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GDCの話:GDC StoreとUnityグッズショップ【2010年代のUnityイベントマネージャー回顧録 vol.12】

今回は(全く時期外れですが)GDCの視察に行った時の話を書いて置こうと思います。

GDC(Game Developers Conference)は世界最大のゲーム開発者向けイベントとして知られています。毎年3月にサンフランシスコで開催されているのですが、コロナ禍の一歩手前の2019年3月に、同僚の谷川さんと有給を使って視察しに行きました。

前年のUnite Tokyo 2018があんまりうまくいかなかったので、半年後の9月開催に向けて準備を進めていたUnite Tokyo 2019に取り入れられる要素を吸収したかったのと、漫画パンフ「ゲーム業界にはGDCという世界最大の開発者イベントがあるんですよ、すごいでしょ」という説明をするのに写真を1枚撮りたかったからです。

自分で撮影したUnityブース写真

会社としては本社の方針でGDC出張に行くメンバーの数を抑制していたため、残念ながら出張許可は下りなかったのですが、有給&自腹で行くなら(遊び半分で行っても)いいッスよネ……?ということで行きました(GDCのエキスポパス代はもらえましたw)。

香港航空の格安航空券・香港乗り継ぎサンフランシスコで往復84,600円でした。当時としても安かったなぁw この視察旅行はしかし、とても思い出深いものになりました。

5時間かけて香港へフライトし、翌日の便でさらにフライト12時間、ようやく米国サンフランシスコへ到着しました。

ユニオン・スクエアとサンフランシスコの目抜き通り
4泊する宿泊先ホテル。なかよしなので3名1室です
3名1室で1泊234ドル。当時のレートだと1人1泊9,000円くらい。男子学生寮か
まともなホテルだと1人1泊数万円してしまうし、激安ホテルは治安や環境が不安。ということで元・旅人のワタクシが手頃な(?)お宿をピックアップしました
宿の近く
レンタル自転車が便利で、宿からGDC会場へ行くのにも毎日使ってました
当初は「安いから」という理由でテンダーロイン地区のホテルを候補にして同僚から止められたのですが、サンフランシスコでもっとも治安が悪い危険エリアの1つだそうな
何か不穏な感じが……(レンタル自転車で走りながら撮影)
そんなこんなでGDC会場のMoscone Centerにやってきたのでありました
エントランス
この雰囲気はCEDECやTGSと似てますね
Discordの専用チャンネルがあるみたい

さて、GDC自体はゲーム開発者のための技術カンファレンスイベントで、日本のCEDECのアメリカ&ワールドワイド版、みたいな感じです。クリエイターの方にとっては講演や発表が気になるところでしょうが、イベントマネージャー目線でまず目についたのがこちらです。

GDC Store

なんとGDCにはお土産コーナーがあります。

GDCのロゴの入った多種多様なグッズからゲーム関連の書籍、ポスター、ボードゲームまで、色々な取り扱いがあります。CEDEC、というか日本のBtoB技術イベントでこういうのはほとんどないですよねぇ。TGSはBtoCだし。

Unite Tokyoでは2014年頃からグッズ販売をしていましたが、あくまでおまけコーナーのような位置づけだったので、ちゃんとStoreとしてバラエティ豊かに展開しているのは新鮮でした。

(何年も前の話で恐縮ですが)どんなグッズが販売されているかを写真でご紹介したいと思います。

売り場面積が広い
シャツとパーカー。トルソーを使っているのがイイネ!
うーん、だs……じゃなかったアメリカンなテイスト
フランネルのパジャマパンツ。なぜか下だけ。記念に買って穴が空くまで愛用しました
ニット帽。陳列の仕方がいいですよねぇ
カップ。カラーバリエーション多い。年号入ってるけど売れ残ったらどうするのかなぁ
Tシャツ
クマちゃんも販売。そういえばFalloutでもクマちゃんのオブジェがあったなぁ。米国の文化なのかな?子供へのお土産に買うとか……
マグカップにステッカー
これもステッカーかな?商品バリエーション多すぎる
ケーブル類。ソツのない商品ラインナップ
書籍コーナーではゲーム関連の分厚いファンブックや資料本が。日本でも技術書籍ブースはよくみられますが、こういうのはないですね
海外からの参加者も多いので、身近に本屋がない地域から来てる方に需要があるのかもしれません
これはボードゲームやテーブルゲームだったかな。これを真似てUnite Tokyoでもすごろくやさんを招待したかったんですが断念。翌年コロナ禍がなかったらやっていたかもw
レコード?右の箱はミニフィギュア
ファミコンコントローラ……型の缶入りミンツ!
ポスター。2018だから前年の売れ残りのようです。クオリティ高いですね
うーん楽しすぎる

と、まあこんな感じでStoreだけでも十分に楽しむことができ、また技術カンファレンスでこうしたバラエティ豊かなグッズショップが当たり前のようにオープンしているのは新鮮でした。

さんざん楽しんだ結果、その年のUnite Tokyoのグッズショップはめちゃくちゃ影響を受けました。どうなったのかというと……。

Unite Tokyo 2019でのグッズショップ

店舗設営の経験がある谷川さんがばっちり監修しました。米国やEUの本家Uniteより力が入っていたんじゃないかな
トルソーも使っちゃいました!
パーカー。ひと手間かけてUnityブランド仕様の商品タグをつけました
イーゼルにユニティちゃん
棚はウッディー&アイアンな感じで統一
回遊するレイアウトになっていていい感じ
僕が発案して販売した『Unite行ってきましたサブレ』。参加者が職場の同僚にお土産として買えるものがあるといいなと……(サブレ自体はグランドニッコー東京 台場ホテル謹製の品)
中央にあるのはファイヤーキング風のプラカップ。陳列も工夫しました
レジ前にも陳列。手前にあるのはユニティちゃんのデスクマット
ユニティちゃんの単品ステッカーやピンバッジを配置。アウトドアブランドのショップでこういうのありますよね
ユニティちゃん関連グッズ。棚にグリーンも配置
モバイルバッテリーも人気でした
パーカーやジャケットは原価の関係で結構高かったのですが、ちゃんと売れました。感謝
消化率は結構高かったです。売り切れもちらほら
商品一覧の看板

……という感じでグッズショップは盛況し、出張……じゃなかった視察旅行の成果を出すことができました。

コミュニティの熱量を上げる手法の1つに「上位10%の熱狂的なコアファンの喜ぶことをすれば、残りの90%がついてきてくれる」という考え方があります。このグッズショップは正にファン向けでしたが、イベント全体のお祭り感もあって、さほど愛好家でない方にも好意的に受け止められていたと思います。

Unity Japanでは以前からグッズショップを展開していた流れがあったとはいえ、ミドルウェアやツール等のBtoBであっても、こういう取り組みでファンを増やす手法もありではないでしょうか。

また、GDCでみられたゲーム関連グッズやアートワーク本、ボードゲームの販売など、技術カンファレンスの参加者への訴求力もあると思うので、運営に近い方がいましたらご検討いただけると幸いですw

(記事協力&Unityグッズショップ監修:谷川 敬章)

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