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【投票先、どう選ぶ?】 なにも考えられないくらい疲れている時の、投票先の選び方

高校生の先生に言われたこと

高校の最期の授業で、世界史の先生から言われたセリフがあります。

『もし、君たちが投票権を得たとき、だれに入れればいいかわからなかったら。もし、生活が楽じゃなかったり、しんどいと感じていたら、権力をもっている側“じゃないほう”に投票するのがいい。それだけみんな覚えておいて。』

ふうん?と聞き流してしまうくらいのさりげないトーンだったと思います。でも、なぜかそのメッセージは心の隅に残り続けました。

わたしは高校で社会問題に興味をもって勉強していましたが、大学進学はしませんでした。高校を卒業して1年間の専門学校を経て就職してからは、忙しさに追われ、いつのまにか政治の問題と触れる機会はなくなっていました。

二十歳になって選挙権を手に入れた時、わたしはイタリアンレストランの厨房で死にかけていました。わりとまじで。
朝6時に起きて出勤、片付けが終わるのは深夜1時。週休1日、手取り15万。
この世界にセクハラやパワハラを問題視する規範があることは知っていましたが、自分の置かれてる環境にも適用されるべきものとは知りませんでした。また、労働基準法というものの存在を耳にしたことはありましたが、自分に適用されるものだなんて、想像もしませんでした。

ストレスによる蕁麻疹を隠しながら笑顔で出勤し続けるあのころわたしには、候補者を検討するような余裕は全くありませんでした。どうにか投票所までいくだけで精一杯。

そして、そのときに思い出したのが、高校のときの先生の言葉でした。

『権力をもっている側“じゃないほう”に投票すること』

わたしは動かない頭で、『じゃない方』を選び、投票しました。

今思えば、あのときのわたしの状態で正確な判断ができていたか、適切な情報収集ができていたかは、正直いってわかりません。
でも、少なくとも『ひとつの指針をもって、投票できたこと』は、わたしのささやかな自信になりました。

だから、これを読んでいる人がもし、『なにも考えられないくらい疲れている』としたら、なにかひとつの指針を決めること、それに沿って投票することをオオスメしたいと思います

なにかひとつの指針を決めて投票する

人はそれぞれ違うので、大切に思うポイントも違います。

なにを重視するかには、その人が生き方が現れますし、同時にこれから先をどう生きて行きたいのかというのと反映します。

たとえばあなたが、職場のひどい環境に困っていたら、そういう問題に取り組む候補者を選ぶのがいいです。

もしあなたが、女性としての生きづらさに苦しんでいたら、その問題に注目して、具体的な解決法を示している候補を探すのがいいと思います。

いじめ問題があなたの最重要項目ならば、いじめ撲滅を掲げている候補者に投票するのがいいでしょう。

あなたには、あなたなりの視点で候補者を選ぶ権利があります。

権力をもっている側“じゃない方”に投票する

その上で、もしあなたが、どの指針をメインにすればいいかわからないくらい疲れているか、各候補者を比較するだけの時間がないならば、とりあえずあのときのわたしのように、『権力をもっている側“じゃない方”』という選び方をするのも、アリだと思います。

なぜなら、いま権力をもっている人に投票することは、つまり『この世界、いいね』『自分はこの社会に満足してる』というメッセージになるからです。

個人のひとつひとつの困りごとは、一見個人的なことに思えますし、自己責任といって切り捨てられることも多いのですが、実はどれも社会の問題です。

(あなたが疲れているのは、あなたの責任だけではないので、どうか自分を責めたり、軽んじたりしないでほしいと思います。)

なので、あなたがいまめちゃめちゃに疲れていて、候補者を検討する時間もないとしたら、その状態をもって『じゃない方』に入れる理由があるといっていいんじゃないか、とわたしは思っています。

まとめ

💡投票はひとりひとりの生き方を示すもの

💡なにかひとつの指針を決めて投票する

あるいは

💡権力をもっている側“じゃない方”にいれる


あのころのわたしと同じようにしんどい状況の人にこの記事が届いて、投票のための手掛かりにしてもらえたら、なによりうれしいです。


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