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『人新世の資本論』(著:斎藤幸平)

通勤電車でちびちびと読み進めて、本日、読み終えました。

簡単な感想としては、

「ポスト資本主義により、皆が暮らしやすい真の豊かな世界の姿を具体的にイメージできるようになった!でも、脱成長コミュニズムという言葉はイメージが悪い。」

です。

著者の主張としては、

①世の中にあるものの「貨幣的な価値」ではなく、「使用価値」をきちんと評価しなければならない。

②「ワーカーズコープ」などを中心とした生産者主体のコミュニティを国際連携も含めて発達させて、政治やコモン(水や空気や環境など)を資本(超富裕層)から取り戻さなければならない。

③人類生存を脅かす気候変動問題の解決には、貨幣価値の最大化を目的とする現状の資本主義ではどうあがいても無理。なので、「脱成長コミュニズム」しかない。

と感じましたが、「脱成長」という言葉が強烈すぎて、この言葉のみでは、「豊かな社会」を想像できません。

なので、「脱成長による停滞社会はやむを得ない」というおかしな主張に利用されかねないのでイメージが悪いと感じました。

また、「コミュニズム」(共産主義)もソ連や中国、北朝鮮のイメージから逃れられないため、少なくとも日本においては、他の言葉に変えたほうがすんなりと受け入れられるのではと感じました。


しかし、この本が40万部以上も発行されていることに驚きます。

著者が最後に主張しているように読者が火種となって市民参加の社会変革が日本でも起きて欲しいです。

とはいえ、私自身も日々の生活が忙しすぎて、ネットでぺちゃくちゃするくらいしか時間は取れていませんが…

しかし、今の日本の閉塞感を打破するにはやっぱりデモをするしかないですね。

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