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語尾【世にもになるまで書いてみた・あじふらいclassic・39作目・全7話】

~あらすじ~
サークルの同期・サヤカに片思い中の主人公。
彼女の推しに似せてみたり、酒が強いアピールをしたりと若干迷走気味。
そんなある日の夜。
彼は飲み会の帰り道に怪しい露天商から「幸運の置物」を貰う。
その置物は「午前0時ちょうどに願い事を唱えると100%叶う」らしい。
だがその置物には一つだけ大きな代償があって・・・

これまでの作品はこちら!

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○ 繁華街(夜)

 繁華街から駅に続く道。
 1人のチャラい風貌の男(主人公)が歩きスマホをしながら駅に向かう。

主 (ブツブツと)「初デートはイタリアンがベスト!」か。
  ・・・いや。アイツ中華の方が好きとか言ってたよな。
  やっぱ本人に聞くのがいいのか? でもなんて送れば・・・

 主人公 「デート」について悩んでいる様子。
 主人公のナレーション

主 (ナレーション)俺は(主人公名)。大学3年生。
  突然だが、俺は今・・・ とある女性に絶賛片思い中だ。
  その相手は同じサークルの・・・・・・

 回想シーンに入る。

○ 居酒屋(回想)

 先ほどまで開かれていたサークル飲み会。
 大勢の部員がそれぞれの島で盛り上がっている。
 主人公 友人A・Bと喋っている。 
 その最中、片思い中の女性をチラチラ見ている。

A おい! 何アイツのことチラチラ見てんだよ!
B えw もしかして好きなんw?
主 (あからさまに動揺して)バ、バカ! な、なわけねぇだろ・・・!
A 図星じゃんwww 
  おーい(女性名)! コイツお前のことが・・・
主 おい!やめろ!!

 主人公達がじゃれ合う中、女性が輪の中に入ってくる。

女 ん? 私になんか用?
B おう! コイツ、お前に話したいことあるんだって~w
女 ふーん ・・・で、話って?
主 いや、その・・・ ・・・その酒うまい??

 主人公 女性が飲んでいるグラスを指さす。
 入っているのはカシスオレンジ。

女 (小さくため息)うまいって、これカシオレだよ? 
  聞かなくてもわかるじゃん。
主 そ、そうだよなぁ・・・ ははは・・・
女 アンタバカじゃないの・・・w

 主人公目線の女性の姿。
 キラキラと輝いて見えている。

主 (心の声で)彼女はサヤカさん。
  俺とは同い年で、黒髪ロングが似合うサバサバ系の女性だ。
  「かわいい」よりも「凜々しい」とか「かっこいい」
  「男前」という言葉が似合う。
  俺はこのサヤカさんに・・・ いや、サヤカに一目惚れしたのである。

○ 繁華街(夜・回想明け)

 主人公 未だにブツブツとつぶやきながら駅を目指している。

主 (ナレーション)内面だけじゃなく外見も彼女で満たされつつある。
  この金髪も彼女の推しメンを真似てみた。
  似合わない? 余計なお世話だ。
  メガネもコンタクトに変えてみた。
  サヤカ、じゃなくて・・彼女が「メガネ男子ってオタっぽくて嫌い」だと  
  風の噂で聞き、中学からの付き合いだったメガネを
  何の迷いも無く卒業した。
  それに酒も強くはないのに、アピールしたさに今日は3杯も飲んだ。
  だけど・・・ 我ながら迷走している気がする。
  自分が自分で無くなっていくというか・・・

 主人公 どこか悩んでいる様子。
 そんな彼に露天商の男が話しかける。

? お兄さん!お兄さん!
  そこの「外見はパリピ大学生だけど、内面はウブ」なお兄さん!!
主 ・・・・・・あ?

 主人公 声の方に振り向く。
 そこに座っていたのは怪しげな男。(イメージはロバートの秋山さん)
 ゴザの上に置かれているのはこれまた怪しげな小さい置物。
 どれも生き物がモチーフになっている。
 看板代わりのダンボールには
 「100%願いが叶う! 幸せの置物 販売中!」と書かれてある。

主 俺のことっすか?
男 もちろん!キミ以外誰がいるのよ?
主 (ボソッと)・・・失礼な。で、何すか?
男 置物買っていかない? 今ならお安く・・・
主 (食い気味で)いらねぇよ!

 主人公 その場を去る。
 男 呼び止める。

男 待って! キミ、今悩んでるよね?
主 ・・・だとしてもお前に言わねぇよ。
男 じゃあさ「悩み」当てたら一個貰ってくれない? タダで良いからさ? 
主 ・・・・・・当てれるもんならどうぞ?
  (心の声で)ま、どーせ外れるでしょ。
男 えーと・・・ まず、
  「今、片思い中のサヤカさん?をどうやってデートに誘おうか」
  ってことでしょ?
  それに「金髪とコンタクトにしたはいいものの全く似合ってない」
  ってこと、あとは・・・
主 (焦って)もういい! わかった・・・! 一個貰うよ!!
男 まいど~ そうだな、キミにお似合いなのは・・・ これかなぁ?

 男が渡したのは「カエルのような置物」。

主 なにこれ。カエル?
男 ザッツライト!
主 で、これ持ってりゃ「願い」は叶うんだな? 100%なんだろ?
男 (人差し指を振り)ちっちっち。持ってるだけじゃダメなのよ~
  午前0時ちょうどに置物に向かって祈ること! それで願いは叶うよ!
主 ・・・めんど。
男 まぁまぁ一度やってみなよ! チャレンジ精神大事大事~
  それでも「いらねぇや!」ってなったら返しに来て。
  あと数日はここにいるからさ。
  一応、名刺も渡しとくね。わからないことがあったら連絡・・・

 主人公 乱暴に名刺を受け取るとその場から早足で立ち去る。
 男 寂しそうな表情を浮かべる。

男 いやぁ。今時の若者は元気だなぁ~
  ・・・やべ。「大事なこと」伝え忘れちった。
  ・・・・・・ま、いっか。明日の朝に電話来るか。たぶん。

 男 一瞬深刻そうに考えるもすぐに楽観的に。そのまま次のお客を待つ。


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