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執筆支援アプリを作っていると思ったら、いつの間にかゲームを作っていた話


「あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!」(以下コピペ略)


おかげさまで、BunChoが微バズしています。

自分が想定していたよりも、かなりゲーム業界の方に反応していただけています。


というわけで、AI TRPGというゲームを世に出してみて思ったことを、つらつらと書いていきます。

先にまとめると、

・AI TRPGはこれ以上ないほどに『ゲーム』だった

ということです。


BunChoを作り出したきっかけ

以前noteにも書いたように、元々BunChoは執筆支援アプリとして作っていました。

作ろうと思ったきっかけは、自分が趣味で小説を書くときに、AIに手伝ってもらいたいという気持ちからです。

自分は、小説のあらすじやネタになりそうなことを考えるのは好きなんですが、本文を書く能力がかなり欠如していました。

なので、そこをAIになんとかしてもらいたいなと思ったのがきっかけです。


しかし、去年取り組み始めた段階では、その作業をAIだけにやらせるのはまだ厳しいなと気が付きました。

そこで、AIと人間が共同作業をすることが重要だと思い至りました。

そうして、執筆支援アプリとして、世に出してみようと思いました。


しかし、上の記事を書いてからしばらくは、かなり認知度が低いままでした。その時点でも、機能としては正直今とあまり変わらなかったにも関わらずです。


そしてAI TRPGになる

そこで、あらすじのテンプレートを用意し、AI TRPGという形を整え、以下の記事を書きました(それまでは対話型執筆という形でした)。

とたん、かなりの方が注目してくださいました。


『ゲーム』とは?

そこで思ったのが、「ゲームってなんだ?」ということです。


一つの仮説としては、「自由度」のバランスと「報酬系」がゲーム性に重要なんじゃないかということです。


人間は、一見、自由度が高い方が良いように思いますが、自由すぎると何をしていいかわからなくなります。

そこで、説明書きやテンプレートを用意するなど、使い方をある程度指し示してゲームという形を整えたことで、ユーザーの認知負荷が減って、遊びやすくなったのだと思います。


また、選択肢を出していることによって、報酬系が刺激されます。

選択肢は確率的に生成されるので、「次に何が出るんだろう?」という予測が行われ、選択肢を読むことで報酬信号が伝わります。

ある意味ガチャと同じ仕組みです。

ですが、ガチャよりは生産性のある行動につながっているところが、AI TRPGの良いところだと思います。


自分は、人間は結局報酬系に支配されていると考えています(報酬系をテーマにした小説には伊藤計劃の「ハーモニー」やイーガンの「しあわせの理由」などがあります)。


また、「受動意識仮説」という仮説があるのですが、これを通して伊藤計劃は

「われわれの意識は、魂は、現実をひとつの物語として記憶するために存在している」

と語っています。


ここで「ゲームってなんだ?」に戻るのですが、ゲームとは

「自分の行動が環境(世界)に影響を与えていると感じる感覚そのもの」

なんじゃないかなと思います。


つまり、人間と環境のインタラクションそのものがゲームだということです。


思えば、小さいころは何をしても楽しかったという記憶はありませんか?

きっと、大人になって新鮮さがなくなってしまうと、行動に喜びを感じづらくなってしまうのだと思います。


逆に言うと、新しい行動をして、予測し、結果が出ることに、人間は本能的に喜びを覚えるんだと思います。


つまり「物語」とは、そういった一連の流れを、人間が理解し、記憶するための仕組みなのだと思います。


AI TRPGでは、物語を紡ぎ出す行いを、AIが生成した選択肢を提示することで自由度と報酬系を調整し、ゲーム性をもたらしています(これはもともとTRPGがいかにゲームとして優れていたかということでもあります)。

これが、AI TRPGはこれ以上ないほどに「ゲーム」になっていると考える理由です。


AI TRPGではそういった、例えばレアリティのような外発的な価値ではない内発的な価値を提供できるんじゃないかと、ゲームの違う未来を見せられたらいいなと思っています。


とまぁ、壮大なことを書いてしまったのですが、今はAIの精度も上げるために頑張っているので、引き続き応援してくださると嬉しいです。


というわけで、みなさん遊んでね〜!


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