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【詩】天地創造


部屋の片隅で ひとり 
気に入りの音楽に包まれる 夜

サイフォンの湯気 激しい雨音 古びた紙の匂い
物語に魅せられた人間の墓場にしては
洒落込みすぎたかもしれない

震える指に握らせたペンで
どれだけの営みを認められるだろう
頭のなかに湧き上がるかれらが
日の目を見ずに消える、なんて
死ぬよりも恐ろしことだ

心臓を何度も突き刺すように
鼓動に任せ力いっぱい 言葉を振るう
いつか君たちが聞くであろう 
滑稽な御伽噺を 狂った作家の最期を 



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