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非日常から押し出された朝。

塩分が欲しくて徐に取り出した昨晩のつまみのパッケージに「大分」の文字。やっぱり夢じゃなかったのかな、何時間か過去の自分はそこにいたんだってね。瀬戸内海のど真ん中にいる間、マッチングアプリでトークしてるしょうもない男らはみんな口を揃えてどこにいるの、と言った。どうやら京都と大分は300キロ以上離れているらしい。どうやら遠く離れた本州とも違う島に、ひとりで乗りこんでいたらしい。どうやらそんな遠く離れた場所にも、人々の「生活」が存在するらしい。簡単に日常を飛び出し、簡単にまた元の日常に溶け込んでしまった。既に、大分に行ってきました、という言葉が自分の口から発せられることにすら違和感を覚えるし、いかんせん、この日常を繰り返す自分とは違う誰かの経験として夢のように忘れていってしまう気もする。

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