Step By Step

いつか書いた大学時代の同級生から、Lineが届いた。
あれからずっと、彼女がどうしているか気になっていたけれど、こちらから連絡するのは憚られていた。

詳しくは書けないけれど、狭いコミュニティの中で、小学校高学年になる彼女の娘さんは精神的に追い詰められていた。
心が崩壊しそうな限界ギリギリで、『もうここには居たくない』と訴えてきたのだ。
彼女は、娘さんを連れて私達の大学がある街へ引っ越すことに決めたという。
ご主人を地元に残して。

11月まであんなに地元に残ることしか考えられないと思考停止していた彼女が、たった数ヶ月で大きな決断をして前を向いていることに、今はただエールを送りたい。
私が話したことが、彼女が前に進むためのキッカケになったのかどうかは分からないけれど、旧友が新しい世界に踏み出したことは、私にとっても嬉しいし刺激になる。


一昨日の夜遅く、別な友人からメッセージが入っていた。
彼女とは、子供が入院した時に病棟のこどもルームで出逢い、初対面から何だかとても意気投合して、退院する時に連絡先を交換した。
子供達の体調が安定してから互いの家を行き来したりして、どんどん仲良くなるにつれ、あまりにシンクロが多すぎて、『私たち、ソウルメイトだよね?!』と言い合うようになり、今に至る。

子供達が入院していたのは私達が出産した総合病院で、出産の担当医も一緒、分娩の状況もほぼ一緒(結構稀な出産状況だったのに)、誕生日も10日ほどしか違わず、考え方や価値観も似ている。
2人目を産む1年前、私は子供との哀しい別れを経験したのだけれど、ほぼ同じ経験をその直前に彼女も経験していて、『そんなところまで同じじゃなくて良いのにね』と泣きながら電話し合ったりもした。

2人目出産の時は、すぐに駆けつけてBabyとご対面したし、数ヶ月後彼女も駆け付けてくれた。
本当は産後すぐに友達には会いたくなかったり、ちょっと来てもらうのが面倒だったりもするのだけど、彼女だけは別。

11月末に久しぶりに会った時に、ある映画のプロモーションに携わっていると彼女は言っていた。
内容を聞いて思い当たる監督が1人だけ浮かび、尋ねたらやはりその人だった。
私達夫婦は、その監督の取材を1人目妊娠中に受けていたのだ。
奇妙なシンクロも、ここまで来るともはや『また導かれたかぁ』となる。

あれからバタバタして連絡していなかったけれど、彼女と話したいなぁ、とここ数日思っていた。
そろそろランチに誘いたかったけれど、コロナ騒ぎでお互いそれどころじゃ無くなっちゃったな…と思っていたら、深夜のメッセージ。

映画が公開になった連絡と、また話したいことがある、と。
大体いつも、同じタイミングで同じようなトピックを考えていたり、悩んでいたり、決めたりしている私たち。
結論も方法論も、ほぼ一緒。
私たちは鏡のようだ。

11月に会った時、先の友人の話を心痛な面持ちで聞いてくれた彼女に、友人が一歩踏み出すことを決断したと教えたら、きっと一緒に喜んでくれるに違いない。
そろそろ、前回2人で計画した“あの話“を発動する時期かな。
小さな一歩。
だけど踏み出せばきっと、少し違った景色が広がるはず。

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