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【和歌】鈍色の秋の海には

生まれ落ちたその瞬間から、生きることが日々魂を殺され続けることであったような人間は、いったいどうすれば救われるのだろう… 。

否定されて生い立ち、間違った医療を施され、自分の人生を得られないうちにすでに、取り返しのつかない、あまりに多くのものを奪われてしまった。本当に生きることができないうちに老いてしまった、というチャタレー夫人コンスタンスの嘆きは、私自身の最も受け入れることのできない無念と不本意とに共鳴して聴こえる。

本当に生きたいとどれほど願って努めても「生きていられない」という絶望が、ずっとずっと、死ぬほどに続く。 

鈍色の秋の海には何もなし轟く波の砕け散るのみ

(空も海もすべてが灰色に覆われた、そんな秋の海辺にたった独りで置かれている。そこには何もない。喜びも希望も。激しく打ち寄せる波が目の前でただ砕け散ってゆくだけだ)

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