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成功体験をデザインする

こんにちは。名古屋で伊勢茶カフェの店長をしています、松本壮真です。

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昨日、近くの『はなまるうどん』でちょっと失敗したなぁ…と思った事があったので共有したいと思います。

はなまるうどんって行った事ありますか?あまり今回の話には関係ないですが、一応システムを先に説明しておきますね。基本的には「入店→お盆持つ→うどん注文→うどん受け取る→天ぷらとる(任意)→支払い→着席→食べる→食器返却」という流れです。

それでですね、『はなまるうどん』にはこの季節「期間中※使い放題の天ぷらが無料になるカード」があるんです。それを使った時のお話です。
※期間:通常5/6まで。今年は5/31まで延長

昨日は、昼食も夕食も『はなまるうどん』でした。で、昼も夜も同じ店員さんが対応してくれたんですね。若い男前な男性スタッフでした。

で、そのスタッフが僕のことを見て『あれ?この人、昼も来てたな。天ぷら定期券が5/6までだと思ってなるべく使いたいのかな。今年は延長した事を伝えてあげよう』と思ってくれたんだと思います。お会計の際に「天ぷら定期券、5/31まで延長されたのご存知ですか?」と明るく聞いてくれました。

僕は突然声をかけてくれたので上手く返事ができず、「あ、はい。これですよね」とレジ横にあった「期間延長」が書いてあるPOPを指差しました。すると男の子は「あ、そうです」とそのまま会計をしてくれました。

その後『あぁ、、しまったなぁ………。』とうどんを食べながら後悔しました。せっかく店員さんが気をつかって親切心で声を掛けてくれたのに、それに対する感謝を伝えられなかったなぁと思いました。しかも僕はマスクをしていたので表情も読み取りづらかったと思います。

最初に失敗すると次へのモチベーションが下がる

大げさかもしれないですが、これってあの店員さんの「これからの接客」に影響を与えてしまったかもしれないと感じました。

僕がそっけない態度を取ってしまったがために、あの店員さんは次に親切心を発揮しようと思った時に躊躇してしまうかもしれません。「まぁいいや、またそっけない態度とられると嫌だし」と。

きっとマニュアル化されていない『気づかい』とかって、その人の経験に基づく部分が大きいと思っています。だからこそ、こういう勇気を出して気をつかった時にお客さんから気持ち良い反応をしてもらうと「次も頑張ろう!」と思えます。逆に、冷たい対応をされると「傷つきたくないし次はやめよう」と思ってしまうかもしれません。

きっと「人に親切にしたくない」という人は少なくて、それでも無愛想な方が一定数いるのはその人の過去の失敗経験が影響しているのかなぁと思います。

特に初期段階の経験がその人の仕事スタイルに与える影響ってめちゃくちゃ大きいです。だからこそ上に立つ人は、最初は特に気をつかって新人スタッフや社員の成功体験をデザインする必要があると思っています。

成功体験をデザインする

新しく入ったスタッフに対するマネジメントとして、もちろんマニュアルも大事だと思いますし、先輩や店長が接客の見本を実際に見せる事も大事だと思います。『こうやってやるんやで』的な。

ただ、最も大事なのは「成功体験を積んでもらうこと」だと僕は感じています。

入ったばかりで不安な中で『あ、あのお客さん困ってる。あのお客さんのために〇〇しよう』と思って実行した時に、お客さんがすごく喜んでくれるか、それとも冷たくあしらわれるかで大きくその後が変わります。

たぶん、電車で座っていて目の前に高齢者の方が来た時に席を譲ろうと「よかったらどうぞ」と勇気を出して言ったのに、「老人扱いするのか!」と怒鳴られる経験が3回続いたら、きっと4回目の勇気は出ないのが普通かなと思います(よくそれで3回頑張ったとすら思います)。

「失敗は怖い」とDNAにプラグラムされている?

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人って「生き残る」事を最重要課題として進化してきました。つまり、成功するよりも失敗しない(生き残る)ことが大事だったんだと思います。お腹が空くからマンモスを狩りに行くし、家族を死なせないために米を作りました(すいません、よく知らないです)。

もちろんすべてではないですが、基本的には「人は失敗に敏感」と言われるのは、「生き残る」事を最重要課題としてDNAにプログラムされているからなのかなと思っています。

成功体験をデザインする

きっとみんな、そんなに能力が低くないです。「あいつ使えないなー」みたいに言う上司がいる噂に聞いていますが、そもそもちゃんと教えていない事がほとんどですよね。マニュアル作って渡して出来るようになるなら、もうAIが全部代替してます。1回見せて完璧に出来るのなら、山本五十六の名言は生まれませんでした。

やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ。話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず。
やっている、姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず。 
by山本五十六

マニュアルを渡して、接客の仕方を伝えたら、やはり最後はやってもらって、成功体験を積んでもらう事が必要だと思います。

成功体験は「褒める」よりも必要な事だと僕は思っています。

成功体験をすれば、自分で学んでくれます。『あ、こうすればいいのか』と。そして『次はこうやってみよう』と考えてくれます。

誰かの上に立つ人が最も大事にしないといけないのは、マニュアルを渡すことでもないし、叱ることでもないし、教育することでもないです。成功体験を積む場を提供することが最も大事だと思います。特に初期段階においては。

少しずつ手を離す

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自転車の練習と同じで、慣れてきたら少しずつ手を離していくのがいいかなぁと感じます。

途中からは「自由にしていい」という事を伝えて(背中で語ってもOK)、自分で考えてもらう。そこからは、失敗が活きてくると思います。過去の成功体験で、親切にしていい事や挑戦していい事が理解できているので、何か失敗をしても「次はどうしようか」と考えてくれます。

経験が与える影響が大きいゆえに、僕たちはしっかりと考えないといけないと思います。これはきっと子育ても同じなんじゃないでしょうか。(子育てした事ないですが)。

言葉とか経験が与える影響って個人の能力以上に大きいと思うので、その辺は気を使わないとなぁと感じます。

成功体験と失敗体験がたっぷり出来る場をデザインする

究極、僕なんかが教える事はほぼ無いと思っています。もちろん作業的な事とか基本的な事は伝えますが。スタッフそれぞれ得意な事は違って、色んな価値観のお客さんがいて、そんな中でただ1つの正解を持って事に当たるのは難しいかなぁと感じます。

だから、成功体験も失敗体験もたっぷり出来る場をつくるようにしています。失敗しても特に問い詰めたりもしません。明らかにわざと失敗したり、手を抜いたなら言うかもしれませんが、何かに挑戦しようと思って失敗したのなら「この方法は失敗する」という事を学ぶ経験としては成功しているので、むしろ喜ばしい事だと思います。

僕も正解なんて分からないので正解を教えようとするスタンスよりも、その人の能力を信じて挑戦する環境をつくるのがいいのではないかなぁと思います。

僕は基本的に、よっぽど無理じゃない?ってこと以外は、GO!です。笑

最後に

そんなこんなで、近くのはなまるうどんのお兄さん、すいませんでした。せめてもの償いで、帰り際にマスク越しでしたがなるべく笑顔で「ごちそうさまでした」と言って出てきました。懲りずに再チャレンジしてくれる事を願っています。

今日はここまでにします。
ではまた明日


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