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ソウルメイト

昨年訪ねた歳上の友人から、News動画が届いた。
とある学校問題に対応し、記者会見で話している姿が地元のTV局で流れたという。
県全体の教育への姿勢に斬り込むその姿は、10年前一緒に仕事をした頃と変わらず、穏やかな口調の中にピリリとした厳しさが滲み出ていた。

ちょうど昨夜、昨年の今頃、彼の元を訪ねたことを思い出していた。
世界が一変する、ほんの少し前。
得体の知れない恐怖の足音はすぐそこまで近づいて来ていたけれど、それでも街はまだ穏やかだった。

地元で一番有名な神社の手前に小さな天満宮があり、蝋梅はもう終わりだけれど、と連れて行って貰った。
蝋梅や紅白の梅の木の香りを吸い込んで、晴れた空を見上げた。

訪ねた塾の本棚には、参考書と並んで占いの本が何冊か並んでいた。
「うちで一番人気の参考書!」と言って笑った彼に、ふと訊いてみたくなって、夕食のあと街をブラブラ歩きながら「ソウルメイトっていると思いますか?」と尋ねてみた。
彼は穏やかな笑顔をこちらに向けて、「うん、いるよ。うちの息子は、私の親父だったと思う。今世じゃないけど…。何の根拠も無いけれど、そう感じてた。」と言い、「Solaさんとだってソウルメイトだと思いますよ。」とニコニコしていた。

帰宅した翌日、来訪のお礼メールと共に、誕生日占いのページのデータが送られて来た。
ひとつは私のもの、もうひとつは知らない誕生日のものだった。
「うちで一番人気の参考書、良く当たる誕生日占いです。2つ目のものは私の誕生日です(笑)」

“恋人と友人“の欄に、その誕生日はあった。
他の誕生日に当て嵌まる友人・知人はいない(夫でさえも)。
たかが占いかも知れないけれど、本当にご縁ってあるのかもしれないな、と思った。
恋愛関係だけでなく、人生の色んな節目で出逢って、何かしらの学びを得られるのがソウルメイトだとしたら、残りの人生であと何人と出逢えるのだろう?

遠い場所で教育に全力を傾ける“ソウルメイト“が、今回働きかけている問題解決の為に微力ながらサポートをしたくて、私も署名に賛同をした。
私も私のフィールドで、また頑張らなければ。
次に会えるいつか、胸を張って近況報告出来るように。

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