アーティストは宇宙人では無い

友人とアニメ『ぼっちざろっく』について話した。というのも、友人が何周もしていて、どハマりしているからだ。

友人は『ぼっちざろっく』のライブシーンがが、いかに細かく描写されているかを語ってくれた。

友人が語る細かな描写について聞きながら、スタッフはそこまで作り込んでるのか、と僕は衝撃を受けていた。しかしそれ以上の衝撃がくる。

リョウがマイクと距離を調節してるのが細かい、と友人が言った。僕は一瞬何を言っているのか、よく分からなかった。マイクと距離を取るのに何か意味あるのか。そんな事を友人に聞くと、「音の入りを調節している」と返された。

さらに分からなかった。音の入り?聞くと、呼吸音などノイズが入らないようにだったり、半音だけ声を入れるために、体とマイクの距離を調節してるのだとか。

……え?!?!?!?!

マイクの距離ってそんな意味あったの!?
あと、半音だけ入れるってなに?!でも、詳しくは分からないけど、とても細かな調整を行なっていることは分かった。

僕はライブは何度か行ったことがある。その度に、ボーカルの人が動きまくってるのを見て、音楽やってる人は元気なんだな、としか思ってなかった。失礼すぎた。

まさかそんな計算のもと、細かい調整を行うくらい、手をかけていたなんて。知りもしなかった。

音楽ってもっと、バーーン!!でドーーーン!!!と豪快で、楽しくなろうぜ!!考えるな感じろ!!!っていうものかと思っていた。
そんな、フランス料理のような繊細な調整をしてるなんて思っても見なかった。

今回この事を知ったことで、かなり音楽への印象が変わった。

音楽は才能のある人しか分からない、難しい、僕とは次元の違う理解しようのないものかと思っていた。しかし、楽器を弾く以外の細かな技術がある事を知った。

彼らは人間だった。宇宙人では無かったのだ。異能力者でもなかった。

これは衝撃的な出来事だった。
これから音楽を聴くときの心持ちは変わるだろう。なんだか緊張してきた。