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Info-Dオルタナティ部vol.6「情報デザインクロニクル共同編集:ソフトディバイスの歴史を題材にして」のレポート

noteにて「ソフトディバイスの歴史」を公開し始めてすぐに、デザイン学会の情報デザイン部会「Info-D」の方々が連載に興味を持ってくださり、Info-Dの有志によるオンライン勉強会「オルタナティ部」にて、話題提供をすることになりました。Info-Dの歴史も長く、今年は20周年の年だそうで、振り返りの年にしていきたいと考えられていた幹事さんが連載を目に留めてくださり、Info-Dの振り返り活動のよいきっかけになるのでは、とご提案をいただきました。

開催概要

【12月11日(土)20:00~ Info-Dオルタナティ部 vol.6】
日本デザイン学会情報デザイン部会 第6回オルタナティ部
「情報デザインクロニクル共同編集:ソフトディバイスの歴史を題材にして」
・とき:12月11日(土)20:00~22:00
・部長:佐々木麻美(softdevice inc.)
・あゆんできたヒト:八田晃(softdevice inc.)
・ここ十数年を知るヒト:眞保千佳子(softdevice inc.)
・ここ数年を知るヒト:三野宮定理(softdevice inc.)
・外に飛び出したヒト:野々山正章(softdevice inc./Yumemi inc./法政大学大学院メディア環境設計研究所)
・語り合いを促進するヒト:福田大年 横溝賢(札幌市立大学)二宮咲子(関東学院大学)山崎真湖人(慶應義塾大学大学院 システムデザイン・マネジメント研究科)両角清隆(コ・デザイン仙台合同会社)
語り合いを記録するヒト:中島郁子(wirefactory)高畠栞 (札幌市立大学)

●イベント概要
今年は、infoD20周年で、振り返り企画を開催したいと幹事の中で話しておりました。
そうした時に「ソフトディバイスの歴史」という連載に出会い、本企画に至りました。本企画では、情報デザインのはじまりとともに、同じ時代を生きたソフトディバイスの様々な側面からの変遷を共有することから始めます。
連載は、1980年代から2010年台までの話ですが、当日Miro上に、近年までのソフトディバイスの歴史を時系列に整理しました。そのMiroに、参加者みなさまと一緒になって、情報デザインまつわる出来事を配置して年代記を作ります。
その流れに沿ってinfoDや情報デザインの出来事を配置することで、振り返りのきっかけになり、また将来を見据える活動を目指しています。この研究会をもとに、今後の情報デザイン分野について対話する機会としたいと考えています。

当日の話題

当日は、miroに書かれたソフトディバイスの歴史年表を見ながら、UI界隈で活躍されていた参加者の皆さんに当時のエピソードを語っていってもらいました。

UIをプロトタイプするツールがまだなく、かなり詳細なところまで紙に描いて設計していた1985年前後。のちにビデオワークスハイパーカードが出現しツールを使ってプロトタイピングする時代へ。そしてDirectorFlashの登場でリッチな動きを含んだインタラクションのデザインを、紙のスケッチのように試行錯誤してくことが可能になっていきました。様々なツールが現れていくときに、使い慣れたツールから移行する時の苦労のエピソードも多く話題にあがりました。
また実世界志向UIが研究分野で盛り上がっていた1990年代後半。ソフトディバイスではハードウエアを使ったプロトタイピングは、既存のデバイスをハックしたり改造したりでの制作となり、デザイン事務所であるソフトディバイスでそれができるのは一部のメンバーのみの状態でした。のちのGAINER(や、のちのArduino)の登場でそのハードルが格段に下がり、ハードウエアのプロトタイプがスケッチ感覚で行えるようになりました。ソフトディバイスでも在庫がなくなるほどGAINERを買い占めてプロジェクトで利用していた記憶があります。工学的な考え方とデザインの考え方が融合していった情報デザインの歴史が垣間見られます。

また、「society5.0」や、これからのデザイナーの役割についても話題にあがりました。デザイン思考が社会に浸透していくなか、インタラクションデザインのような繊細なデザインの領域とはまた違う、社会問題の解決もデザイナーの役割となりつつある昨今。専門性やコミュニケーションが複雑にからむような問題に対して、デザイナーは、必要なスキルをもった人を集めて「問題を解決していく場を作る」ような存在になっていくのではないでしょうか。

私たちソフトディバイスにとっても、よい振り返りの場となりました。Info-D幹事の皆様、参加していただいた皆様、ありがとうございました!!



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