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これが私の選んだ道。プロ野球チアの世界に挑む覚悟【ハニーズ SHOKO×SAE対談】

華やかなオープニングダンスやファンサービスで球場を彩るプロ野球チア。

ホークスパフォーマンスチーム「ハニーズ」は、既存メンバーも含め毎年オーディションが行われ、翌年のメンバーを決定しています。その倍率は約10倍。厳しい競争を勝ち抜いた後も、より良いパフォーマンスを目指して日々練習に打ち込み、メンバー同士で高め合いながら、ファンの皆さまに感動や喜びを届けています。

今回は今季ハニーズのキャプテンを務めたSHOKO、新メンバーのSAEに、今シーズンを振り返りながら、なぜあえて厳しい世界に飛び込んだのか、そして今後成し遂げたいことを聞きました。

多彩なメンバーが集まるハニーズ

ーハニーズに入ったきっかけは?

SHOKO:私は元々ダンスを習っていたので、ダンスができるお仕事をしたいと思ったのがきっかけです。ダンスチームを一緒に組んでいたメンバーの中に、先にハニーズに入った先輩がいて、その先輩の影響を受けて入りたいと思いました。ハニーズは先輩が入ってから(野球を)見に行ったり話を聞いたりして知りましたが、すごくキラキラしてるし、こんなところで踊れるのがすごいって思いました。

SAE:私はチアリーディングっていう、人を持ち上げたりとか飛ばしたりするような競技をずっとやってきました。
学生時代もチア部の活動の一環で野球の応援に行って、そこで野球も好きになって。大学卒業後に就職した会社も社会人野球チームを持っていたので、プロ野球の世界っていうのは私にとって最高峰の存在というか、雲の上の存在的な憧れがありました。

ーハニーズに入る前は一般企業に就職されていたんですね

SAE:はい。就職したタイミングで一回チアからも離れたのですが、そこで日々の生活の活力がなくなってしまって…。
野球は好きで見に行っていたので、その時に自分の好きなことをやり続けて仕事にしている野球選手やチアを見てすごい感動して、勇気をもらったというか。自分の好きなことをやって生きている人のパワーを野球場で感じて、そこで初めて目標になりました。
そこからハニーズのパフォーマンスをYouTubeとかですごい調べて、本当に輝いていてすごいなって思って、福岡に何の縁もないんですけどオーディションを受けました。

SHOKO:SAEは社会人経験があるから、めっちゃしっかりしてるし、喋る言葉がかしこまってて、すごい社会人(笑)。

SAE:ハニーズに入る前は関東で某企業の人事部をやっていて、普通のOLでした(笑)

インタビューに答えるSHOKO(右)とSAE(左)

ー関東には他の球団もある中でどうしてホークスに?

SAE:ハニーズのファンの方って、たくさんYouTubeに動画を上げてるんです。
いろいろ調べてる中で、ハニーズは昨年チアリーディングも取り入れてたんですよね。私はチアが好きだからそれもすごい魅力的に感じたし、あと福岡のローカルテレビみたいなのありますよね?そういう動画も、検索履歴からだんだん出てくるようになっちゃって(笑)。そこで、ホークスって、すごく地元を上げて応援されていると感じました。
関東は球団がいっぱいあるので、私もいろんな試合を見に行ったんですけど、地域をあげてみんながファンみたいな雰囲気って、私が住んでる地域ではあまりイメージがなかったので、アットホームな感じが結構新鮮で魅力に感じました。

ーいろんな経歴の人たちが集まって、パフォーマンスに変化があった?

SHOKO:確かにそうですね。チアもあれば、本格的にダンスの人や新体操とか、いろんなジャンルの経歴の人が集まっています。去年くらいから、ハニーズのパフォーマンスでもリボンとか旗とかを使うようになって、パフォーマンスの幅はすごい広がりました。私が入ったときはポンポンだけでみんな同じ踊りをしていたから、今はアクロバットも入ってきて、すごく幅が広がって、見ごたえが出ました。

さまざまな経歴のメンバーが集まり幅が広がったパフォーマンス

それぞれの苦悩と葛藤

ーキャプテンとして、今シーズン苦労したことや悔しかったことは?

SHOKO:苦労したのは、メンバーの足並みがなかなか揃わなかったことです。
新メンバーと継続メンバーの気持ちにギャップがあって、そこの差を一つのチームとしてまとめるのがすごい難しかったです。私もキャプテンになったのは今年からなので探り探りでうまくできなかったこともあるし、新メンバーもそれまでのことを知らないから、当然どうしたらいいか分からないだろうし。ちょっと苦労したけど、話し合いを設けてコミュニケーションを増やすことで、徐々に揃っていったのかなという感じですね。
最初のスタート地点から考えたら、今はすごくまとまってきたのかなと思います。

SAE:私は新メンバーの立場だったから、SHOKOさんが言ったモチベーションの差っていうのも、とても理解できる。一方で同期が悩んでいるのも知っていて、その子なりのペースで頑張っているのを近くで見ていたから、その想いも理解できる。
私はまだチームを引っ張っていくとかできないけど、同期が悩んでいる時は声をかけたり、本当に小さなことだけど一生懸命やることはできるかなと思ったから頑張れました。

ー新メンバーとして、憧れのハニーズの一員になって、実際どうだった?

SAE:きつかった面で言うと、やっぱりダンスのレベルが高かった。私はチアリーディングをメインにやってきたので、やったことがないジャンルのダンスとか、下からのスタートになるなというのを実感しました。だから受かって嬉しいっていうよりは、やばい、っていうのが本音です。

ーチームの雰囲気はどうだった?

SAE:私は元々ハニーズのメンバー全員の顔と名前が一致してるくらいのオタクだったので(笑)、実際入ってみて、やっぱり一人一人がすごく魅力的で個性的だと感じました。
それはパフォーマーとして努力してるっていうのももちろんなんですけど、人としてすごい優しいし、先輩たちもすごい自分のこと見てくれてるのを感じるし、同期も休みの日も一緒にいるくらいすごい仲がいい。
シーズン中に体調を崩したことがあって、その時もみんな個人的に連絡くれて、同期も抱えきれない量の食料を持って家に来てくれたり、本当に支えられました。
それはここに入ったから出会えた人たちなので、もちろん環境的に辛いというか、焦ってのスタートではあったんですけど、やっぱり人の魅力っていうのはすごい感じました。

パフォーマンス中のSAE

ー今まで経験のないジャンルのダンス。その苦労を乗り越えるために何をした?

SAE:やっぱり練習しても練習してもうまくいかなくて、自分的にはけっこう辛かったんですけど、その時に、SHOKOさんのインタビュー記事を見たんです。(※西スポWEB OTTO!のインタビュー記事:前編後編
記事にはSHOKOさんが今までやってきたことが書いてあったんですけど、毎日筋トレ1時間してたり。私は6年目になったキャプテンのSHOKOさんしか知らないけど、別に生まれつき才能があったとかそういう訳ではなくて、本当に努力して今のSHOKOさんがあったのかっていうのをすごい感じて。
6年目でキャプテンなのに、練習の日も試合の日も早く来るし、MCもすごく練習しているし、そういう積み重ねがあって今のSHOKOさんになっているのを感じました。

ー努力を続ける先輩の姿が刺激になった

SAE:はい。そういう姿を見て「私ってまだ何もやってないな」って思えたし、やったことないことに挑戦しているんだから、私はまだ頑張ってる段階で人と比べて落ち込んだりする段階じゃないなっていう風に思えました。
私の同期は、ダンスやチアの経験が長い人もいるし、同じように練習しても同じようにできないことに焦りもあったんですけど、そこで人と比べなくなって自分の成長に目を向けられるようになりました。
……この話をすると感極まっちゃう。

SHOKO:夏終わりくらいに、みんなで若鷹軍団のダンスをもっと強化しようみたいな話をしたことがあって。その話をした後に、SAEから長文で私にLINEが来たんです。
「お話してもらって、もっと自分は練習しないといけないと思った。」って、いっぱい長文で。目標と、そのためにどうやっていくのか、細かく書いてくれていました。「そのために、力を貸していただきたいです。」って。
それで逆に私は刺激をもらって頑張ろうと思えたし、そこまで考えてやってくれるんやなっていうのが分かってすごい嬉しかったです。

SAE:すいません、なんか言わせた感じになってしまいました(笑)

SHOKO:え、違う違う(笑)

SHOKO:それこそ最初は、新メンバーが入って体制がちょっと変わって、今までとギャップがある中で、モチベーションの差を感じることもありました。今年は経験が浅い子もいる中で、きっと本人たちは頑張ってるんだけど、それが見えづらいと感じることもあったんです。
でもそれも話し合いをしていく中で、徐々に新メンバーの気持ちがいい方向に変わって、すごい練習してるのを見るようになったし、それぞれ自分のレベルがあるだろうけど、それぞれのペースで頑張ってるなっていうのをすごく感じましたね。

振り返りながら、想いが溢れる2人。

パフォーマンスチームの現在地

ー今シーズン、思い出に残っていることや良かったことは?

SHOKO:コロナが明けて、お客さんとの距離がぐっと縮まったことです。お立ち台だったり、ステージでも球場でも声が出せるようになったり、それがすごい楽しかったし、やっと戻ってきたなって感じで、そこが全体的に今年は印象に残っているんじゃないかな。
あとは、やっぱりよかよかダンスが印象に残っています。よかよかは今年のカラーでしたね。

ーよかよかダンスを1年やってみて、どうだった?
SHOKO:最初は「こんな感じのやるんだ!」という驚き。今までとテイストがちょっと違って可愛くなったなというイメージです。今まではどっちかと言ったら、可愛いというよりダンスで魅せることが多かったので、6年やってきた中でも、雰囲気ががらっと変わって新しいことだなと感じました。浸透してくれたら、とてもいいなと思います。振りも簡単だし、真似しやすいキャッチーな感じだから、もっとみんなが恥ずかしいとか思わないくらい、巻き込んでやれたらいいなとは思いますね。

今季のメイン演出となった「よかよかダンス」

ーきつねダンス(北海道日本ハム・ファイターズガール)を意識することはあった?

SHOKO:個人的な意見なんですけど、どちらかというと同じようにするというよりは、違う感じで、こっちはこっちの新しいもので有名になれたらいいのかなと思いました。
(きつねダンスは)確かにキャッチーだったし、見ていて面白い。知名度が上がることはいいと思うし、そこに関してはすごく刺激を受けたけど、ハニーズも自分たちのやり方でそうなれたらいいな、と思っています。

ーさらに高いレベルを目指して、球団幹部にも直接面談を申し込んだと聞きました

SHOKO:はい、シーズンが終わるくらいに、副キャプテンのNanamiとMAOと一緒に球団のマーケティング本部長にハニーズのこれからについて相談したいと打診しました。
今シーズンを通してメンバーもいろいろと話し合いをしてきた中で「もっとこうしたい!」という希望も出てきたので、球団の方針の意図とかまずは一回ちゃんと上の方の話を聞いて、私たちの考えも伝えて、足並みを揃えられたらいいなと思って、お話する機会をいただきました。生意気ですよね(笑)

パフォーマンスだけでなく、キャプテンとしてチームを牽引したSHOKO

メンバーたちの原動力とは

ーなんでそこまで頑張れる?

SHOKO:私自身がもともとそういう性格なのもあるし、そもそもダンスが好きだから、だと思います。
私だけの考えというよりは、(キャプテンとして)メンバーの声を聞いて、動かないといけないと思ったのもあります。でも、一人では頑張れていないし、特に副キャプテンの2人が一緒にいろいろ考えてくれました。

SAE:私もやっぱり好きなことだから頑張れる、っていうのは本当にあると思います。
私は今まで努力できることが自分の才能だと思ってたんですけど、会社に入ってみたら全然何も頑張れなくて。会社員は自分の意思というより、与えられた役割や会社の立場として動いてるじゃないですか。
それがしっくりこなくて、会社員のときの私は別人のようで、定時出社・定時退社の必要以上に何も頑張らない人だったんですけど、そういうのを経て、自分は好きなことだからチアを頑張れてたんだなってすごい実感して、こんなにずっとやり続けられるのは、つらい思いをしても続けたいって思うのは、本当に好きだからっていう、それだけです。

ー今後、それぞれが目標としていること、成し遂げたいことは?

SHOKO:チームとしては、今後はさらなるパフォーマンス力の向上。あと、ハニーズやパフォーマンスチームの知名度をもっと上げていくのと、やっぱりホークスがリーグ優勝・日本一になる後押しをできるチームを作っていきたいというのが、目標です。
個人は、ありすぎて言い切れないです(笑)

SAE:個人の目標は、私もまずは自分のパフォーマーとしてのスキルアップ。ハニーズはいろんな個性を持っている人が集まって輝いているチームだから、そういうのをもっと磨いていくために、まずはダンスやMCのスキルを、もっともっと向上させていきたいと思っています。
あと、私みたいに、全然違う環境からこの世界を夢見ている人だったり、憧れるだけで夢見ることすらしていない人だったり、ダンスの経験があまりない人とかもいると思うんですけど、私自身がもっとパフォーマーとしてレベルの高い存在になって、そういう人たちの背中を押せる存在になりたいなと、個人目標としては思っています。

ー最後に、2人にとってハニーズを一言で言うと?

SHOKO:「元気の源」ですね。

SAE:私は今も変わらず、「憧れ」です。

「好きだから頑張れる。」溢れる想いを語ってくれました

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ハニーズをはじめ演出を担当する球団職員は、

「SAEはある時をきっかけに雰囲気が変わったなと、感じていました。SHOKOの記事に刺激を受けた話を聞いて、やっぱり人と比べるよりも、自分とちゃんと向き合ってやってくれてたんだなっていうのを、今答え合わせできた気がします。SHOKOはキャプテンとして間に立って一番苦労したと思うし、球団幹部との面談もハニーズのことを私たち以上に考えて、向き合ってお互いより良くしようとしてくれた結果かなと思う」と話してくれました。

そして、元OLやダンス未経験者などさまざまな経歴のメンバーが集まり一つになった今季のハニーズについて、

「やってましたっていう子がその輪にいないと、チア技や新体操などパフォーマンスに取り込もうという発想にはならない。そういう意味でも幅が広がったなと。今シーズンはいろんな魅力、いろんなことがチャレンジできた1年だったと思うので、それはメンバー達がこんなに頑張ってくれたおかげだなと本当に心から思います。」

さまざまな演技で観客を魅了するパフォーマンスチーム

表から見える華やかなパフォーマンスからは想像もできないほど、陰の努力や葛藤を乗り越えてきた彼女たち。

毎年行われるオーディションを乗り越え、日々の練習やパフォーマンスの中で悩みながらも前を向いて取り組む原動力となっていたのは、「好きだから」という気持ちひとつでした。

今回のインタビューを通して、2人のパフォーマンスへの強い想いと覚悟を垣間見ることができました。

ホークスも新体制となりましたが、パフォーマンスチームもすでに来季に向けて動き始めています。新しいハニーズが来年の開幕とともにどんなパフォーマンスを魅せるのか、ぜひ楽しみにしていてください。

(文:広報室 鳥原早貴)

<オーディション情報>

現在、ホークスパフォーマンスチーム2024メンバーオーディションの参加者を募集しています。1次審査は福岡、東京、沖縄の3会場で開催。ファンの皆さまと一緒にホークスを盛り上げたいという熱い想いをお持ちの皆さまのご参加をお待ちしています。

▼オーディション詳細・応募はこちらから
https://www.softbankhawks.co.jp/ex/honeys_audition/



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