トランク様 ②【連載台本・世にもになるまで書いてみた・69作目】
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〇 自動車ディーラー・駐車場
説明終わり。
3人 代車の前に立っている。
先 以上が守っていただきたい約束です。
ご理解いただけましたでしょうか?
主 えっと・・・ 今のお話をまとめると、
この代車には「トランク様」という守り神がいる。
その守り神は名前通りトランクルームに潜んでいる
後部座席とトランクを繋ぐふたを開けてはいけない
・・・ってことですよね。
先 その通りでございます! それでは快適なカーライフを・・・
主 いやいやいや! 全く理解してないんですけど!
先 (不思議そうに)左様でございますか・・・? ではもう一度説明を・・・
主 それはいいです! たぶんもう一回聞いてもわからないので!
まずトランク使っちゃダメなんですか?
開けるなって仰いましたけど・・・
先 いや、使ってもいいですよ?
主 え?
先 ただ、外からは開けていいんですけど、
中のこのふた!(ふたを指さし)
ここは「絶対に」開けないでくださいね。
ここが「トランク様」の出入口なので。
主 わかってます! さっき聞きました!
・・・そもそも「トランク様」ってなんなんですか。
先 それは・・・ その・・・
私たちも知らないっていうか・・・ 知られちゃいけないっていうか・・・
とにかく「正体を見てはいけない」ことになっておりますので。
そこの所ご了解お願い致します。
あ、普段は無害なのでご心配なく!
主 ・・・正体知らないんですか。
先 申し訳ございません。何せまだ「開けた人」がいないもので。
主 ・・・わかりましたよ。開けなきゃいいんですね。
先 ええ。開けてしまうと「大変なこと」になってしまいますから。
主 ・・・怖いこと言わないでくださいよ。
というか他の代車はないんですか!?
嫌ですよこんな曰く付きの車!
先 それはちょっと・・・ 只今ご用意できる代車がこれしかないもので・・・
主 マジか・・・
先 まぁ、開けなきゃ大丈夫ですから!
それでは2週間後お待ちしております。
主 ・・・よろしくお願いします。
主人公 車に乗り込み発車。そのまま家に戻る。
店員たち一礼。若葉マーク店員は少し遅れて一礼。
先 ったく。お前次から説明忘れるんじゃねぇぞ。
若 ・・・わかりました。
先 そこは「かしこまりました」だろ!?
若 ・・・すみません。
先 ったく・・・ いつになったら仕事覚えんだよ・・・
若 ・・・・・・・・・
店員たち 店内に戻っていく。
若葉マーク店員 先輩の言葉が悔しかったのか、こぶしを握り締めながら店内へ。
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