【読書メモ】実行力

政治家なので橋下さんの政策には賛否両論だと思いますが、こと「実行力」という点に関しては文句なくずば抜けている方だと思います。

その「実行力」をどうすれば発揮できるのかを本書では強烈な説得力と実績の紹介によって説明しています。

人を動かす管理職の方には必見です。とても参考になります。

熱量を感じる書籍なので、読み物としても面白く、発奮できる内容となっています。是非読んでみてください。

以下、読書メモです。

リーダーはまず行動で信頼を得る

リーダーは大きいことをまず実現して行動で示さなければついてきません。

口だけのリーダーには説得力がありません。

ゴールや方針も、言うだけでなく、徹底して細部までこだわって行動で示す。そうすると部下に内容だけでなく、リーダーの「意思」が伝わります。

リーダーは決めきる

リーダーは決め切らなければなりません。

リーダーが果たすべき役割は、実質責任を負うだけです。

まず、自分がどこにこだわるのかの軸を部下に直接頻繁に伝えておくと、その観点で整理されて洗練された情報が上がってくるようになります。

情報はたくさんあれば良いものではなく、整理されていない情報が上がって来ても判断ができないのです。

また、自分の主義主張に対する反対派の代表を側に置くことも必要です。

組織が大きくなるほど、主義主張の派閥が生じてしまいます。ですが、正反対の代表を側近にすれば、そのさらに下のメンバーは付いてくるしかなくなります。

また、側近の反対派には、「反対意見は大量に出して欲しい。ただ、それらを十二分に吟味した後でその上で最終的には責任者である自分に従ってほしい。」と最初に伝えておくことが望ましいです。

どっちが責任を持つか微妙なマターは必ず最終決定者を決めておかなければ前には進まないからです。

実行プランを練る場合は、現場の者同士が徹底的に議論して、最終的に責任を取る立場、心証を出せる立場の人間が、裁判官のようにその議論に対してジャッジを下す、と言うやり方であれば、全員に納得感があります。

当然、議論者は詳しいものでないと意味を成しません。

要するに、比較優位という視点が判断、実行には必要になります。

どちらか100パーセント良い案など、絶対にない(あったとしたらリーダーなど不要で、自然にその案で決まる)ので、いくつかの案を提示してその内の一番マシなものを選ぶ、というアプローチでないと、デメリットばかり見えて何も決断、行動できなくなります。

決断しないということはリーダーは仕事をしていないに等しいのです。

橋下さんの経験上、熱意と比較優位(実行プラン)で大体の提案は通るそうです。

ここで最後に一つテクニックですが、逆に部下の立場でリーダーに提案を飲ませたい場合は、組織の全体最適を考えてメリットを整理して伝えれば、リーダーは決断しやすい、ということになります。

所感

本書は知事(または市長)と府庁(または市庁舎)の経験談ですが、抽象化されたメソッドはどの組織にも当てはまる内容だと思います。

割とオーソドックスな組織論を極めて分かりやすい経験談で味付けしているという内容なので、自然とその考え方が身につくと考えています。

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