髪を青色にしたら自分を大切にできるようになった

自分を大切にしているかどうかは、髪に表れる。きちんとセットしているかどうかではなく、カラーが抜けていないか、白髪が目立っていないか、年相応にツヤがあるかといったところにそれが表れる。

そう気づいたのは、29歳の誕生日を機に初めてブリーチをしたことがきっかけだった。

20代最後の年にしたいことに挑戦しようと思った私は、思い切って髪の色を青く染めてみることにした。というのも、これまではアルバイトや仕事の規則で、そんな派手な髪色を試してみる機会がなかったからだ。

今は育児のために仕事はしていないが、今後社会復帰すればもうそんな髪の色にすることはできないだろう。下手をすれば、おばあさんになって白髪染めをする時までおあずけかもしれない。

自由な身の上を生かして、初めてのことに挑戦してみよう。どうせ20代最後の年なんだから。

夫が子供を見ておくと言ってくれたので、早速私は、出産前までお世話になっていた美容師さんの予約をとった。
カットとブリーチとカラー、施術時間は合わせて三時間。

馴染みの美容師さんと十ヶ月ぶりに再会し、伸ばしっぱなしだった髪をカット、ブリーチ、カラーしてもらう。

ブリーチ後にシャンプーをしてもらい、髪に巻いていたタオルを外した瞬間。
絵の具で塗ったような黄色い髪があらわになった。
鏡に映った自分は別人のように見えた。それだけではない。今まさに自分は別の人間になろうとしているかのような気分だった。

今、店を出て会社員時代の知人とすれ違っても向こうは私とは気づかないだろう。そのことに安堵にも似た嬉しさを感じた。

そう、私はずっと生まれ変わりたかったんだ。

ふとそんなことに気がついた。

別記事でも書いたが、妊娠前に会社を辞めてから現在まで、私はどこにも所属していない「主婦」の自分に自信がもてなくなっていた。

夫と子供以外の人にとっても、価値のある人間でありたい。社会と関わりたい。
そのためにはまず、自分を変えなければいけない。

自分を変えるために、見た目を変えることから始めるなど、浅はかだろうか?
私はそうは思わない。なぜなら、その時の私はとてもワクワクしていたから。

その後、美輪明宏さんのような黄色い髪に、青いカラー剤を塗っていった。再度シャンプーをしてドライヤーをしてもらうと、青い髪をした自分が出来あがった。

自然界には存在しない髪の色をした自分は、まるで頭だけ人形になったみたいで面白かった。
思慮深さなんてなかった大学生の時にも、こんな髪の色にしてみようとは思いもしなかった。
20代最後の年だからこそ、一歩踏み出すことができたのだろう。
私は大満足で美容室を後にした。

ハロウィン向けのウィッグを被ったみたいにファンシーな髪型になった私を見て、家で子供と一緒に留守番していた夫も「韓流アイドルみたい」と喜んでくれた。


ブリーチをした後の髪というのは、ケアが必要だ。
傷みやすいし、放っておくとカラーはすぐに抜けてしまう。

髪を青色にした後の自分は、せっかくきれいにしてもらったのだからこの状態をキープさせようと、ちゃんとドライヤーをするようになった。
髪をもっときれいに見せるために、分け目を変えてみたり、艶出しのヘアオイルを使ってみたり。

鏡に映る自分と向き合う時間が増え、自分を大切にするようになった。
思えばなかなか美容院に行けていなかった頃は、カラーは抜けて生え際の地毛の色が悪目立ちし、髪も伸ばしっぱなしで変な方向にハネていた。

人と会うこともないし、外出自体ほとんどしないから、寝癖があってもそのまんま。

どうしても忙しい時期というのは誰にでもあるし、そんな時は自分に構ってあげられないのも仕方がない。
私も産後すぐ、いや、産後10ヶ月程度はそうだった。

でも、手入れをしなければ髪はどんどん荒れていくし、身だしなみを整えていない自分に対し、自信もなくなっていくものだ。

そんな時に美容室に行って髪型を変えると、顔面そのものが変わる訳ではないのに見た目の印象がガラッと変わる。
そのたびに私は、もう少し自分自身に目を向けようという気持ちになる。

最近よく、自己肯定感という言葉を耳にする。
自己肯定感とは、「ありのままの自分を認めること」という解釈が一般的だが、私は、「自分に自信があり、自分を好きでいること」だと考えている。

自己肯定感に関する書籍なども増えてきているが、私は読んだことがない。
明日から自分を好きになろう! そう思ってなれるものでもないし、
今日から自分を大切にしよう! そう思っても、せいぜい好きなものを買って食べるだけで終わってしまう私だ。

でも、髪を青色に染めただけで、自分に目を向けられるようになったし、これまでより世話を焼いてやるようになった。

これからも、自分に自信がもてなくなった時や、自分に手をかけられていないと感じた時は、美容室に行こうと思う。


今回、20代最後の年にしたいことに挑戦しようと思い、髪を青色に染めてみました。
他にも、20代最後の年に色々なことに挑戦した記録を書いています。
マガジンの記事はどこからでも読めるようになっていますので、もしよければ覗きにきていただけると嬉しいです!

↑20代最後の年にしたいことに挑戦した記録をまとめたマガジン

↑20代最後の年に自分を変えようと思ったきっかけなどを綴っています


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