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Weibo、Wechat、RED?いやいや、ショートムービーでしょう(2)

2010年代中国ネットにおけるメディア概論

↑↑↑↑前回の続き↑↑↑↑↑

Wechatは2011年に誕生

テンセントがそれまで持っていたQQというサービス(シンプルなインターネットメッセンジャー機能)とは別に、テンセントの内部闘争から新しいメッセンジャーサービスとして生まれた。

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その後WeChatはQQとうまく補完関係を取りつつ、現在では中国最大のサービスプラットフォームであり、テンセントの経営危機を幾度も救うサービスとなる(もしWechatを開発したのがテンセントでなかったら、テンセントは終わっていたかもしれない)。今日では、Wechatは言うまでもなく国民的なAPPであり、これを使わない中国人はいない。携帯に、他にどんなAPPがなくても、Wechatは絶対入っている。

Bilibiliは2009年に誕生

2018年にナスダックに上場。ニコニコ動画を原型とした弾幕型動画SNSである。

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「弾幕」という日本の文化は中国の若者にドンピシャでヒットした。Bilibiliはご多分に漏れず海賊版的な動画プラットフォームから始まり、現在では正規ライセンスを持ちながら中国の若者が最も好むサブカルチャービデオプラットフォームに成長するという、「コピーインチャイナ」から脱出を遂げた代表的なサービスの一つとも言える。蛇足だが、日本の文化やサービスのエッセンスは2010年代においても中国市場ではユニーク且つ有効であり、中国市場に参入するノウハウや、(もう一段踏み込んで言えば)清濁併せ呑むことが難しいということである。逆に、大変なのは百も承知で言えば、この二つを除けば現在でも日本の文化や商品・サービスは「行ける」ことを証明している。

同じく優秀な動画サイトとしては「Iqiyi」、「YOUKU」、「Tudou」などがある。

斗鱼TV(Douyu TV)

前ACFUN生放送,2014年に「斗鱼TV」(Douyu TV)に正式に名称変更した。2019年ににてナスダックに上場。

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中国のライブアプリにおける激しい戦いを生き残りかつ最大のライブプラットフォームへとなった。このプラットフォームを通して知名度を上げたインフルエンサーは数多くおり、ライバーとしてこれから名乗りを上げるならばこのプラットフォームを置いて他にはない。

今日头条(Toutiao)は2012年に誕生

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抖音(Douyin)は2016年に誕生

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快手(KuaiShou)は2011年に誕生

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この三つのプラットフォームは直近では最も成功を収めたSNSであり、世界のトレンドを作る側に回った代表的な中国ITサービスである。「モデルインチャイナ」という言葉は、狭義ではこれらを指している。(次回以降の連載ではこの3つのサービスについてさらに深く解説していく予定である。)

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なぜ中国経済で劇的な変化が生まれているのか? 

日本の主要なメディアでの中国経済に関する記事を見ていると、たまにこんな風に思うことがある。「日本がガラパゴスというよりは中国こそ世界最大のガラパゴスなのではないか」と。ほとんどの中国経済に関する情報は、びっくりするくらい情報が遅いか、情報の遅さも相まって「今日段階では正しくない」情報もある。特にITに関してはどこの中国なんだろう?と思うほど有象無象の情報がまことしやかに飛び交っている。

本稿を見て頂いている日本の方々はこの界隈に興味を持って読んで頂いていると思うので、それなりに現代中国経済やIT事情についての基礎知識や歴史も知っておいて損はないだろう。ここでは何組かの写真を使って、中国経済の変化を見比べていきたいと思う。より多くの日本の方々が、私の文章を通して現在の中国をより深く理解できるようになってもらえるとうれしい。

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図一:(環境汚染がひどい)ディーゼルバスから次世代水素燃料バスへ

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図二:社員十数人のアリババが20年程度で世界最大のECプラットフォーマーへ

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図三:質素な家庭内装もスマート家電を配置したオシャレな内装へ

なぜこのような変化がうまれたのか?主に以下の理由かと思われる。
1.コンシューマーの消費力の質的向上は、消費者の行動変化をもたらした
2.ソフト・ハードウェアのバージョンアップによって、次元の違う消費者体験をもたらした
3.趣味嗜好の多様化によるSNSの多元化,消費能力の違いがもたらす変化

中国SNSを中心としたメディアの変化は、常に世代の変化に機敏に反応している。

中国の改革開放路線前後は、「中国改革开放前后几年」、つまり生活はとても乏しいものだった。

私は1982年に首都である北京で生まれたが、生活において求めたものは「お腹を膨らませるため」の食べ物であり、「生活するために着る」ための服を買うだった。北京でさえそうなのに、田舎の方はもっとつらいはずだ。

あの時代は、メディアといえば新聞と本だけだった。テレビでさえ贅沢な代物である。日本で話題になった「三丁目の夕日」の景色とそれについて思いをはせる心情は、中国では1980~1990前半のことではないかとさえ思う。

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1970~1980年代生まれの世代において、社会的に成功できた人はほぼ「頼りは自分のみ」であった。裕福になれない人も多くいる中、私たちは苦労を知っているから消費に対してどこか慎重で、ともすると何か買うと何かを失うのではないかという恐れすらあった。

そのような心持ちで、私たちの年代では無意識に消費を恐れて我先に海賊版を使っていたし、その消費者動向を把握した海賊版を中心としたプラットフォームもこの時期に多く現れた。当時の私たちの気持ちは、海賊版だろうとなんだろうと「お金を使わないことは正義」であった。

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1990年代生まれの世代の人たちは、親が1960年代生まれで、祖父母はほとんど1940年代生まれの人達である。この年代の最大の特徴は、上述した「生きるための消費」については考えたことがないのである。開放改革経済が進んだ後で親がそこそこ財を積んでおり支援もあるため、私たち世代に比べ可処分所得が大きく日常生活面におけるプレッシャーは少ない。そうした状況からか、好きなものや自分で良いと思ったものに対しては、むしろ我先に買って自慢をする世代である。消費者の消費欲求が上がった結果、より多くの物・サービスがハイクオリティでなければ、彼ら世代に受け入れられなくもなってきた。

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さらに時代は進み、2000世代、ミレニアル世代の人たちは,親が1970年代の人たちであり、裕福であるだけでなく、「世界」を知っている世代であり、消費に対して独特の見解がある。彼たちの消費理念は、欧米などのような先進国に似ている。SNSを使ってやりとりをしている時も、動画コンテンツを見ている時も、彼らはコンテンツに対してよりダイレクトな消費行動を取る。現在の日本の若者の消費傾向をよりバブリーにした状態だ。ミレニアル世代の消費行動は、単に物を購入するというよりは、興味のあるコンテンツやストーリーを通して「モノ」を購入する。消費だけではなく「消費体験」を。そして消費体験をバブリーに。これこそが現在の中国の若者共通の消費傾向であり、いま最もメインストリームとなっているソーシャルECが発達したニーズである。

(つづく)

概要
1.日本企業が失ったモメンタム
2.2010年代中国ネットにおけるメディア概論
   Weibo
   Wechat
   BiliBili
   toutiao
   douyin
   kuaishou
3.なぜ中国経済で劇的な変化が生まれているのか? 
4.ソフト・ハードウェアのバージョンアップがもたらす消費者の行動変化
5.趣味嗜好の多様化による中国SNSの多元化
6.なぜ短編動画が消費者を影響する主流となったか? 
7.将来予測および日本企業のメディアチャンス
8.日本企業が中国では太刀打ちできないのか?
まとめ

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