【随筆】廃れる


初期のiPhoneにあったYouTubeのアプリアイコンが好きだ。ブラウン管テレビをデフォルメしたようなデザインが好き、というよりも、あの時代のYouTubeが好きだった。広告も無ければ、ユーチューバーもそんなに居なかった。もちろん、何らかの形でマネタイズしている人はいたのかもしれないけれど、多くの人はただ純粋に動画投稿を楽しんでいる人だった。仕事ではなく趣味の動画が溢れていた。

そんなYouTubeが今では、広告が付きプレミアム会員というシステムが生まれた。最近のYouTubeがつまらないとは言わないけれど、「資本主義社会」というものを突き付けてくる。ビジネス向けの動画も増えた。胡散臭い動画も増えた。釣り動画も増えた。著作権には厳しくなった。過激な動画も増えた。秘密基地のような面白さは無くなった。


TwitterがXになるらしい。それってつまり、noteみたいになるってことだと思う。漫画や写真を投稿している人は他のサービスに誘導する必要が無くなって、使いやすくなるんじゃないかと思う。
Twitterからnoteに誘導していた情報商材屋さんも、Twitterからpixivに誘導していた漫画屋さんも、TwitterからFantiaに誘導していたエロ写真屋さんも、これからはXで直接マネタイズしましょうってことだと思う。そういう人たちには良いアップデートだと思う。


だけどYouTubeもTwitterも、元々のユーザーの多くはマネタイズすることなんか考えずに利用している。だから廃れるんだと思う。廃れるっていうのはアクティブユーザーの割合が減るってこと。再生回数が登録者数を下回る。閲覧数がフォロワー数を下回る。そういうのが当たり前になるってことだ。もっと言うとそんな数字を気にしながらサービスを受けるってことだ。

廃れるのはサービスというよりも利用者の心かもしれないけれど…
まぁ今でも十分利用者の心は廃れている気がするけれど…


まあTwitterがどうなろうと正直あんまり気にしていないんだけど、次のサラダボウルみたいなSNSに行くだけかな。

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