もぐり ⑤(終)/全5話【創作台本・世にもになるまで書いてみた・100作目】
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〇 大学・小教室
外はすっかり暗くなっている。時刻はもうすぐ20時。
主人公 満面の笑みで小教室の後ろの席に座っている。
他に受講しているのは女子大学生1人。教授とほぼマンツーマン。
主 (声のみ)なんと二部の講義にも参加する。
ほとんど人がいない状況、1部とは違い狭い教室。
この悪条件でもぐる快感は計り知れない。
もちろん教授は何も言ってこない。
これがもぐりに命を賭けた「もぐリストの王」である俺だからこそなせる業・・・
主人公 思わず立ち上がってしまい、椅子の音を立ててしまう。
しかし室内にいる2人は全く気付いていない。
主人公 一安心したのか、全身から力が抜けるように着席。
主 (心の声)あっぶね~ 俺としたことが・・・ 何という凡ミス。
こういう時ほど用心しないと・・・
主人公 いきなり教室の隅を向き、まるで隠しカメラがあるかのように視聴者へと語り出す。
主 今、私のもぐりっぷりを観ている大学生諸君!
明後日から君たちも「もぐり」に挑戦してみなさい!
ゆくゆくは俺のような「もぐリスト」に。いや、俺を超えてみなさい!
主人公 隅を見たまま高笑い。
女子大学生 後ろを振り向く。
教授 全く気付いていないのか、講義を中断し、女子大学生を心配そうに見つめる。
教 あ、あの・・・ 何かありましたか?
女 いえ。後ろで物音がしたような気がして・・・
女子大学生目線で見た、教室後ろの風景。教室には教授と女子大生以外に誰もいない。
女 (ホワイトボード側に再び振り向き)ごめんなさい。気のせいでした。
教 え。【女子大学生の名前】さんって、もしかして見える人?
女 おばあちゃんはそうみたいです。
教 じゃあ隔世遺伝なら・・・
教授と女子大学生 雑談で盛り上がる。
一番後ろの列。椅子が一つだけ、不自然に机と間隔があいている。まるで誰かが座っているかのよう。
主人公は講義だけでなく、現世にまで「もぐっている」のであった・・・
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