続してないのよ。体もあんまり動かないしね。

 企画設定を変更して、世界観設定そのままに、バイオロボット競馬レースに変えたんだけども、バイオには詳しいが、ロボット(というよりもロボティクス)と競馬とレースに詳しくないので悪戦苦闘中。操縦は音楽、動力は酒であるが、音楽も酒も詳しくないのでこちらも勉強中。
 勉強すれば理論的なことはわかるけど、重要なのは文化の方。こればっかりは膨大過ぎて調べるとっかかりがない。
 ロボットはコミカルに描写するのでそこまで突き詰めた描写しないと思う。解剖学の教科書は読んだので、もういいかなという感じ。動く実物大ガンダムのおかげでネットで議論が活発になっているので、調べやすい。
 でも、競馬は奥が深すぎて大変だ。
 少し調べればわかるG1レースの勝敗なんて、ほんとに氷山の一角。むしろ水面下の部分に隠れている、日頃の関係者の努力や忍耐、培ってきた歴史、競馬という現象を起こすための巨大な経済、それにかかわってくる人間と馬。小説に重要なのはもっと地道で隠れた部分だから、ここを知りたい。
 幸い、最近ウマ娘が流行っているので、とっかかりがある。
 漫画はマキバオー、ウマ娘シンデレラグレイ、ダービージョッキー、書籍は名馬を読む、公営競技史、競馬の世界史、馬の世界史、を読んで、何となく雰囲気を掴んでいる。あとはファン目線を知りたいけど、こればっかりは地道にユーチューブとか身近な人に聞くしかないんだろうなあ。(身近に競馬好きがいない)

この辺が手ごわいけど、まだ大物が控えているから、気長にやりましょうかね。

あと、メタファーまでなにもゲームを買うまいと思っていたが、ガンダムブレイカー4が来てしまった。ワシ、ゲームのキャラクリ好きだから買いそう。あと、ファッションドリーマーも気になるぞ。キャラクリならなんでも買うぞ。(もうブレンダーとか動かせばいいんじゃないかな)

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