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8点【感想】気が遠くなる未来の宇宙のはなし(佐藤勝彦)

オススメ度 8/10 (科学とは何かと気付かされたので)

 (きがとおくなるみらいののうちゅうのはなし)

出版社HP

地球に超大陸出現?
銀河系とアンドロメダ銀河が衝突?
新たな「子ども宇宙」の誕生?
宇宙最後の「イベント」が起きる?

『眠れなくなる宇宙のはなし』シリーズ待望の第3弾です。地球、太陽、太陽系、銀河系、そして宇宙全体について、最新の学説に基づく「未来予想」を紹介。

1500年後:地球は再び「氷期」に入る?
2000年後:地磁気が消滅して太陽風が直接吹きつける?
2億年後:地球に再び「超大陸」が出現する?
30億年後:天の川銀河とアンドロメダ銀河が衝突・合体する?
100兆年後:すべての恒星が燃え尽きる?
10の34乗年以降:宇宙から「物質」が姿を消す?

――著者の専門である最新宇宙論の話もたっぷり語られています。


【著者】
 佐藤勝彦
 (さとうかつひこ)

【出版社】
 宝島社

【読む前の独断と偏見によるジャンル】
 頭良さそうな本

【その本を選んだ理由】
 宇宙の凄さを知りたいんや!後、昔、この人の本を読んでおもろかったから

【貸出日・購入日】
 2020/10/15貸出

【感想】

 「幾千年後、幾万年後、幾億年後、幾兆年後、10の34乗年後、10の100乗年後、地球は、太陽は、宇宙はどうなってるんやろ?」って疑問について考える本やった。

 1500年後:地球は再び「氷期」に入る?
 1万2000年後:こと座の1等星ベガが北極星になる?
 10億年後:太陽の光度が増して、地球の海が蒸発する?
 100兆年後:すべての恒星が燃え尽きる?
 10の34乗年以降:宇宙から「物質」が姿を消す?
 10の100乗年後:ブラックホールがすべて蒸発する?

などなど、衝撃的な予想・予測が書かれてるねん。

 気になった人は、とりあえず、この本を読んでみて欲しい。
 どれも知的好奇心を刺激されて面白いから多分、他人に知識をひけらかしたくなると思うわ。

 でも、著者が伝えたいのは、こういった知識自体では無いねんね。
 
 ほんで、「はじめに」でことわってはるねんけど、予想・予測が正しいかどうかよりも、何故そのようになると予想・予測しているのか思考プロセスに注目して読んで欲しいねんて。

 科学を「未来を知るための魔法」のようにみなさず、それが正しいかどうかをみんなで検証し、時間をかけて判断していくことが科学の進歩に繋がるらしいわ。
 新しい学説が出た時は、以前と「根拠」のどこが変わり、新しい予測になったかに注目すれば、科学を未来に役立てることができると思ってるねんて。

 わいも、こういった考え方に賛成やわ。

 「どっかに正しい答えがある」
 「難しいことは専門家だけに任しとけばいい」


ってなってると、成果主義に陥ってまうと思うのよね。

 そうなると、
「実生活で役にたたへん研究はやめてまえ!」
ってなって、研究の幅が縮小されて、科学の世界が縮小してまうと思う。
 ほんで、特に日本なんかじゃ財政事情の苦しさもこの傾向に拍車をかけると思う。

 そしたら、中世ヨーロッパの暗黒時代の再来になるんとちゃうやろか?
 教会が資本主義に変わっただけで、そこに反するものは不要と社会から排除されるようになり、未来の科学者を育てることもできんくなると思うねんな。
 わけのわからん研究してって言われてた量子の研究が、今やコンピューターとかの日常的に使う道具にも利用されてたり、一見、役に立たんと見なされてた物が花開くことってあると多々あると思うのよね。
 と言うか、真の革新はそういった誰も理解できん・評価できんことがじっくりと熟成されて産まれる気がするので、可能性の幅は広げておくに越したことはないと感じます。

 まぁ、とにかく、わからんからって専門家任せにせんで、わからんからこそ、みんながプロセスを含めて勉強して、正しいかどうかを判断できるようになっりした方が建設的よね。
 プロセスを知ってたら、修正出来るけど、知らんかったらどうしようもないし。

 うん、何が言いたいかと言うと、「安易に答えを外部に求めるな!」ってことに尽きます。
 知的生命体に生まれたんやから、脳みそ使ってしっかり考えたい。

 ほんで、これと近い話で、この本に「人間原理」っていう考え方が紹介されてるねんけど、
 
 人間という知的生命体が誕生して、発展するように、宇宙があまりにも都合よく調整されているのは何故か?

って疑問に対する解答やねん。都合がいいってのは、

地球の酸素濃度がちょうど良かったり、
電磁気力の強さが原子を上手いことつなげるちょうど良かったり

するってことね。で、その解答はどういうんかと言うと、

 マルチバース(多次元宇宙)で色々な条件の宇宙が生まれた。
 その中に、たまたま都合いい宇宙があったから今こうして知的生命体にまで進化しただけ。
 都合悪い
あかん宇宙には我々が誕生しいへんねんから、宇宙がこのように設定されてる理由について、あんまり真剣に考えても仕方がない。

 
て考え方らしいねん。

 でも、著者は、人間原理の安易な適用は「物理学の放棄」って言ってて、やっぱり究極の原理を探したいって言ってはるねんな。

 確かに人間原理の使い過ぎは、神様が世界を作りました。ってのと何も変わらん気はする。

 人間は考える葦とも昔から言われてるねんし、考えて考え抜きたいよね。

 やから、みんな『何で何でマン』になってこうって話です。

 あと、個人的な話では、こういった宇宙物理学はSF映画とかロボットアニメとか、特撮作品とかのエンタメ作品の世界観のベースになったりして、十分世の中に貢献していると思うので、無くならんといて、ずっと研究し続けて欲しいです。

 読み終えて、一週間くらいおいて、この感想を書いてるから、ちょっと、これでいいんかわからへんけど、まあ、感想文やから許してくださいってことで!

ほな、また!

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