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不老エステ【世にもになるまで書いてみた・あじふらいclassic・40作目・全6回】

~あらすじ~
売れない地下アイドルの主人公は気付けばもう30手前。
親からも早く就職しろと言われ、 ファンからは「卒業しろ」だの「BBA」だの散々な言われよう。
そんなある日、後輩から「ある化粧水」を勧められ・・・

これまでの話はこちら!

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○ 主人公の実家・リビング

 主人公 ソファーの上でくつろぎながらスマホをポチポチ。
 そこに主人公の母親がやってきて、彼女に話しかける。

母 ねぇ。お風呂入らないならお母さん先に入るわよ?
主 うるさいなぁ! 今入るからちょっと待ってて!

 主人公 渋々起き上がる。

母 あんた、また「エゴサ」してるのかい?
主 お母さんには関係ないでしょ! 

 主人公 スマホ片手に風呂場へと向かう。

母 ・・・・・・いい加減ちゃんと就職しなさいよ。
主 ・・・わかってるよ。
母 成功するアイドルなんて一握りじゃない。それにあんた来年29でしょ?
  この前ご近所さんから聞いたのよ。同級生の○○ちゃん、
  2人目産まれるんですって。
主 ・・・あっそ。
母 あんたねぇ。いつまでそんな「アイドルごっこ」をやるつもり・・・
主 うるさい!「アイドルごっこ」じゃないし! 
  私は「日本一有名なアイドル」になるまで続けるって決めてんの!
  邪魔しないでよ!!

 主人公 腹を立てながら風呂場に向かう。

母 あの子ったら、一体どこで道を間違えたのかしら・・・

 母親 仏壇の前に向かい、父親の写真に話しかける。

母 お父さん。あの子を説得して下さいよ。アイドルなんて馬鹿らしい・・・

○ 主人公の実家・主人公の部屋

 主人公 風呂上がりでバスタオルを頭に巻きながら入室。手にはスマホ。
 スマホをベッドの上に投げ捨てる。その上に寝転ぶ。

主 なんなんだよ!どいつもこいつも「卒業しろ」とか「BBA」とか!!
  私の努力も知らないのに・・・! もう!!

 主人公 子どものように足をばたつかせ悔しがる。
 主人公のナレーション。

主 (ナレーション)地下アイドル(グループ名)に所属して13年。
  加入当初は「神アイドル」だとか
  「史上最強の美少女」と持て囃されてきた。
  ゆくゆくはアイドル界のトップに立って・・・と思っていた。
  だけど最近、やたらと目につくコメントが増えてきた。
  そりゃあ同じグループに10コ下の子がいるけどさ、
  同世代に比べたら私って若く見えない? 
  メイクもトレンドも勉強してるのに・・・ 
  これ以上何をすれば・・・

 落ち込む主人公にメッセージとリンクが送られてくる。
 送ってきたのは同グループの後輩「ナツミ」。

主 ・・・「ナツミ」からだ。何だろ?
ナ (声だけ)先輩お疲れ様で~す これ知ってます??

 主人公 リンクをタップする。
 出てきたサイトには「不老水でアナタの肌が驚くほど若返る!」と表示。
 文字の横には「不老水」が入ったボトルを持つ女医の写真。
 見るからに怪しい。

主 (声だけ)何コレ。バカにしてんの?
ナ (声だけ)してないですよw 私の知り合いの知り合いが使ってて、
  めっちゃ効果あるみたいなんです! だから先輩もと思って!
主 (声だけ)余計なお世話!!

 主人公 怒っているスタンプと共に送り、スマホの画面を消す。
 しかし、「不老水」が気になる様子。

主 ・・・「驚くほど若返る」、か。。。

 主人公 再びスマホをいじり出す。
 棚の上に飾ってあるデビュー当時の写真にフォーカス。
 タイトルテロップ『不老エステ』


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