【連載台本・世にもになるまで書いてみた・45作目】アンドロイド・アナウンサー①
これまでの話はこちら!
○ テレビ局・報道フロア
ニュース番組の生放送中。
女性アナウンサーの口元のアップ。
C 以上、この時間のニュースをお送りしまシタ。
女性アナウンサー 一礼。とてもキレイな方。
頭にはピンクのカチューシャを付けている。
ディレクター 補助として横に座るアナウンサー(主人公)に話しかける
デ よし。読みミス無かったな?
主 ・・・はい。大丈夫です。
デ ん。じゃあ撤収!
奥から拍手が聞こえる。
プロデューサーと社長が話している。
社長。とてもご満悦の様子。拍手が止まらない。
社 いやぁ~ まさかここまでとは思わなかったよ。
プ ですよねぇ~
さすが我が社の期待の星
「アンドロイド・アナウンサー」CX―08!
これ社長の息子さんが開発されたんですよね?
社 ああ。息子の発明がこんなにも世に役立つとはね!
実に誇らしいよ!
社長とプロデューサー達 大笑い。
CXー08 無表情で次のニュース原稿を準備している。
社長 主人公に話しかける。
社 これからのアナウンサーに必要なのは「情報伝達力」だからねぇ!
情報を正確にそして簡潔に伝える能力。これさえあればいいのだよ。
(主人公に)なぁ? 君もそう思うだろ?
主 ・・・はい。そうですねぇ~ ははは。
社 だろ?
ま、彼女がいたら君みたいなアナウンサーはお役御免か!
一同 主人公を見て大笑い。
主人公 苦笑い。悔しさを押し殺す。
社 じゃ、これからも「彼女の補助」としてよろしく頼むよ!
社長 主人公の肩をポンと叩き、社長室に戻る。
アンドロイド・アナウンサー 無表情で座っている
タイトルテロップ『アンドロイド・アナウンサー』
○ 様々な番組スタジオ
主人公のナレーションをバックに、CXー08の活躍が流れる。
ワイドショーやバラエティ番組のアシスタント・大型音楽番組のMCをこなしている。
主 (ナレーション)彼女はアンドロイドのアナウンサー。
近頃、視聴者様からアナウンサーが感情を出しすぎていると
多くのクレ・・・ご意見があり、
「だったらいっそのことアンドロイドにしちゃえばいいじゃん?」
という社長の一言がきっかけで導入されたのだ。
最近じゃニュース番組だけじゃなく、
バラエティ番組のアシスタントもそつなくこなしている。
私? 今は彼女のサポート係。
この前までカメラの前に立っていたんだけど・・・
○ テレビ局・廊下
CXー08と主人公 2人並んで廊下を歩く。
スタジオに向かっている様子。
主 アンちゃん今日もお疲れ様!
C ・・・その呼び方やめてくだサイ。私の名前は「CX―08」デス。
主 だってその名前いかにもアンドロイドって感じじゃん。
な、いいでしょ??
C ・・・わかりまシタ。
主 じゃよろしくねアンちゃん!
主人公 嬉しそうに一歩前へ。少しスキップ気味。
CXー08 なぜか立ち止まる。
主人公 CXー08の方を振り返る。心配そうな表情。
主 ん? どしたのアンちゃん? もしかして充電切れ??
C いえ・・・
・・・あのセンパイ。センパイは今の仕事幸せデスか?
主 どういう意味?
C ・・・センパイ、私の補助してる時、何だか楽しくなさそうデス。
主 なわけないじゃん! 疲れてるだけ!!
C そうデスか・・・ ならいいのデスが・・・
主 ほら! もうすぐ生放送始まっちゃうよ! 急ご!!
C わかりまシタ・・・
CXー08 主人公についていく。
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