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上手に息継ぎ出来ない奴から消えていく

人との会話やコミュニケーションについての話。

僕は生まれてこのかた漆黒の人見知りなので、人と上手く話すことが出来ない。
仲良くなれば無限に喋るけど、仲良くなるまでが程遠い。
そして、初対面だけは饒舌という典型的なコミュ障だ。

確かに生きづらさは感じるけど、そんな僕にも何とか居場所はあって、どうにか生きていけるという感じだ。

しかし、中にはそうはいかない人もいる。

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大学生の頃、同じ学科の基礎クラスにとある女の子がいた。

その子も人と上手く話すことの出来ないタイプだった。

発表の時は言葉に詰まり、英会話の授業はいつも息苦しそうだった。

僕は僕で、気合いとか根性とか何かそんな類いのもので90分を乗り切っていた。授業が終われば、アパートにも帰って一人きりにもなれるし、サークル活動もある。僕はそういったものがあったから、上手く息継ぎが出来たから、4年間生きてこられたのだろう。

しかし、その女の子は1年生の夏休みが明けると大学を辞めてしまっていた。

あの子はきっと息苦しくて仕方がなかったんだろうな。教室も、大学も。

社会に出てみると、僕も同じだった。息継ぎの仕方は誰かに教わるものじゃなくて、自分で身に付けていかなかればいけないものだった。

自分がちゃんと息継ぎできるように、置かれた環境にビート版や浮き輪を用意しなくちゃいけないな。たまに絶妙なタイミングで浮き輪を投げ入れてくれる人もいる。そういう人は大切。ずっと泳いでばかりじゃ、いつか溺れてしまうから。クロールもバタフライも、正しいフォームなんて結局わからないままだった。

溺れそうな毎日を過ごす中で、ふと頭をよぎったあの子のこと。

ちゃんと息継ぎが出来る場所が見つかっているといいな、と思った。