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あなたの言葉は相手に届いているか?対話を重ねた先の人間関係は穏やかになる
自分の言葉は相手に届いているか?
教員として35年。
日々、授業をし、生徒たちとコミュニケーションをとってきたつもりです。
と同時に、多くの教師や保護者ともコミュニケーションをとってきたつもりです。
これは、私の「つもり」であって、本当のところはわかりません。
だからこそ、日々自問しています。
みなさん、こんばんは。
中学校教員をしている、そいと申します。
本日土曜日は、インフルエンザの流行により、突然部活動が中止になり、ぶらぶらとnoteを散策していたら、とっても共感できる教員の方の記事に触発され、ちょっと教育論を語ってみたいな。
なんて思い
今回の記事を書いています。
ゆるふわ教育論さんは、小学校教員。
同じ教員という立場で、
「そうそう!そうなのよ!」
と首がもげそうなほど共感できる記事ばかり。
そんなゆるふわさんの記事に私の魂は揺さぶられての本記事。
よろしかったら、お付き合いを!
では、記事のスタートです!
※ちょっと熱くなって語り4,000文字を超えてしまいました(苦笑)
時間にゆとりのある時にお付き合いいただけたら幸いです!
何回言ったらわかるの!ってNGでしょ(笑)
子供を叱りつける場面で
「何回言ったらわかるの!前も言ったし、あなたも『わかった』って言ったよね」
こんなことを言ったことはありませんか?
果たしてこの言葉が相手の心に響くのでしょうか?
響くわけがないですよね。
だって、人は失敗します。何度も何度も。
なのに、こんな言葉を口にしている(笑)(そんなことを口にしている本人に尋ねてみたいですよね。あなたは失敗したことないのか!と。そもそも一回の失敗しないのは「私失敗しないので」でお馴染みの『大門みちこ』か神ですよね笑)
まして、子供ならなおさらのこと。(だって、子供なんですから。あなたより圧倒的に人生経験が浅いのですから)
大切なことは、失敗から、何を学び、行動の改善に繋げるか。
そのために、
自省を促すきっかけとなるような対話をすることが、私たち大人には求められていると思うのです。
「失敗は学び」
と捉えている教師(親)なら、かける言葉も変わってくるはずです。
「どうしてそうなったの?」
まずは、子供の言い分をジャッジせずに、傾聴できるかどうか?
これが大事。
ここから対話が始まるからです。
対話によって、心のモヤモヤをきちんと吐き出せた子供は、
最初はどんなに悪びれていたとしても、
最後は心のそこから自分が悪かったと素直に反省します。
自分の悪いところに気づく事ができるようになるのです。
もちろん、人を傷つけるなど、絶対に許せないことは、ダメなこととして指導しなければならないのはいうまでもありません。
しかし、子供の言い分を傾聴する前に、
「あなたのやったことは絶対に許されない。きちんと謝りなさい。」
という一方的な指導から入ると、
子供は自分の思いを伝えることができず、
心の中にモヤモヤが残ります。
その結果、
「どうせ、何を言ってもこの人は自分の話をちゃんと聞いてくれない」
という不信感を持ち、心を閉ざしてしまいます。
もし、このような状態がずっと続いていたら。
そんなモヤモヤとした思いを自分でも扱いきれず、結果として、他人を困らせるような迷惑行為や問題行動を繰り返してしまう。
表面的にはふてぶてしい態度で、指導も通らない。
「問題のある子供」というレッテルが貼られてしまうわけです。
特に、何からしらの特性を持った子供ほど、周りから理解を得られずに、「消化不良の思い」を抱え続け、その思いは雪だるま式にどんどん膨れ上がっていたりします。
しかも、その保護者も、子育ての過程において、
「オタクのお子さんがまた問題を起こした!きちんと指導してください」
と「非難された」という思いが、膨れ上がり、傷ついている事が多いのものなのです。
対話を重ねると人間関係は穏やかになる
「話せばわかる」
「問答無用!」
バン!
五・一五事件で犬養毅首相が暗殺される間際に海軍青年将校と交わしたやり取りと言われてますよね。
対話を求めた、犬養首相の願いは、無碍なく断られ、海軍青年将校は、引き金を引いた訳です。(引き金を引かざるを得ないまでの精神状態になっていた訳です)
小学校からの引き継ぎで『問題あり』と引き継いでいる子ほど、入学したての頃は、いつも何かに怒っており、
「⭕️⭕️さんちょっと、いい」
と声をかけただけで
「はあ?俺何もしてないけど」
といきなり喧嘩腰になったりする子もいます。
もちろん我々中学校のスタンスは、
「引き継ぎ」は参考にはしますが、
「問題あり」のレッテルを子供達に貼る訳ではありません。
良いところは、褒め、ダメなところは改善してもらう。
あくまでもフラットな目線です。
そんなスタンスで臨むのですが、残念ながら、このような子供は、ファーストコンタクトから何かしらの『指導』の声かけで始まることが多いのも事実。
たとえば、最初の授業から机に突っ伏して寝ている。
「どうしたの?具合でも悪い?」
「いや別に」
「じゃ起きてください」
こんな言葉かけだったり。
またある時は、
「どうしてノート取らないの」
「はあ?やっても無駄だし」
こんな会話になる場合は、かなりの「重症」です。
しかし、子供は、授業だけでなく、休み時間や行事や部活動など様々な場面で活動しています。
授業では全くやる気がなくても、部活動は頑張る。
そんな場合もあります。
また、授業は全くやる気がなくても、学校祭のダンスは、人一倍頑張っていた生徒もいます。
そんな子供たちの様子を、教師集団で共有していると、
「この間のダンスの練習頑張っていたね」
とプラスの声かけができたりもします。
初授業で、態度の悪かった子供の情報が共有されていると
逆に、その子供の良い瞬間を見逃さないようにしよう
と、教師集団で注目するようになります。
結果として、
掃除丁寧にやってるね。ありがとう!
などの感謝の気持ちを伝える事ができるわけです。
こんなことを繰り返していると、
最初は我々教師に身構えていた子供も、だんだんと穏やかな表情に変わっていきます。
誰か1人でもいいんです。
自分の事をわかってくれる人がいる。
それだけで、子供は安心するのです。
実に多くの対話が積み重ねられた先に、このような信頼関係が築かれるのです。
くだらない話を真剣にできる間柄であれば、どんな問題も何とかなる
いつも褒めちぎっている訳でも、真面目な話をしている訳でもありません。
その対話のほとんどは、どうでもいい話。
あのテレビ見た?
とか、あの動画のダンスが面白いとか。
そんな子供達の話題にすっと入っていけるか。
そうやって、話題に入っていける教師には、子供は気軽に、いろんな話をしてくれます。(私の場合は、恋バナに対する反応が昔から強く、『えっ?⭕️⭕️のこと好きなの?』とうざいくらいに会話に入り込みます(笑)
そのほとんどは、どうでもいいような世間話です。
でも、そんな話を子供たちと真剣にできるかどうか。
日頃からくだらない世間話を真剣にできる間柄だからこそ、いざという時に
「ちょっと聞いてほしい話があります」
と相談を受けたり、
おや?なんかいつもよ様子が違うな。
と子供の異変に気づき、
「どうした?何かいつもと様子が違うように見えるけど」
と声かけをすることが可能になるのです。
このような強い信頼関係があれば、
困っている時に、困っている!
と声を上げることもできるし、
困っている様子に気づいて、救いの手を差し伸べることができるのです。
むしろ、何らかの問題を乗り越える度に、信頼関係の絆は一層深まったりもします。
学年が上がるほど指導が通りやすくなる
小学生のようなあどけなさが残る中学1年生とちょっと大人びた中学3年生とどちらが指導しやすいと思いますか?
年齢が低いほど、大人のいうことに『従順』なイメージはありませんか?
もちろん、個人差もありますが、私の経験では、対話を重ねてきた学年の子供たちは、学年が上がるほど、共に過ごす時間が長いほど、指導が通りやすくなります。
それは、何も問題が起こらないということではありません。
同じ問題を繰り返す子供もいます。
しかし、対話による指導を重ねるにつれ、多くを語らなくも、子供は自分の非を認めます。
かつては、
「だって」とか「でも」
など、指導を鼻から受け入れなかったり、
嘘などをついて、言い逃れするよう子供も、素直に自分の非を認めるのです。(できることなら、問題を起こす一歩手前で、考えて、踏みとどまってほしいのが本音ですが)
これは、対話を重ねてきたことで、
「この大人は自分のことをわかってくれる」
と安心しているからだと思います。
安心しているから、
嘘や誤魔化し、反抗などで、自分を守る必要がないのだと思います。
逆にいうと、指導をなかなか素直に聞き入れない子供は、
嘘や誤魔化し、反抗しないと、自分を守れないと思い込んでいるのだと思います。
例えば、
「怒らないから、正直に話してごらん」
と言われたから、その言葉を信じて正直に話したら、思いっきり怒られた!
なんて経験があったら、
「2度と正直になんか言うものか!」
と思うのも無理がないと思いませんか?
そのように追い込んでいるのは、関わった大人の責任でもあるのではないでしょうか。
対話が穏やかな将来につながる
いろいろな特性を持ち、いろんな家庭環境で育ってきた子供達が一堂に介している学校では、日々いろんなトラブルが起こります。
でも、私は確信しています。
子供達に寄り添って、対話を重ねたら、
確実にトラブルは減り、子供は穏やかに過ごすようになる。
これは、私の経験上確信していることの一つです。(対話には保護者も含まれます)
子供が何からしらの問題を抱えたり、起こす。
さあ大変だ!
となりがちですよね、
しかし、これこそ、心の根っこに深く寄り添うチャンス到来なのです。
子供に寄り添って、対話することで、信頼関係を築くことができるからです。(信頼関係が一層深まる)
この繰り返しの後に待っているのは、穏やかな人間関係しかありません。
徐々にトラブルがなくなっていくのです。
だから、安心してトラブルの対処にあたって良いのです。
終わりに
今回は学校でのことを念頭においてのお話でしたが、学校に限らず、職場やさまざまな人間関係に共通して言えることだと思います。
特に、職場などで指導する立場の方なども、
対話(傾聴)を重ねると結果として相手が変わる
と言うことをぜひ実践し、体験してほしいと願っています。
ただし、ちょっと気をつけてほしいのは、
間違っても、
「相手を変えてやろう!」
と力まないことです(笑)
あくまでも、相手に寄り添う。
スタートはそこからです。
急がば回れ
ぐらいの余裕を持って接することをお勧めします。
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