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【詩】Ullr



双眸に嵌め込まれたターコイズは
雪の匂いを纏っていた

季節外れの結晶たちが
はらりはらり 土に還る
まるで桜の後を追うように

冷ややかな瞼に口付けると
曖昧な笑みを浮かべる残像
その身体はもう逝ってしまうんだね

新緑の芽吹き 朝露に濡れた頬
確かに生きていたカケラを抱きしめて
捏造の来世でまた会おう


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