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マネジメントの話

こんにちは。名古屋で伊勢茶カフェの店長をしています、松本壮真です。

今日は『マネジメント』のお話をします。
言葉が無かったので「マネジメント」としましたが、マネジメントっていう程でもないです。『とにかく失敗してもらう』というだけ話です。

ただやはり、ただ失敗してもらうだけでは意味がないので、『とにかくたくさん意味のある失敗をしてもらう』が正確な表現かもしれないです。

なぜ正解を教えないのか

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それはシンプルに、正解が分からないからです。VUCA時代と呼ばれますが、今はもう先行きが分からない時代になっています。

今まではある程度『正解』というものがありました。
とにかく安いコストで大量に作ればよかった時代、品質を良くすればよかった時代、他社にはない機能を付ければよかった時代etc……

でも今は正直、将来の正解がわかりません。
もちろん僕も正解が分からないですし、おそらく著名なマーケターでも分からないというのが正直なところだと思います。

だから、僕は何か正解を教えるという事は放棄しています。
※ただやはり時代が変わっても普遍的な事ってあります。人は大事にした方がいいし、美味しいものを作った方がいいし、得た利益から将来に向けて投資をした方がいいしetc……。そういう普遍的なものは伝えたりしますが、基本的に「こうしなさい」というのはあまり無いです。より良い提案があればそちらに切り替えます。

これからの働き方

AIがどんどん発達してきます(便宜上AIとしてますが、僕たちから仕事を奪うのはAIだけじゃないかもしれないです)。そうした中で、「もう人じゃなくて、AIで良くない?」という仕事は多々あります。

すごく嫌な言い方になるかもしれないですが……
料理を出すだけの料理屋さんは要らなくなるかもしれません。
愛想の悪いレジスタッフは要らなくなるかもしれません。
相手に気を使えない接客スタッフは要らなくなるかもしれません。
ただ台本を読むだけのバスガイドさんは要らなくなるかもしれません。
いわゆる「正解」を教えるだけのコンサルタントは要らなくなるかもしれません(ネットで調べるかオンラインサロンにでも入ればいいので)。
※個別案件に対応する、というのがコンサルの仕事だと思います
銀行の業務はもう要らなくなると思います。

これからは「その仕事を“人”がおこなう意味」をすごく求められる時代になるかなと感じています。

また「人を雇うリスク」があるのも事実です。面接だけではその人の能力も善い人かどうかも分かりません。雇ったはいいけど、めちゃくちゃ自分勝手に周りを振り回す人かもしれません。日本の法律では「辞めてもらう」というのは非常にハードルが高いので、そうなったとしても雇い続けるしかなくなってしまいます。
※この辺りの解消方法については(法律を変える事は難しいので)、例えば同じ価値観を持ったオンラインサロン内で求人をかけたり、知り合いや知り合い知り合いを雇う、ある程度限られたコミュニティー内(悪いことをするとその輪から弾かれる)で求人をかけるということが想定されます。

①AIで代用がきく
②雇用によるリスクを回避する

この2つの要因によって、今後は働く側のハードルはどんどん上がっていくことが予想されます。
①に関してはAIで代用できる仕事であればAI以下の賃金で働くしか有りません。②に関してはそもそも人との信頼できるコミュニティーに属していないと厳しいです。

どんどん人が必要なくなる社会の中で、どんどん二極化が進むはずです。「努力をしない人」「能力の低い人」「AIで代用できる人」にはどんどん厳しい社会になっていくと思います。そういった中で、幸せな方にいて欲しいというのが僕の思いです。

スタッフにどういう人になってもらいたいか

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これはアルバイトスタッフだろうが社員だろうが関係なく、「こういう人に育ってもらいたいな」というのがあります。それは、「これからの時代で活躍できる人、もしくは自分で選択できる人」です。

活躍するかどうかは別にして、仕事を自分で選べるようになってもらいたいと思います。そのために僕が出来る事は、「とにかく意味のある失敗をたくさんしてもらう事」だと思っています。それは僕にも正解が分からないので、『自分で考える力』や『自分で選ぶ力』、そして『自分で予測する力』を付けてもらいたいからです。

これだけ読むと僕が素晴らしくスタッフの事を考えている、みたいなアピールに聞こえるかもしれませんが、全くもってそんな事はないです。
これはお店のためでもあります。

結局はみんなにメリットがある

感情論抜きの損得勘定でお店側から考えた時にも、スタッフが楽しく仕事をしれくれた方がいいし、挑戦してくれた方がいいし、成長してくれた方がいいです。
①楽しく仕事をしてくれる事でそれがお客さんに伝わる。楽しんで長く働いてくれた方が求人コストも下がる。アルバイトスタッフが辞める時にも、後輩を紹介してくれるかもしれない(求人をかけて採用するよりも、善い人・深緑茶房っぽい人である可能性が高い)。
②僕に出来る失敗の数は限られているから、代わりに失敗してくれた方がいい(その失敗から僕もリアルな学びが得られる)
③成長して還元してくれれば嬉しい。
④成長した結果ステップアップのために辞めてしまったとしても、それはいずれ返ってくるかなと思う(数を重ねる事で「深緑茶房は成長するのに良い企業」というイメージが付く、その辞めたスタッフの次の職場と何かコラボが出来るかもしれな、等など。とにかく種をたくさん撒くことで花が咲く確率を上げます)
などなどなど。まだまだメリットがある気がしますが、この辺にしときます。

上記項目の中で、『かもしれない』が多いですが、それは僕は基本的に「1つの種を撒いて、なんとしてでもコイツを咲かせてやる」という事をしないからだと思います。そんなふうにコントロールする事は難しいですし、あまり他人をコントロールしたいと思わないからです。「自分の意思で選んでもらう」という事を大事にしたいと思っています。

そういった方法的にも、時代的にも、不確定な要素があまりに多いので、ただひたすらに撒けるだけの種を撒きます。そしてそれがいつか何かしらの形で深緑茶房に返ってくればいいし、僕に返ってくればいいし、社会に還元されていけばいいな、という感覚です。


最後に

新型コロナの影響で今後の社会は一気に変わると思います。
売上はないのに固定はかかってくるので、「人件費って重い……。」と感じた会社は多いはずです。家賃は下げれないにしても人件費は下げれそう、と決断した会社も少なくないはずです。
これは外注しよう、これは機械化しよう、これはこのwebサービスを使えばラクにできる……こうやって(短期ではないにしろ長期的に)雇用する人を減らす会社が増えるはずです。そしてコロナの影響で、大企業だけでなく中小企業もそのリスクを強く感じているかもしれません。

ちなみに、それでもウチは人を雇います。なぜなら中小企業が差別化するには、もう“人”しかないからです。もちろん機械化やAIに頼る事は出てくると思いますが、それでも必要な人は雇いたいと思います。その時のためにも、『これからの時代の人の育て方』は自分たちの経験として蓄積していった方がいいと思っています。

長くなってしまいました。
何が正解かは分からない時代だからこそ、失敗を多く経験して、自分たちなりの「正解の出し方」や自分たちなりの法則を探すのがいいかなと思っています。

今日はここまでにします。
またあした。

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