【連載台本・世にもになるまで書いてみた・45作目】アンドロイド・アナウンサー②
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○ テレビ局・アンドロイド保管場所
CXー08の保管場所。一般的な20代女性の部屋。
目が光り、壁に映像が映し出される。
主人公が出ていたニュース番組の映像。
主 (映像の音声)続いてのニュースです。俳優の・・・
主人公 大物俳優の訃報に声が詰まる。
別の映像に切り替わる。赤ちゃんパンダについてのニュース。
主人公 思わず心の声が漏れている。
主 (映像の音声)わ~ かわいいなぁ~
ス (怒り口調で)おい! 本番だぞ!
主 ・・・あ。
えーと、○○動物園の赤ひゃん・・・
じゃなくて赤ちゃんパンダが一般公開されました!
主人公 噛み噛みになっている。
C ・・・・・・なるホド。
CXー08 何かを察した様子で次のニュース映像に切り替える。
○ テレビ局・社員食堂
主人公とCXー08 テーブルを囲んで休憩中。
主人公 大型テレビに映る情報番組を観ながら、
昼食(自作の弁当)を食べている。
一方CXー08は食事の必要が無いため、ただ座ってテレビを視聴中。
情報番組では「若き社長特集」と題し、
社長の息子のインタビューが流れている。
主 (ポツリと)へぇ。これが息子なのか・・・
いいなぁ。お金持ちなんだろうなぁ・・・
(CXー08に)あ。アンちゃんごめんね。
私の休憩に付き合わせちゃって。
C イエ・・・ 1人で部屋に居るのも退屈なノデ・・・
主 そっかそっか。充電は大丈夫?
C ハイ。先ほどしてきたので大丈夫デス。
主 なら安心だね。もうちょっと待ってね。すぐ食べ終わるから!
C いやワタシのことなど気にせずにお構いナク・・・
主人公 弁当を急いで食べ始める。
CXー08 どこか物憂げな表情。話を切り出す。
C アノセンパイ。一つ質問いいデスか。
主 ん? 全然いいよ! 何でも聞いてよ!
C ・・・・・・センパイ。今幸せデスか?
主 もちろん! てか、昨日も聞いてなかった?w
C ・・・・・・センパイってアナウンサーなんデスよね。
本当はテレビ出たいんじゃないデスか?
ワタシ、昨日センパイのコト調べたんデス。
主 ちょっと~ 勝手にやめてよ~w
C ・・・申し訳ゴザイマセン。
デモ! 映像で観たセンパイ、今よりも楽しそうで・・・
本当のコト言ってくだサイ!
主 んー・・・ そりゃ出たいけどさぁ・・・
何て言うかな・・・ みんな望んでないでしょ。たぶん。
C そんなことナイデス!
主 だってさ私のニュース読み下手じゃん。
感情入っちゃうし、よく噛むし、ニュースの順番間違えるし・・・
今年の3月かな? ○○さんの訃報読んでる時に泣いちゃってさ。
C ・・・昨日、その映像観まシタ。
主 えー やだなぁw 私の失敗なんて観なくていいよw
C ・・・私は失敗とは思いませんデシタが。
主 ・・・まぁ、そういう人もいるよね。
だけど、あの後すごいクレーム入ったんだよね。
「カメラの前で泣くなんてはしたない」とか
「原稿も読めないヤツを採用してんのか」とか、
「あんなヤツクビにしろ!」とかね。まぁ色々来たよw
C ・・・悔しくないんデスか?
主 もう慣れちゃったw
というか慣れないとアナウンサーなんてやっていけないって!
だからさ、正直アンちゃんが羨ましいんだよね。
C 羨ましいだなんてそんな・・・
主 だってさ余計な感情入れずに正確に情報伝えてるじゃん。
というかそれが「あるべき姿」だしさ。
C ・・・そうなんデスかね。
主 きっとね。
そうだ! 原稿の読み方教えてよ!
C ・・・アナウンス部長に習えばいいじゃないデスか。
主 いいじゃんいいじゃん~
アンドロイド仕込みのテクニック教えてよ~
お願い!!
主人公 手を合わせて懇願する。
C (渋々)・・・・・・わかりましたヨ。
主 わーい! じゃよろしくねアンちゃん先生!
CXー08 主人公に呆れながらも承諾。
主人公 とても嬉しそう。
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