見出し画像

師匠と呼ばれたあの日から

師匠とは、学問や武術・芸術の師のこと。

まあ要するに凄い存在ってことですね。

実は、僕も師匠と呼ばれたことがあるんです。
もう20年くらい前になることだが。

・ ・ ・ ・ ・

過去のnoteにもあるけど、僕は小学生・中学生の時、漫画を描いていた。
その中でも小学生時代は特別だった。

「漫画描いてください、ししょー」
同じクラスの上杉さん(仮名)は、僕のことをそう呼んでいた。

漫画を描いているということは、当時周りには相当に衝撃的だったらしい。同級生の間で瞬く間に広がった自作漫画ブームの先駆者の僕は、上杉さんの師匠に、なっていた。
しかし、語感的には「師匠」ではなく「ししょー」であった。今思えば、それはあだ名の一種だったのかもしれない。
上杉さんの方が圧倒的に絵が上手かったので、正直僕の方が弟子入りするべき立場だったが。

上杉さんは僕と、今で言う編集者みたいなやり取りをしていて「ししょー、続き、早く」などということはしょっちゅうであった。

小学校の卒業の際の寄せ書きみたいなやつには、「ししょー締め切り全然守りませんでしたね」と書かれてしまった。今プロの漫画家になってなくてよかったと思う。

そんな上杉さんとの関わりも、中学生になったらめっきり途絶えてしまった。一度も同じクラスになることもなく、僕は僕で漫画を描くのをやめてしまった。

・ ・ ・ ・ ・

そして今、そろそろ何か描くかぁと思っていたところ、ふと上杉さんのことを思い出したので、今回のnoteにしたわけである。

漫画の方は、月に何回かはアップしたいなぁと思いつつ、なかなか描くための時間がとれないのがもどかしい。
いや本当にどんなに雑に描いても、1本2時間くらいかかるんだよ。僕の漫画。

上杉さんに、「まだ漫画描いているよ」と言ったらどんな顔をするだろう。

上杉さんに限らず、あの頃僕の漫画を読んでいた奴らが、まさかまだ僕が漫画を描いているとは夢にも思ってないだろうな。

同窓会等があったら、いつかカミングアウトしてみたいものだ。


おわり