未来を創る

もう日本には戻って来ないのだろうと思っていたある人が、昨秋に帰国していたことを知った。

その人と、ひとつ約束をしていた。

風の噂で東南アジアの国にいると聞いていたから、約束は果たされないだろうと思っていた。
私自身も、その日に約束の場所へ行ける状況ではなかったし、連絡しようにも相手の連絡先ももう手元になかった。

きちんと別れの挨拶も出来ずに離れなければならなかったことが、今も少し心に残っている。

でもきっと私は、その人にコンタクトを取ることはないだろう。
相手から連絡が来ても、多分、当たり障りなく対応するだけ。
感傷的に振り返るのは簡単だけれど、そこには何も新しいものは落ちていないから。

思い出は、思い出として。

 
元日のエントリーで書いた、“今を生きる“ということについて、アンサーソングのような曲がテレビから流れて来た。
まだCMバージョンしか聴けないけれど、そのたった30秒のフレーズだけで、十分に心に響いてきた。

さっき呟いたのは、その『風を待って』の一節。

良かった、私が考えていたことは間違っていなかった。
“大丈夫だよ、君は。そのまま進みなさい“
小田さんに、力強く背中を押されたようだった。

今を大切にすること。
それは、未来を創ってゆくこと。

だから振り返らない。

過去への感傷からは、何も生まれない。
自分が歩きたい明日は、自分の手で創ってゆくしかない。

大切なのは、過去生きていた日々ではなくて、いま目の前に広がる世界と、大切にしたい人たち。

私はそれでも時々、振り返ってしまうのだけれど。
そこで過去に縋らないこと、明日を見つめることが出来れば、きっとこれからも大丈夫。
きちんと、歩いてゆけるはず。



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