学び方を学ぶ ~2週間かけてペンツールと格闘して成長した話~

普段から、もっと学習効率上がらないかな、より沢山のアウトプットが出来ないかなと思っていました。
ネットを見ると初心者が短期間で爆速成長した話がごろごろ転がっており「いいなぁ〜自分もあんな風に短期間で急成長できたら・・・」と羨んでいました。

「いや、自分にだって実はできるだろう。やってないだけだろ?うん?」と自分を突っついて新しいものにチャレンジしました。
その結果自分の学び方をアップデートできたという事と、短期間で急成長できたという経験ができたので、共有したいと思います。


ここで紹介する学び方まとめ


・学習対象のイシューを調査する
・コア技術を定め、それを徹底的に練習する
・世界最下位から始める
・一見、面倒そうに見えることを真面目にやる

学習の対象に選んだもの

学習対象は別に何でもよかったのですが、自分が全く触れた事が無いものの方が新鮮味があっていいかなと思い、Adobe Illustrator、通称「イラレ」を選択しました。
※当然絵心も知識も技術も何も無い状態でのスタート。
学生時代の美術の成績はいつも「1」。家庭科と並び最も苦手な教科でした。
逆にここで成長できたら大いになる自信になると考えました。


期限と目標

とりえあず2週間を期限に定めます。
期限を決める代わりに自分が最大限成長し、爆速で成長できた証を残せるよう努力するようにします。
「講座見て終わり」は絶対に無し!必ず何らかの成果物を残します。


学習の方法、方針

学習リソースを用意します。
こういったサービスは文より動画が良いと思ったので
こちらのUdemy講座を情報リソースに選びます。
https://www.udemy.com/course/illustrator-dojo/learn/lecture/22840467?start=240#overview


2週間しかやらないので当然全部はやれませんし、大事な機能に絞って学習していく必要があります。


Illustratorには数え切れない機能がありますが、本当に大事な部分は一体どこにあるのでしょうか?


サービスの解決したいイシューを知る

まずはIllustratorは「そもそも何を解決したい」製品だったのか?
ここを調べるのに少し時間を使いました。


検索してみると主な使われ道は「製図」や「企業のロゴ制作」のようです。
もう少し解釈するとテレビCM、Webページ、企業パンフレット、名刺、製品説明書・・・さまざまな媒体に「企業の命」とも言えるシンボルを載せるわけです。
「さまざまな縮尺に対応したり、意図した通りの正確な図形を、あらゆる媒体に描き出せるようにする」
これがIllustratorの目指したかったビジョンなんじゃないかと仮説を立てます。


じゃあ何がメインの機能なのか?

もし私の仮説が正しいならば、Illustratorの一番のコア機能は「正確な図形を描き出せる」ツールになるはず。
つまり、Illustrator ≒ ペンツール(ベジェ曲線ツール)と言い換えることができ、このツールを使いこなすことができれば、Illustratorをある程度使いこなすことができそうだと見立てを立てました。
ペンツールは曲線を書いているように見えて、実は数式を書いているんですね。数式だからこそどんな縮尺にも対応できると。svgと同じ仕組みです。なるほど。

で、そのペンツールで下絵をなぞることを「トレース」といい、下絵のトレースを繰り返すことでペンツールを体得できると。ふんふん。


ふと生じた疑問

ペンツールであれば他のソフトにも大体付いている。じゃあ差別化のポイントにならないのになぜ、Illustratorがいまだに業界標準なのか?


という疑問も浮かびましたが、それはペンツールを取得した「後」に分かることになります。


悪戦苦闘

Illustratorで学ぶべき対象がグッと絞れたので、いざ!やってみよう〜!
という事で意気揚々とやったのですが・・・


ムズカシイ!!!

脳がバグるバグる・・・。この難しさは文面では伝わらないとは思うのですが、とにかく予想を尽く覆した動きをするので慣れる相当苦労しました。


↓この山のうねり道を描くのが相当に困難!!!何回も何回もやり直しました。微妙にはみ出てるし。

山の絵

↓この猫の線画も思い通りに行かず本当に苦戦。5回くらいやり直しました。

猫の絵

自分は世界最下位なんだ、焦ることは無い

学習で中々成果が出ない時は、
このように自分に言い聞かせるようにしてます。


学習してすぐに「成果」が出てしまうのは最も危険な状態だと思っています。それが変な自信に繋がったり、才能論に走ったりするきっかけになりますし、学習中に周り(自分も含め)に良い姿を見せようとすることで分かったふりに繋がってしまいます。


「自分より下手な人はこの世にいない。大いに間違えることが今の自分に必要なんだ」
というマインドでいると、自分に過剰に期待したり、逆に自分の才能の無さに絶望することもなく淡々と取り組めます。


仮説が一致する

途中でUdemyの講師の方が
「Illustratorで一番大事な技術はですねぇ、ペンツールでトレースすることなんです。これ出来たら何だって下絵から作れますからねぇ」とおっしゃってました。

自分の仮説は正しかった!!!やはりIllustratorのコア技術はペンツールだったんだと興奮を覚えました。

そしてIllustratorほど精緻な精度でベジェ曲線を描けるソフトは存在しないと。それこそが未だIllustratorが業界標準である理由なのだとはっきり理解できました。


一見、面倒そうに見えることを真面目にやる

講師の方の話だとペンツール取得は非常に難しく、デザインを志す人でも「便利機能に逃げている」人が多いそうです。Adobeもペンツールが苦手な人でも使えるオートトレース機能なんかつけたりしているそうなのですが、結局「なんちゃってイラレ使い」を増やしてしまい、根本的な改善には繋がっていないそうです。

どこの業界でも同じですが、「基本の技術をきっちりと押さえる」というのは真っ先に差別化できるポイントです。便利な機能に逃げているうちは職業人としての本当の価値なんて出ない。便利な機能は他人だって使えるので、あっという間に差は無くなってしまう。


逆に面倒なことは大半の人が避けるので、それをやるだけで大きな差別化ポイントになるし、古くならない。


「一見、面倒そうに見えることを真面目にやる」重要性はどの世界にも言えそうです。


1週間後半で覚醒する

この木をマウスでひたすら手動トレースするのがUdemyレクチャーの最終関門だったのですが、この頃から段々とスピードがついてきており、ペンタブを使っている講師の方とあまりスピードに差がなくなってきました。下絵と自分の線画がぴたりと一致した時、ある種の感動を覚えました。

桜の木


さらにその先へと挑む

アニメ絵にもチャレンジ。
女の子の髪は曲線の嵐なので、良い勉強になるだろうなと思って果敢に取り組みました。

↓細かい部分を見るとまだまだ荒いですが、だいぶ進歩したなとしみじみ・・・

画像1

最後に習作をもう一本!

最後に家で飼ってる黒猫を描きました。
家族に見せたところ似てる〜〜!!と褒められ嬉しかったです。


ぼんちゃん.ai

ペンツールを習得したその後

ここで2週間が経ち、TimeUp!!
学び方を自分なりにアップデートできて本当に嬉しかったですし、
習作を残せたのは自信につながりました。


しかし思わぬ副作用が・・・


Illustratorのペンツールにハマりすぎた

Figma等他のソフトのペンツールの精度に我慢できなくなってしまいましたw
また、毎日イラレのペンツールでなんか書かないと落ち着かなくなってしまったので、解約したくてもできない・・・
これからしばらくはAdobe税を払い続けることになりそうです。

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