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スマホネイティブの“スクショ”は新たなLike!

なんでもスクショをとって共有しちゃうスマホネイティブたち
PC世代からはスクショじゃなくてURL送ってよ!という声も聞かれます

1.すっかりスマホネイティブの話法になったスクショ

では、なぜ若者たちはスクショをするのだろうか。端的に言えば、「一番簡単だから」ということのようだ。彼らにとって、スクショはURLのコピーよりも手間がかからずにできる行為だ。
先程の「URLのタップやスクロールが面倒くさい」という真意は、URLをタップする手間が面倒だし、別のページが開いてギガが減るのも嫌。スクロールしてすべて読まなければならないのは面倒だから、ポイントだけ教えてほしいということだろう。ギガとはGB(ギガバイト)の略で、契約しているデータ通信量を超えると通信速度制限がかかるため、ギガが減ることは若者の最大の心配事の一つだ。

最近の若者たちはなんでもスクショしてしまうといいます
スマホを使っているとやっぱりスクショが一番簡単にシェアできるのです

動画アプリやSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)アプリはコンテンツをワンタップでシェアできるボタンを用意している。だからURLや投稿内容をわざわざコピペする機会がほとんどない。
 シェアボタンが付いていない場合も、スクショを使う方が手軽だ。iPhoneであれば、2つのボタンを同時に押すだけでスクショが撮れて、スマホの写真アプリに自動的に保存される。何度も画面をタップしたりドラッグしたりする必要がなく、コピペするよりもずっと手軽だ。しかも、いつでもすぐに参照できる。たくさん撮影しても日付順に整理されているため、後から探すのも難しくない。若い世代にとって、スマホで見つけた情報はスクショで保存するのが自然なのである。
友人の中にギガを使い果たしている人がいると、URLのコピペではその人だけ情報をシェアしにくくなってしまう。逆に自分がギガ不足の立場になる可能性もある。そこでお互いに、画像でやりとりすることになっている。
スクショは早く確実に情報をシェアできる手段であることも見逃せない。例えば、リンク先(URL)はタップ(クリック)されない可能性がある。だが「画像なら絶対に見る」と信じられているようだ。みんな経験していることだと思うが、URLでシェアされた記事は、時間があるときに読もうと思いつつも、多くは見ないまま忘れ去られる。相手に「絶対に見てほしい」、しかも「今すぐ見てほしい」ときは、スクショで送るのが有効である。そのことに若者は気付いている。

もはやURLをコピペして送ってSafariで開いてもらうというのは
極めて面倒くさいシェア方法になってしまったのです
それよりもワンアクションで今、スマホで見ている画面そのものをキャプってシェアする方がよっぽど早いし、自分のスマホの中に履歴として残るし、着実に相手にも見てもらえるってことですね。

実はスクショのメリットがわかりやすい例が下記のニュースです

ホワイトハウスの報道官がTwitterで、トランプ大統領が「国境の壁」建設に向け国家非常事態宣言を含む手段で予算を確保する方針を明らかにしたものですが、なんとTwitterにスクショを貼り付けたのです
タイトルや要約をツイート本文にして、ホワイトハウスなどの公式サイトへリンクするのが普通のオフィシャル発表だと思うのですが
スクショならば、全文を必ず読める形でシェアできるし、クリックもする必要がないというわけです
もしかするとスマホネイティブのトランプ大統領陣営なのかもしれません

2.スクショはもはや一つの文化

スクショ文化を前提にしたメディアも登場しています

「私たち若者は、一画面で情報を得ることに慣れてしまったのです」

リンクではなく、1画面で全て伝えきる!この潔さがスクショ文化です
いかにクリックさせて誘導するかに心を砕いてきた旧メディアにとっては
衝撃ですらあるメディアかもしれません

またスマホネイティブたちの基本ツールLINEにも
チャット画面をスクショする際に、相手の名前やアイコンを匿名にしたり、落書きしたりするなど
スクショをもっと便利にする機能が実装されています

芸術の分野にもスクショが登場しています

カメラマン(蜷川実花)とモデル(池田エライザ)が
2人でZoomで会話しながら、スクショして撮影を進めるという
ものすごく“今”を感じさせる撮影手法も登場しています

いささか余談ではありますが
アメリカの警官が、Snapchatの性別変換フィルターで女性を装った若者に騙されて逮捕されたという、いわゆるおバカなニュースです
注目点はこの若者のスクショ術です
Snapchatはスクショを撮ると元の相手に通知が行くのですが
この若者はそれを避けるためにスマホを機内モードにして通知を切ってからスクショしたりと
まさにスマホネイティブならではのスクショ術を駆使しています

3.PC世代からしてみれば…

このようなスクショ文化は一方で不評を浴びていることも確かです

「番号コピペで送ってくれたらそのままタッチで発信できるから」URLを貼ってくれとお願いしているのに、それでもスクショで送ってくるのはキツイ。私も仕事相手から待ち合わせの場所をスクショで送られて絶句したことがある。キーワードでググれば簡単に目当ての情報にアクセスできるのはわかってる。しかし道に迷って電話しようとしても、電話番号を入力するときに間違いが生じることだってあるだろう。そもそもURLを貼ってくれさえすればなくていい手間だ。コピペならタッチで電話かけられるし。
10代の若者は、Webページを他人に紹介する場合でも、URLを送るのではなく、画面のスクショをそのまま送ってくるケースがほとんどだという。多くが社会人になっている20代でも、結構な割合の人がスクショ派とも言われる
相手がそのサイトを訪問する場合、スクショではあらためて検索を行って当該サイトを探し出さなければならない。本人は一度、そのサイトを訪問しているわけだから、相手も検索作業を行えば完全に二度手間になる。相手の負荷が大きくなるのはもちろんのこと、最終的にはチーム全体の生産性も低下する。

批判している要旨はある意味正論でもあり、よくわかります
要はそれぞれのメリット、デメリットをきちんとわかったうえで
なおかつ送る相手のことを考えて使いましょうということなのでしょう

4.スクショは新しい“like”

スマホは他のデバイスと比べても、自らの身体感覚の延長という側面が
きわめて強いデバイスです
そう意味ではスクショは「今これ見てます!」という視覚の共有なんです
スマホネイティブならではのアプリSnapchatやTikTokのUIを開いてみると
最初の画面が、まさに身体感覚(この場合は視覚)そのものです
いずれもアプリを開いたら全画面動画がデフォで
Snapchatはいきなり全画面カメラで、“今見ているものをシェアしようよ!“
TikTokはいきなり全画面で動画が開いて、“今コレを見て!“
というスマホならではの視覚共有を前提にしたアプリです
情報共有や友達と繋がる旧来のSNSとはそもそもが異なるわけです

また、Snapchatにおいてはスクショは元のユーザーに通知が届くのですが、コレ実はエンゲージメントの意味合いが大きいのです
“勝手にスクショ撮るなよ”というワーニングであると同時に、
実はエンゲージメント、ありていに言えば“いいね!”代わりでもあるのです

スクショを新たなエンゲージメントしている試みをいくつか紹介します

中でも画期的な仕掛けが「キャプチャー画像の使用を認めた」ことだった。地上波のテレビ番組を放送中、もしくは放送後にネットニュースで取り上げる場合、番組の場面写真を使用するのは基本的にNG。記事に添える出演者の写真は、放送中の画像ではなく、過去に撮影した資料写真を使用している。だが、AbemaTVは72時間テレビの放送前に「番組放送シーンをキャプチャー撮影し、メディアで掲載いただいて問題ございません」と告知。AbemaTVのクレジット表記をつければ“フリーでOK”とした。
また、視聴者に対してはテレビ画面の撮影を認めた企画を実施。「72時間スクショ選手権」と題し、放送中の画面をスマートフォンでスクリーンショット(スクショ)撮影して「いいね」の数を競うイベントを行い、SNS上には番組写真が拡散された。

スクショがコミュニケーション、エンゲージメントとして機能していることがよくわかります

ちょっと古い記事ですが、たいへん示唆的です

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